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鈴木美加子のグローバル人材塾

転職活動がスローな時期を迎えて準備すべきこと2017.12.12


元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。師走に入り、皆さんの忙しさにも拍車がかかっておられますか? 忘年会の参加など、何かと忙しい時期ですね。


転職活動をされている方で外資系を考えている方は、この時期スローダウンしますので、書類選考や面接の結果がなかなかわからなくても焦らないでください。最後の決定権を持つ、EXPAT(本社からの駐在員)マネジメントが、クリスマスのHome Leave(母国への一時帰国)を控えて、本来の業務以外のことが著しくスローダウンする時期を迎えています。いろんなことのお返事は年明けになってもおかしくないので、ここは忍耐強く待ってください。


物事がとんとんと動かない時は、振り返りに適している時期です。転職の理由、強み・弱みの棚卸、志望動機などをレビューしてみることは大切です。


先日キャリア相談で「全く方向性の違う転職先AとBのどちらが向いているかを決める」のが良いのか、「現在の職場を離れたいのが先行している転職なので、現在の2択のどちらも取らず、本当に何がしたいのかを考えるべき」なのかをずっと考えながらお話を聞いていました。例えば、管理部門の方がA業界とB業界で迷っているならわかりますが、二つの選択肢が業界も職種も異なり、やりたいことは明確なのだろうかという不安感があるからです。


そこで、なぜ、今の職場を離れたいのかを聞いたところ、プロジェクトはやりかけなので「やりきった」感はないけれど、人間関係でちょっと疲れていて早く転職したいとのことでした。「ちょっと疲れている」が引っかかったので、内容をお伺いしました。私の中の判断の尺度として「メンタルに壊れそうなほど疲弊している場合は、どのような理由であろうと辞めたいのであれば辞めた方がいい」と思っています。ただ、「ちょっと疲れている」が言葉通りであれば、辞めるべきなのかは考えないといけないと思っています。


彼女の場合は、同僚に一人合わない人がいて顔を合わせるのが嫌だというレベルに達してきたということでした。よーく話を伺うと、仕事より人間関係にフォーカスがいきすぎている、次のステージにキャリアップするだけのスキル・経験を現在の職場で築けていないことがわかりました。つまり本来は、転職すべきタイミングでないのです。目の前の「人間関係」という壁から逃げて転職しても、次の職場で同じことが起こらないという保証はないですし、すでに転職歴の多い方にとってリスクのある転職です。率直にフィードバックして、2週間にもう一度お話しました。彼女が出した結論は、「今は転職しない」でした。


ご自分の強みを活かして仕事ができているかどうか不安な方、迷いがある方は、強みと弱みの棚卸をすることをお勧めします。複数の外資系人事でたくさんの社員を拝見していて、いわゆる「成功している」方は、ほどよくバランスが取れている方では必ずしもなく、強みを活かして仕事で発揮している方だと断言できます。日本人、アジアの多くの国は、一芸に秀でるよりバランスが取れていることを良しとしがちですが、長いキャリア人生を考えると、欠けているところがあっても全く問題ないです。自分に無いスキル・経験はどなたかに補っていただけば良いので、まずは「強み」にフォーカスするよう心がけましょう。


年明けからは新しい職場でと思っておられた方は、リクルーターや面接が終わった企業からのお返事がスローダウンして、焦ったりストレスに思ったりするかもしれません。お正月が終わり、人材マーケットが再び活気づくまで、自分にできることをして備えてください。

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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