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鈴木美加子のグローバル人材塾

外資への転職に関係する3つの年齢2020.06.16


元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日のテーマは、「外資への転職に関係ある3つの年齢」です。


先週土曜日の夜、オンラインサロン『鈴木美加子のグローバル人材塾』のキャリアお悩み相談会を開催したところ、日本企業にお勤めの方から、年齢に関する質問がいくつか寄せられました。確かに外から見ていると、年功序列ではないと言われる外資系企業で「年齢」がどんな役割を果たすのかは知りたいところかもしれません。


外資系では基本的には年齢・性別不問ですが、そうは言っても3つ、節目となる年があります。

1. 30歳


外資系が、職歴・経験にこだわらず、本人にポテンシャルがあると思えば採用する年齢の上限です。つまり、20代なら、大きなキャリアチェンジも可能ですし、例え、履歴書に紆余曲折があったとしても外資は許容してくれるので、本当にやりたいことがあったらチャレンジしてください。他方、この年齢を超えると、残念ながら大きなキャリアチェンジが難しくなります。同じような年齢ですでに10年近い業界経験がある候補者がいれば、即戦力重視な外資では、そちらが優先されてしまうからです。


キャリア相談で、優秀な20代の方には、やりたい仕事が今までの経歴と異なる場合、「情熱と、なぜ自分ならできると思うか」を論理的に話せればきっと大丈夫と、背中を押します。30代以降の方は、今までのキャリアを大きく変えたい場合は、現在の職場での異動をサポートしてくれそうな方がいないかを、まず冷静に考えましょう。すでに「仕事ができる」と評価されている職場で、社内異動ができる確率は高いからです。現職から外に出ることを決意した際に自分の評価が英文履歴書しかないと、即戦力が無い人と書類上は映り、書類選考で落ちてしまう可能性が残念ながら高くなります。

2. 40-42歳


日本企業にお勤めの方が、外資に初めて転職したい場合の上限の年齢になります。なぜかと言うと、企業はそれぞれに文化を持っており、人は年齢を重ねるごとに、一般論で言うと柔軟性をなくすので、一つの企業の影響を多大に受けた方が、新しい環境に適応するのは難しいと、採用する側が判断するからです。


私自身、この年齢を超えた方の採用で3件ほど、失敗しています。日本の大手企業が長い(20年以上)方を、経験値・知識を買って採用させていただきましたが、最終的に環境に馴染めず、「前の会社では」を頻繁に使われて周囲も困ってしまいました。柔軟性は、新しい職場に慣れるためには重要な資質です。ご本人も、「こんなはずではなかった」「前の会社の方が良かった」と、前職と比較してしまい、お辛かっただろうと思います。

3. 50歳


残念ながら年齢に対する偏見がある日本の労働市場では、この年齢を超えて転職できるのは2つのカテゴリーの方だけですので、若い方もぜひ意識してください。まず共通することは転職回数が3回くらいまででジョブホッパーで無いことが前提になります。その上で、a) 現在、役員クラスである か b) 高度に専門職で売り手市場である のどちらかになります。

a) 役員クラス は、限られた方にしか当てはまらないことになります。

b) 高度に専門職で売り手市場である仕事 の具体例をお話しします。例えば食品業界に存在する、品質管理ルールを満たしているかどうかを調査する審査員の方が該当します。食品業界での職歴が十分にあり、審査ルールを理解しているなど求められる条件が多く、一般の人がすぐできる仕事内容ではないので、比較的年齢が上でも全く問題なく転職が可能です。ここでの鍵は高度にスペシャリストであることです。


将来、起業する予定がなく、一生組織に属することになりそうな方は、専門性を磨くことを意識しながら仕事をし、転職を決めないと、人生の後半で大きくつまづくことになるので、どうか前半戦のキャリアを大事に築いてください。


ご本人の仕事が高度に専門職でない場合は、過去の人脈を振り返って自分のことを引き抜いてくれそうな方はいないか、よく考えてみるのが一番の早道です。元部下で、人脈で転職に成功してきている方の例を挙げます。


20年くらい前に一緒に働いたことがある女性で、30代半ばから還暦近い現在まで、人脈だけで転職できている方がいます。人当たりと面倒見が良く、英語ができて、複数の仕事を同時に回すマルチタスキングが得意で、不満を言わないという、上司から見た理想の人材なので引く手あまたで困らないのです。仕事の内容はサポート的なことが多く、専門職ではないですが、50代で就職された現在の職場も、昔の上司からお声がけがあったそうです。もし、彼女が、王道の転職活動をしたらどうでしょう。転職回数が多い上に、「年齢が…」と言われて、たぶん面接にこぎつける前に、書類選考で不合格になってしまうでしょう。50歳以上の転職に、人脈は欠かせないので、ぜひ棚卸しをしてみてください。お若い方も、将来のことを考えて、「まず目の前の仕事を頑張って評価を残す」「人間関係のトラブルを起こさない」を大事にして、人脈を築く努力をぜひ実行してください。


外資系への転職に関係する3つの年齢、30歳「大きなキャリアチェンジができる上限」、40-42歳「初めて外資系に移るならこのあたりまでに」、50歳「かなり多くの人材の転職が難しくなる年齢」について解説しました。職業人生は長いですし、必ずしも計画通りにはなりませんが、後半戦を意識できると充実したキャリアを作れます。
応援しています!

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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