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鈴木美加子のグローバル人材塾

キャリアの方向性をルミナで考える(実例14)2020.01.28

 

元・外資系人事部長、1万人を面接したグローバルキャリアカウンセラーの鈴木美加子です。本日は、事務職で仕事の内容に不満はないけれど、職場が合わないと感じていて、転職すべきか迷っている方のご相談を紹介します。

 

* この記事はご本人の了承の元に書かれています。

 

相談者は42歳の女性・工藤さん(仮名)で、大学卒業後すぐにCAになり、辞めてからは事務職をしてきました。ご本人いわく、事務職に適性はあると思っていますが、現在の職場ではほとんど人と関わらずに一人で仕事が完結し、終日誰とも話さないで終わることが頻繁で、不満になってきました。

工藤さんの大きな強みは規律重視・結果重視・外交的です。それ以外にも直感重視 ・人間重視・データ重視が強みで、ほとんどお持ちでない資質が内向的とビジョン重視です。終日人と話さないことが起きる職場環境は、工藤さんには苦痛だろうと理解できます。
CAの仕事は整備されたマニュアルがあり、それに沿ってチームで仕事をすることが求められる接客業なので、規律重視と人間重視、さらに外交的という強みを最大限活かせる適職だったと思われます。

 

地上職でされてきた事務職も、規律重視(データ重視)のスコアが高いので適職です。職業は向いているけれど、職場が合っていないわけです。人とほとんど話さないで仕事が終わると言う職場は、残念ながら工藤さんには向いていません。なぜなら非常に外交的なので、1日中コンピューターに向かっていれば仕事が完結する職種では満たされないものがあるからです。部署について色々伺いましたが、「文化」が変わることはなさそうなので、違う道を切り拓くことになりました。


まず、工藤さんの意向の確認です。彼女は、マーケティングの仕事に非常に興味があるようでした。デスクの後ろ側がマーケティング部門で、みんなでいろいろな意見を交わしたり話している様子が聞こえてきて、羨ましく感じるそうです。外交的・人間重視・直感的のスコアが高い工藤さんの、好奇心をくすぐっている模様です。ただ、工藤さん自身が、本当にマーケティングに向いているかは別問題なので、よくデータを見る必要があります。マーケティングには、ビジョン重視の黄色(特に革新性・想像力豊か)が求められるのですが、このエリアのスコアが低いです。マーティングに非常に向いているかと言われれば、そうでは無いと答えざるを得ません。また年齢的にも、外部に転職してキャリアを大きく変えるのは難しい世代に当たります。


外部で大きくキャリアを変えるのが難しいとすると、具体的にはどうしたらいいでしょうか。答えはまず、社内異動を考えることです。今回で言えば、マーケティング部門の事務職に異動できないかを探って行動してみることをお勧めします。人と関わりたいという欲求を満たすことができますし、マーケティングの仕事を目の当たりにすることは、自分の適性を再考する良い機会になります。工藤さんは現在の仕事ぶりを上司など周囲に買われているので、すんなり異動が決まる可能性は高いです。移った先でも仕事ぶりが買われたら、事務職の範囲を少し超えた仕事を試しにやらせてもらえるかもしれません。


もし社内異動がうまくいかない場合には、企業文化もしくは部署の文化が直感重視かつ人間重視の職場を選ぶことがお勧めです。例えば、教育関係(義務教育というより研修に近い)、地球に優しい、インテリア関係など、一般的に柔らかいと言われる業界を選ぶと良いでしょう。これまでのキャリアを活かして、事務職として転職するのであれば十分可能です。


キャリアを大きく変えるには少し難しい年齢にさしかかっている場合は、社内異動を有効活用してリスクを減らすという方法もありますので、ぜひ選択肢の一つに入れてください。


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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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