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鈴木美加子のグローバル人材塾

感謝の気持ちを口にできると職場は好循環2021.10.19


元・外資系人事部長、現グローバル人材育成家の鈴木美加子です。本日のテーマは「感謝の言葉を口にして働きやすい職場にしよう」です。

皆さんは、会社の上司・同僚・部下に感謝の気持ちを伝えていますか? 取引のある外部の方々へはどうでしょう? 本日は、仕事仲間に感謝の気持ちを伝えられると、応援されるし仕事がやりやすくなるというお話です。

私はある時期まで完璧主義、どちらかというと減点主義な人でした。せっかく部下が一生懸命やってくれているのに、つい足りない所に目が向いてしまう人でした。日本人はホフステード異文化論からもわかる通り、高み(100点)を目指すところがある国民性なので、完璧主義の人は多いかもしれません。

他人に厳しくて自分に甘い上司では成り立たないので、結局、自分に対する評価も厳しいことになり、いつも張りつめている必要があり悪循環だったように思います。


キャリアの後半で、部下に感謝することが上手なオーストラリア人が上司になり、私の考え方は変わりました。人間は、感謝された方が嬉しいです。照れてうまく反応できない人も日本人には多いかもしれませんが、心の中では嬉しいものです。自分だけでなく、自分のチーム・メンバーを褒めてもらえことも私を幸せな気分にしました。

彼女との毎週の1 on 1(1対1の定例ミーティング)の時、彼女はまず感謝することからスタートします。”Kazu told me your team delivered a great training program for his team.  Thank you for everyone`s contribution.” (カズさんから、素晴らしい研修を行ってくれてありがとうと言われましたよ。みんなに私からも感謝してると伝えてね。)と言う風に。

私に直してもらいたいことがあって、ネガティブなフィードバックをする必要がある時は、その後で口にします。聞く側としてはこの方が素直に聞く気持ちになります。

逆だったらどうでしょう。ミーティングの冒頭でいきなり批判されて、後から”By the way, your team is doing great! Thank you for your leadership” (チームで素晴らしい仕事をしてくれてありがとう。あなたのリーダーシップのお蔭ね。)なんて言われても有り難みがないし、取ってつけたような言葉だと感じますよね。まずは褒めたり感謝して、それから建設的なネガティブ・フィードバックに入るのが、彼女のコミュニケーション・スタイルでした。

私は彼女の元でマネジメントを学ばせてもらってから、感謝を先にするよう心がけています。若輩者なので、全ての場合にそうなっているかどうかはまだまだですが、努力はしています。

職場で外国人、もしくは海外・外資が長い日本人とお仕事している時は、何かにつけ”Thank you”と口に出すことが大事です。相手は文化的背景から、このぐらいのことをしたら「ありがとう」と言ってくれるものと期待しています。「ありがとう」が無いと実は不満になることもあるぐらいです。

私は、会社員の最後の10年、直属の上司はいつも外国人でしたが、ある時アメリカに住んだことがある日本人の上司にお仕えした時に、褒められないし「ありがとう」も言われなさすぎて自分の業績レベル自体を不安になりました。ついに最後には”Am I meeting your performance expectation?” (私の業績レベルは足りていますか?)と聞いてしまったほどでした。”You are doing great.” と言われた時は、実は非常に驚きました。長い間、外国人の上司にお仕えして、何かあれば”Thank you” とか “Well-done”と言われることに慣れてしまい、何も言われないということはちゃんとできていないと誤解したようです。
 
日本人同士でも、感謝の気持ちを伝えられると人間関係がスムーズになり仕事もはかどりますので、是非やってみてください。まずは自分から”Give”の精神が大事です。相手が「ありがとう」と言ってくれないのに、なんで私が/俺が言わなきゃいけないんだと感じるかもしれませんが、変法性の法則でほとんどの方は返してくれて、職場環境がスムーズに廻り始めます。

職場でいきなりキャラクターを変更することが難しい場合は、家族や友人で試してみれば効果はすぐわかります。確かに職場でスキル・経験が大事ですが、どの職場でも人間関係はつきもので、ここがうまく廻らないとストレスが高いばかりでなく、生産性も低くなってしまいます。

「ありがとう」を自分から言い、良好な人間関係を築くことが英語人相手でも日本人相手でもとても重要というのが本日のテーマでした。まずはやってみてください!

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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