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元・外資系人事部長のグローバル人材塾

うなづきは日本語では「共感」を、英語では「同意」を意味する2017.08.08


元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日は、“日本語での仕草が世界スタンダードでない場合、切り替えができないと揉め事が発生する可能性がある”について書きたいと思います。

 

現在海外で仕事をしている知り合いの話です。その国はホフステード異文化モデルの指標の一つ、IVR(人生の楽しみ方)のスコアが低く、有給休暇という概念が普及していません。日本から派遣されている加藤さん(仮称)は、元外資系勤務で一年に1日も有給休暇が無いという概念は理解できないしおかしいと思っていたので、自分の判断で10日休んだそうです。これが、現地の社員の勘にさわり彼の上司に直訴した社員が4人もいます。こちらもホフステード異文化モデルの指標、IDV(個人主義)のスコアが低く集団主義の国なので、みんなで一緒に上司に言いつけようというわけです。ちなみに、PDI(権力格差)の高い上位者を絶対と思う国でもあるので、彼らにとって、休みを取りすぎているように見える同僚に対する上司の判断は絶対です。
 

上司のところに直訴した4人の様子を見て、上司は部下の意見も聞かないと中立な立場取れないと思ったので、加藤さんも呼びました。まずは、4人の社員が状況を話します。この時、上司は英語コミュニケーション上、致命的なミスを犯してしまいます。それは、英語を聞きながら「うなづく」ことです。日本語でのうなづきは「共感=あなたの話を聞いています」を意味しますが、英語でのうなづきは「同意=あなたの言ってることは正しいです」を意味します。これは大きな差で、加藤さんは切り替えられない上司の様子を見てびっくりしたそうです。
 

集団直訴の相手が、「加藤さんは、1年に10日も休んでるんですよ。おかしいですよね」と英語で話している間、上司はずっとうなづいていたそうです。彼は、「そうかぁ、なるほど、その先はどうなった? 君たちの話を聞いてるよ」というサインを無意識に出したわけです。その様子は見ていた4人の社員はどう思ったか、英語コミュニケーションの基本に則り「ふーん、なるほど。それは君たちが言っていることはもっともだ。加藤さんが悪いね」と同意してくれたものだと当然思ったのです。
 

4人は加藤さんの方を見て「ほらね、君の上司も僕たちが正しいって言ってるじゃないか」と鼻高々だったそうです。驚いたのは上司です。なんでこう言う展開になったのか全く理解できない様子だったそうです。「いや、僕はまだ何の判断もしていない」と言ったら、今度は4人が混乱して、しまいには怒り出したそうです。
 

私にも似たような経験があります。29歳でモルガンスタンレーに勤めていた時、本社から駐在していたアメリカ人の人事部長と話をしていました。彼の意見と自分の意見は少し違うという話をしていたのですが、話の途中で、彼が突然立ち上がって、私の頭を両手で挟み、”Micky, your body language is confusing.  Why do you nod so often why you are saying NO?  By the way, this is not sexual harassment.” と言ったのです。私は何を言われているのか、全く理解できなかったので、”What do you mean?”と答えました。彼の説明は、「君は言葉では、少し違う意見だとハッキリ言っているのに、ずっとうなづいて I agree to what you say. のようなサインを出している。YesなのかNoなのか、どっちなんだ?」でした。
 

全く無意識だったので本当に驚きましたが、ありがたい指摘でした。この後、私は英語を聞きながらうなづかないように猛特訓をして、自分の癖を直しました。ほんのちょっとのことですが、部下や同僚や自分自身の立場を悪くしてしまう可能性がありますので、肝に銘じてください。日本語でのうなづきは「共感」を示し、英語でのうなづきは「同意」を示します。
 

Non-verbal(非言語)のジェスチャーやサインも、誤解の元になる場合がありますので、日本語でのジェスチャーがグローバル・スタンダードかどうか異文化アンテナを高くして英語人を観察してください。

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この記事の筆者

鈴木美加子
株式会社AT Globe グローバル人材プロデューサー

株式会社AT Globe グローバル人材プロデューサー 鈴木美加子

大学3年の時、自分だけが英語を話せないパーティーに海外で出席したのをきっかけに、帰国後英語を猛勉強。英検1級を取って、日本GE人事部に入社。モルガンスタンレー証券会社など外資系人事部を転職しながら、異文化コミュニケーション・スキルを磨き、日本DHLの人事本部長を務める。20年以上にわたる外資系人事部での経験、オーストラリア居住体験を基に、グローバルプレーヤーを目指す人材の、スキル・アップを支援する株式会社AT Globeの代表として活躍。新卒採用を含め1万人以上を面接しており、キャリア棚卸し、転職アドバイスなど、個の力を高めることに力を注いでいる。お茶の水女子大学卒業。

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

英語でロジカルに発表・主張できるグローバル人材を一人でも増やし母国を元気にすることをミッションとし、世界で活躍する人材を育てる塾(世人塾)を中心に、法人・個人向けのグローバル人材育成事業を行う。

 

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