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鈴木美加子のグローバル人材塾

転職に向かない人は存在するか?2018.09.18


元・外資系人事部長、10,000人を面接したグローバル・キャリア・カウンセラーの鈴木美加子です。先日「私は転職に向いているでしょうか?」と、キャリア相談にお越しになった方に質問されました。今日はそのお答えをテーマにします。

 

転職に向いているかどうかというのは、なかなか興味深い切り口です。ご本人の転職したい意志が固ければ、向き不向き関係なくなる気もしますが、個別で見た時に本来はどうなのかということですね。

 

ご相談者(Aさんとします)とお目にかかった時、Aさんには質問が2つありました。まずは、「自分が適職についているのかどうか」です。次に、漠然と2度目の転職を考えているけれど、「そもそも自分は転職に向いているのだろうか」でした。ルミナというアセスメント・ツールを受けていただいたので、その結果を交えながら解説します。

Aさんの現職は、企業内ITのヘルプデスクです。Aさんのルミナの結果の概要は、人と関わるのが好き、内向的、数字・事実などデータが得意、細部に注意がいく、ルールに則るか直感に従うかは状況で使い分けるです。あまり得意でないことは、人と競争する、目的意識に向かって何が何でも頑張る、社交性、大きなビジョンを描く、独創性、変化になります。

 

内向性がかなり高いので、社員のデスクに行っておしゃべりしながらIT周りを直すことは、少し億劫かもしれませんが、人間重視(協調性、共感力、受容力など)のスコアが結構高いので問題なくこなせているはずです。適職につけているラッキーさんだということになります。

 


2つ目のご質問「自分は転職に向いているだろうか?」ですが、こちらは、ルミナのもう少し細かいデータを読む必要があります。ルミナの結果は40ページほどの冊子で、いろいろなデータが出るのですが、その中に、前出のマンダラ(アメーバのような形状)を支えている全ての項目が出ているページがあります。一部を抜粋してみます。内在する自分とはリラックスした「素」の自分、日常の自分は社会人にとっては職場で見せている自分、行きすぎた時の自分とはストレス下の自分です。

 

%は、100人並んだ時に自分はどこにいるか。つまり、自分が人より秀でていて前の方にいる圧倒的な強みなのか、後ろの方にいて、その項目については自分より優れている人の方が多い、できればその項目を使って競争したくないのかがひと目でわかります。


Aさんは、生まれながらの順応性(左上トップ)が6%と、組み替え、引っ越し、転職、配置換えなどに本来は弱いタイプです。また、慎重(右下から2番め)と物事に控えめ(右ボトム)もそれぞれ、素の状態だと84%、79%と数字が高いので、えいやっと直感で行動を起こすタイプではありません。幸いなことに、柔軟性が高いので、3つの要素が必要な現在の職場では、頑張って引っ張ってしのいでいます。

 

本来は、慎重なので実際に転職しようと決めて行動を起こすまでにかなりの時間が必要です。転職した場合、新しい職場に順応するのに相当時間がかかると思った方が良いだろうとお伝えしました。つまり、転職できないわけではないけれど、よく考えてしないと後が大変かもしれないタイプだということです。

 

転職に向かない人が存在するとは、個人的に思っていませんが、より慎重に転職した方が成功する方はいると思っています。ご自分はどちらのタイプでしょうか。転職活動をスタートする前に、自分の強み・弱み・特徴を客観的に振り返ってみることも大切です。

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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