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有元美津世のGet Global!

キャリアデザインインタビュー(1) ─ 英語と夢に向かって安定職を去る2016.05.17

 

読者の皆さんの中にも「転職したいけど…」と思いながら、なかなか踏み切れない人たちがいることでしょう。

そんな人たちに希望を与えられるよう、当コラムでは、不定期にですが、実際に転職した人たちの話を聞いて紹介していきたいと思います。

 

ソーシャルメディアで英会話訓練

 

今回は、好きな仕事をするために、40代で安定した職を捨てて転職したSさんの話です。

Sさんは、以前からフェイスブックやスカイプで世界各国の人と交流し、そこで知り合った人を訪ねて現地に出向いたりしていました。

 

今ではネットで知り合った人たちを訪問がてら、それまで興味のなかった国を旅行することが趣味になっているそうで、南アフリカを訪れた際も「現地の友人と二年以上ネットで交流したからで、それがなければあり得なかった」ということです。

 

Sさんは、スカイプで知り合った日本在住のフィリピン人にクリスマスパーティーに招かれるなど、日本国内でのオフラインの交流も楽しんでいるようです。

元々、英会話の訓練のために始めたソーシャルメディアでしたが、今では友人との交流や新たな関係を構築するための手段になっているそうです。

 

ユースホステルに転職

 

そんなSさんは郵便局に勤めて20年以上。英語とは縁のない仕事でした。「英語を使った仕事がしたい」という思いと、「生まれ育った大阪を海外の人たちに紹介したい」という理由で、昨年、40半ばでユースホステルに転職しました。

仕事内容は宿泊客のチェックインやチェックアウトから、調理やベッドメーキング、掃除まですべてです。深夜のシフトもあり、仕事は大変なようですが、非常に楽しいそうです。

Sさんの夢はゲストハウスを経営することで、宿泊業全般を学べるユースホステルは、夢をかなえるために最適の職場だそうです。

 

人生の折り返し点で

 

「もう40だし…」と転職を躊躇する人も多いと思います。自分がやりたいことをやろうと思えば、給料も下がるかもしれません。

でも、40というのは人生の折り返し点。私もそうでしたが、「人生前半を終え、後半をどう生きるか」で模索する年頃、「人生の棚卸し」時期ともいえます。

 

私の場合、16年間続けたコンサル業を辞め、まったく違う投資業を始めたのですが、正解でした。Sさんも「あれ以上、郵便局の仕事はできなかった」と言いますが、私も、あれ以上、同じ仕事は続けられませんでした。(魂が死ぬ。)

安定した職や事業(とくにクライアント)を捨てるのには勇気がいります。でも、一度だけの人生。やりたいことをやらないと、死ぬ前に、もっと後悔すると思うのです。

新シリーズが、転職に悩んでいる人たちのささやかな道標になれば幸いです。

 

<余談>

ホテル不足が深刻な関西。中国人観光客は(面子が大事なので)、第一希望は一流ホテルで、一流ホテルがとれないとビジネスホテルに泊まるそうです。そうしてビジネスホテルが満杯でとれなくて困っているのは日本の出張者で、そうした出張者がユースホステルに泊まっているのだそうです。

<キャリアデザインインタビュー バックナンバー>

キャリアデザインインタビュー(1)─ 英語と夢に向かって安定職を去る
キャリアデザインインタビュー(2)─ 米留学、日本で就職後、米赴任
キャリアデザインインタビュー(3)─ 米大学卒業、日本で就職、転職、フリーに
キャリアデザインインタビュー(4)― ポスドクから企業勤務を経てフリーの翻訳者に
キャリアデザインインタビュー(5)― 40手前でベトナムで就職 

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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