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鈴木美加子のグローバル人材塾

“英語でロジカルに話す”は何を意味する?2017.10.24


元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。ロジカルシンキングはお得意ですか? 

 

ロジカル思考と聞くと、「あーわかってます」とお答えになる方も多いかと思います。AだからBだからCと、筋が通っていればいいのでしょうとお感じになる方もいらっしゃるでしょう。確かに、ロジカルシンキングについての本は山のように出ていますし、理論はおわかりの方も多いかと思います。問題は、英語でのロジカルシンキングに、ついていけるかです。

 

ネイティブから見て、英語がそこそこできる日本人への不満は、“オープニングが長すぎる”です。英語力があって、いろいろ説明できるのでつい前置きが長くなるのです。一言で言うと、英語でのロジカル・コミュニケーションの肝は、「結論を先に端的に」です。

 

主宰するグローバル人材育成塾の世人(せじん)塾のレッスン5では、英語人が実際にクラスに現れて、交渉ごとを行います。普通の感覚でいえば、英語力がある方の方が圧倒的に有利のように思えます。ところがこれがそうでもないのです。英語力がある方は説明できるので、オープニングで状況を説明しがちで、必然として前置きが長くなります。ネイティブからすると”So what?” とか”What do you want me to do?”になります。

 

今まで、ネイティブスピーカーに褒められたのは、なんと英語力が一番無いと思われる参加者で、彼女は自分の持つ単語力や英語力の制約で、”Today, I want to discuss about money.”と言いました。あまりに単刀直入な気もしますし、何の背景説明もしないで大丈夫?と思う方もおられるかもしれません。でも彼女はネイティブに褒められたのです。「非常にわかりやすく、今日のミーティングで何について話したいのか理解できた、今まで一番わかりやすいオープニングだったと思う」が彼女に対するコメントでした。

 

日本人はお金に関して論じることをあまりよしとしないところがありますね。これは、他の文化では異なる感覚です。返金の話をしなければいけないのであれば、いろいろ衣をつけたところでしょうがない、むしろ端的に言ってくれた方がこちらも話しやすいということです。

 

まずは、結論なり課題を短く話して、それから付随の背景情報をシェアするスタイルこそが、英語でのロジカル・コミュニケーションです。頭でわかっていても、ついつい説明したくなる方が多いので気をつけてください。特に日本語で話が長いと言われている方は、英語ではもっと長くなる可能性があるので、どうかご注意ください。

 

もう一つ、コミュニケーションのコツですが、相手の話を理解したら「わかった」というサインを表情なり言葉なりで表すことも大切です。先ほどのレッスンで交渉が進む中、無表情・言語でもノーリアクションのペアがいました。ネイティブは、相手が理解していないのだと、ゆっくり話してみたり、もっと簡単な英語で言い直してみたり、要は同じことを4回も話す羽目になりました。まさか、理解はしているけれど、日本人の癖で淡々としているとは思わなかったのです。日本人は、話がぐるぐるするのでイライラし、ネイティブはどうすれば理解してもらえるのかと困惑してこちらもイライラするという負のスパイラルに入ってしまいました。

 

私の最初のボスは、日本人でしたが非常にロジカルで、アメリカでの経験もあって簡潔な話を好む方でした。彼女のところに話に行く時は、どの順番で話すか、最初に何をどう話すかを考えて行くようにしていました。ロジカル・コミュニケーションは、習慣で必ず身につきますので心がけるようにしましょう。

 

英語でのロジカルコミュニケーションには、「ソラ・アメ・カサ」のフレームワークやピラミッド構造があります。詳しくは、英語でロジカルに発表・主張できるグローバル人材になるためのコミュニケーション・セミナーにご参加ください。詳細はこちら


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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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