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鈴木美加子のグローバル人材塾

外資系勤務の魅力 : 公平性2021.06.15


元・外資系人事部長、現グローバル人材育成家の鈴木美加子です。外資系企業と日本企業を比べると、外資の方に「公平」感があると感じます。本日のコラムではどのあたりが公平なのかを具体的に説明します。

1. 昇進・昇給
外資系は成果主義なので、性別・年齢・人種などに影響されて、昇進のスピードが決まる事はありません。実績を出している人材のスキル・経験値が高くなったと認められれば、若くても女性でも関係なく昇進することができます。

これは4月に入社した同期生が、ある程度の年次まで同じ階層に属し「差」が出ない日本企業と大きく違う点です。外資で昇進するためには、現在の仕事で実績を出し、次のキャリアアップとなるポジションで求められるスキル・資質を持っていると、日々の仕事を通して証明することが重要です。

昇給についても、個人の業績次第で同じ部門内でも昇給率が変わるのが外資流です。外資の世界では、転職が多くその度に年収を上げている人材の方が、同じ企業に長く勤めている人材より高年収なのが一般的ですが、ここでも外資の公平性が発揮されます。

上司が不公平な状態に気がつき、「この会社に長く貢献してくれている、仕事ができる人材なのに、外部から転職してきた人より給与が低くて可哀想だ。適正なレベルまで昇給させたい」と人事に相談が持ち込まれます。「適正な年収は○○○○万円ですが、現給与とのギャップが大きいので2回で追いつくようにしますか? 1度にやるとギャップの大きさが目立ち、本人が現給与の低さに気づくと思いますがどうしますか?」と尋ねると、「俺から話すので1回で差を埋めてやってくれ」というような会話がなされます。根本にあるのは公平(フェア)かどうかです。

2. 評価の基準が属人的でない
日本企業の中には、目標設定・中間レビュー・年度末の業績評価のプロセスが形骸化しているところもあると聞きます。目標設定は一応なされるものの、必ずしも数値で達成度を測れなかったり、設定後に上司と部下で進捗状況を確認することがなされていなかったりする場合もあるそうです。自分に対する評価が良くても悪くても、客観的な判断と納得できないのは辛いです。

外資系の場合は、業績評価のプロセスがかなりきちんと機能しています。プロセスの流れは、会計年度の冒頭に一年間の目標を立てて、半年後に中間レビューを行い、どのぐらい進捗しているのか、改善すべき点があるのかどうかなどの確認を行います。年度末にかけて業績達成度の評価が客観的に行われ、その結果に基づいて昇進・昇給率・インセンティブボーナスの支給額・ストックオプションの付与数などが決まります。

達成度を数字で測定できるように目標を立てているので、年度末のレビュー・ミーティングが漠然としたものになることはありません。外資系で通算25年働きましたが、このプロセスが無い、もしくはおざなりになっている企業に属したことは私自身はありません。

評価が客観的な項目の達成度に対して行われるので属人的にならず、公平性があると言えます。

3. 管理職候補を積極的に育てる
外資は、スタッフが管理職になるにあたっては相応の育成が必要で、年齢を重ねれば自然に管理職になれるとは考えていません。また経験値・スキル・器を測る過程で年齢は多少考慮されますが、成果主義のもと、選抜の大きなファクターにはなりません。将来の管理職候補と目された人材に対しては、各ステージにおいて必要な管理職研修が行われます。年齢・性別に関係なく、やる気があり将来有望と目されれば、管理職候補にはなることができる点が外資のフェアなところです。

正式なリーダー研修以外にも、OJTで管理職に育つための機会が与えられます。例えば部署の中でプロジェクトをまとめる、部署を横断したプロジェクトに参加してリーダー的な役割を果たせるかどうか試してみるなどです。実績を出せれば、正式に管理職に移っていくことになります。

本日は外資系のフェアな企業風土について振り返ってみました。具体的にどんな側面に現れるかというと、昇進・業績評価・管理職候補の育成などです。積極的に、キャリアにコミットしている姿を見せること、将来有望だとマネジメントに映るよう振る舞うことは重要です。

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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