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和製英語に気をつけよう(2)ー「プライド」2014.01.22


    「僕にはプライドなんてないですよ~」と言ったHさんですが、実際には英語でこう言いました。 
    “I have no dignity.” 
      
    これは、”I have no pride”ということも可能です。ただし、”Dignity”と”pride”では、ニュアンスが少し違い、”pride”は時にネガティブに使われることはあっても、「人間の尊厳」を意味する”dignity”(= proper sense of pride)がネガティブに使われることはまずないです。


    「お前にはプライドはないのか?」も、”pride”と”dignity”のどちらでも使えます。 
    Don’t you have any pride/dignity?


    ただし、「自分の仕事にプライド(誇り)を持っていないのか?」であれば、 
    Don’t you have any pride in your work?  となり、”dignity”は使えません。

    「プライド」は“Ego” の場合も


    「あの人はプライドが高い」は、”pride”を使って下記のように言うこともできますが、He has too much pride to apologize. (プライドが高すぎて謝らない)


    状況によっては、”pride”でなく、”ego”の方がふさわしいケースもあります。 
    He has a big/huge ego and he is hard to work with.(彼はプライドが高くて、一緒に仕事がやりにくい) 


    “Ego”は自尊心という意味ですが、”big ego”で、「行き過ぎたプライド、高慢」という意味になります。また、下記のような表現も使えます。 
    His ego is too big. (彼はプライドが高すぎる。プライドが等身大以上) 
    His ego is too big for the team. (彼の高慢はチームに悪い影響を与える)


    「プライドが高い」を”proud of”と掲載している和英辞書がいくつかあるのですが、この意味で形容詞の“proud”を使うには、”He is too proud of himself”という必要があります。


    名詞の”pride”はポジティブにもネガティブにも使われますが、形容詞の”proud”は、下記のように、通常ポジティブに使われ、日本語では「誇り」「偉い」に相当します。 
    ○ I’m proud of you. (あなたを誇りに思う。あなたは偉い。) 
    “I’m proud of you!”なら、「やった!」「偉い!」「スゴイ!」に意訳できます。 
    ○ You should be proud of yourself. (自分のことを誇りに思うべき。) 
    これも「よくやったね」「「よくがんばったね」「偉いよ」に意訳できます。


    また、「プライドを傷つける」は、和英辞書では”injure one’s pride”と載っていますが、My pride was hurt(プライドを傷つけられた)の方が一般的です。


    「プライドを捨てろ」には、下記のような表現が使えます。”Pride”も使えないことはないですが、”ego”の方が一般的です。


    Check your ego(pride) at the door. 
    (レストラン入店時にコートをクロークに預けるように「へたなプライドは入口で預けろ」) 
    Leave your ego(pride) at home. (へたなプライドは家に置いてこい)

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    この記事の筆者

    有元美津世

    大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
    著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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