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鈴木美加子のグローバル人材塾

多様性 : 人は自分の出身国に敏感である2017.11.07


元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。多様性の強みとか、多様性を受け入れようと言われることが多くなりましたが、皆さんにとって「多様性」は具体的にはどんなことを意味しますか?

 

主宰するグローバル人材塾・世人(せじん)塾の2時間ダイジェスト版のオープンセミナーが11/8(水)からスタートします。実は、多様性に配慮して、スライドは3パターン用意してあります。

参加者のお名前から判断して、
 ・ 全員が日本人の場合
 ・ アジア人が参加される場合
 ・ 欧米人が参加されている場合   の3種類です。

特に外国人が参加されている場合は、「日本人」に特化した内容にならないように気をつけたり、日本目線からだけの発言にならないように気をつけています。「多様性」の重要性を説いているセミナーで、外国籍の方が居心地悪いような内容にしたくないからです。特に一度失敗をしてしまってからは、細心の注意を払っています。

 

ある時、「王」さんのお名前が参加者リストにありました。この苗字は韓国人の方ではないと自信があったので、つい「王さんは中国人ですね?」とお声がけしてしまったのです。

お返事は、「台湾人です」でした。

あー、しまったと心から思いました。

私たちにとって、広い意味ではChineseでも、台湾人・香港人にとって、そこはアイデンティティに関わる重要なところなはずです。私はどうしていつものように、「王さんは何人ですか?」と伺わなかったのでしょう。後悔先に立たずですが、王さんが「台湾人です」と答えられたとき、眼差しに光ったほんの少しの不快感とプライドを私は忘れてはいけない、二度と同じような失礼なことをしないようにと自分を戒めました。

そういえば、少し似たようなことをオーストラリアのメルボルンでも目撃したことがあります。


一緒のクラスにいたメキシコ人は、ラテンのノリとはほど遠いほど時間に几帳面でした。
あるとき「あなたは、どうしてそんなに時間に正確なの? South American で、あなたのような人見たこと無い」と聞いた香港人がいました。実は私もずっと不思議に思っていたので、答えに興味津々でした。 時間に正確なのは、お母様がそうだからだろうとのことでした。

 

答えてくれた後で、彼が口にした一言は、”By the way, I am not a South American.”だったのです。

 

それまでのやり取りに全く違和感を感じていなかった私は、口には出しませんでしたが、「えっ!? 」と思ってしまいました。 クラスメートに多かったペルー人、チリ人、ベネズエラ人、ブラジル人と一緒にしてしまったのですが、正確には彼は “I am from Central America.”なのです。

欧米の企業で仕事をしていると、本社のメンバーが中国・韓国・日本の区別をほとんどつけられないことに苛立つこともありますが、注意しないと、自分たちも似たようなことをしてしまう可能性があることの良い例かと思います。

 

それぞれの人が、母国には誇りを持っていることを忘れずに、無意識で傷つけることがないよう、多様な集団で気を配れてこそのグローバル人材です。

一番無難なのは、Where do you come from? です。

 

多様性と言われてもなかなかピンとこない職場環境にいらっしゃることも多いでしょう。実際に、”多様性を受け入れ、英語でロジカルに発表・主張できるグローバル人材のためのコミュニケーション講座(2時間版)”に参加して体験されたい方は、こちらの詳細をご覧ください。

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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