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有元美津世のGet Global!

和製英語に気をつけよう(5)ー 「タレント」2014.06.10


    大学を出ても職がない(3)― 人材需給のミスマッチ」 で、”Talent Mismatch”という表現を使いましたが、英語の”talent”とは、「才能、特別な能力、才能を持った人」という意味です。 

    「才能、能力」を現す英単語は多々ありますが、”talent”は「持って生まれた才能」を指し、主に音楽やスポーツ、芸能などに使われます。“America’s Got Talent”や”Britain’s Got Talent”の”talent”とは、まさに、こうした才能のことで、下記のような使われ方をします。 

    ・Susan Boyle has a talent for singing.(スーザン・ボイルには歌の才能がある。) 
    ・She was born with a talent.(彼女には持って生まれた才能がある。) 
    ・She was a new talent who became an overnight sensation. 
    (彼女は、一夜にして大評判となった新星だった。)

     

    上記のような番組は”Talent Show”と呼ばれます(タレントのショーではありません)が、学校や職場で行われるかくし芸大会のようなものも、”Talent Show” と呼ばれます。


    ただし、”talent”は、下記のように皮肉って使われる場合もあります。 

    ・He really shows a talent for antagonizing people.(彼は、実に人を怒らせるのがうまい。)


    また、下記のように形容詞としても使われます。 

    ・He’s very talented.(彼は非常に才能がある。) 
    ・We need more talented people. (優秀な人材がもっと必要だ。)

     

    企業にとってのTalent


    Talent Mismatch”の”talent”は、才能、ひいては人材という意味で、”talent mismatch”とは、求められている技能・人材と供給されている技能・人材がマッチしないということです。 


    日本でも、外資系企業などでは「タレントマネジメント」という英語表現がそのまま使われていますが、人は企業にとって資源であり、とくに会社経営に影響を与える優秀な人材を獲得・育成・開発・維持しようというのが”talent management”の理念です。 

    他にも、”talent acquisition”(人材獲得)、”talent development”(人材開発)、”talent mobility”(人材流動性)、”talent drain”(人材流出)、”talent shortage”(人材不足)などの表現があります。また、”Tech talent””IT talent”(IT分野の人材)といった形でも使われます。さらに、 

    ・The company makes good use of its talent.(会社は人材をうまく活用している。) 
    ・How can we find talent for hard-to-fill positions? 
    (埋めるのがむずかしい職では、人材はどうすれば見つかるのか?)

     

    なお、日本語の「タレント」は、英語では”TV personality”、芸能人という意味であれば”celebrity”が適切でしょう。

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    この記事の筆者

    有元美津世

    大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
    著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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