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元・外資系人事部長のグローバル人材塾

完璧主義を手放し、スムーズな英語プレゼンにする2017.08.01


元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。最近、国際会議でプレゼンテーションをすることになったエグゼクティブに、英語プレゼン特訓研修を行ったのですが、「完璧主義」は英語プレゼンの邪魔になるとつくづく思いました。本日のテーマは、“英語プレゼンを上達させるために「完璧主義」を手放し、スムーズに話す”です。
 

田中さん(仮称)は日本のメーカーに勤めています。博士課程を終えて大学で教える道を選びましたが、企業勤務に転向し研究開発部にいます。 TOEICは780点、非常に流暢な英語というわけではありませんが、明るいタイプで日常会話はそれなりにスムーズに話せます。ビデオの前で最初にしていただいたプレゼンの問題点は、「早口で話していたかと思うと止まってしまい、また早口で話しては止まってしまう」のサイクルが繰り返されることでした。聞いている方は、止まるたびにどうしたんだろうとヒヤヒヤして落ち着きません。3週間後にアメリカで100名の聴取を前に英語でプレゼンすることが急に決まったそうで、自信がないので特訓で上達させたいとお越しになりました。
 

田中さんのような日本人は結構います。彼の癖である「早口で話しては止まり、また早口で話しては止まる」が起こる理由、思いつきますか? 気が早いからではありませんよ(笑)原因は「完璧主着」であることが多いです。日本人は人前での失敗を良しとせず他者よりすぐれていることを尊ぶので、一般論として完璧主義になりがちです。
 

田中さんの頭の中には、きっと素晴らしい英語プレゼンのイメージがあり、ペラペラとよどみなくネイティブに近いレベルで話せることが、成功要因の一つと思っていたに違いありません。確かにそれができればベストですが、TOEIC780点の英語力でそこまで望むのは少し自分にプレッシャーをかけすぎです。完璧主義が英語プレゼンの成功を妨げている典型的な例なので、何とかこの「完璧主義」を手放すことが大切です。
 

英語が外国語であるとき、英語プレゼンをネイティブと同じようなスピードで行うことは不可能ですし、そんなことは期待されていません。日本にいる外国人の方が職場でスピーチをすることになったとして、皆さんはこの方の日本語が完璧であることを期待しますか? 無理だとわかっているので、期待しませんよね。自分が英語プゼンを行う時、同じことが当てはまることをぜひ思い出してください。
 

グローバル人材塾・世人塾™の参加者を拝見していても感じるのですが、現在の英語力で何とかやりくりすることを考えないで、難しい日本語を思い浮かべその英語訳を探そうとする方は結構多いです。特に高学歴の方にその傾向が高いですね。田中さんはその典型的な例にあたります。1回めのプレゼン録画が終わり、再生して一緒にレビューしながら、一番長く止まってしまった箇所で止めて、「ここでは何と言いたかったのですか」と聞いてみました。「光量を調整すると言いたかったのです」との返事が返ってきました。随分、難しい日本語を選んでいますね。もっと簡単に「光を調節する、コントロールする」くらいで良しと思えれば、簡単な英語が出てくるはずです。
 

ちなみに光量を調整するは、I manipulated the lights.

光をコントロールするで良ければ、adjust, control など、より難易度の低い英単語が使えます。
 

TOEIC760点の彼の語彙力に”manipulate”は存在しないはずなので背伸びをしないで、自分のボキャブラリーにすでにある英単語で、何とかやりくりすることを習慣化することが大切です。これができないといつまでも途中で止まり、その度に、頭に手をやって固まったり、思わずSorryと謝ったり、天井を見上げたりしてしまいます。聴衆にとって、目の前でフリーズしてしまうプレゼンターを見ているほど、ハラハラドキドキすることはありません。落ち着いて聞けないため、せっかくの英語プレゼンの内容に注意がいかないので何のためのプレゼンなのかわからなくなり残念です。どなたか、その英語プレゼンを仕事の一部として評価している方がその場にいれば、当然ながら評価も低くなるでしょう。外国語でやるのだからと割り切って、完璧主義を早々に手放しましょう。
 

大切なことは、ゆっくりでいいので止まらないようにスムーズに話すことです。世人塾™の卒業生で、英語力はさほど高くないけれど「慌てないでゆっくりマイペースで、つっかえないで話せる」女性の、クラスでのプレゼンを録画したものがあり、シェアすることをご本人がOKしてくれていることを思い出しました。田中さんと彼女の英語力は、ほぼ同じです。彼に彼女のプレゼンを録画したものを観てもらったところ、「違いがわかりました、そうかぁ」と合点がいったようでした。「少しゆっくりめでも同じテンポで途中で止まらない」英語の方が、「ペラペラ流暢だったかと思ったら突然止まるが繰り返される」英語より、遥かに聞きやすく格上に聞こえると納得されたのです。
 

納得した後の上達は早かったです。2回めのプレゼン以降、使う単語がだんだん平易になり、最後の録画を再生してレビューした後に、「レベルの高い英単語を使う必要があると思い込んでいたようですが、分かりやすい単語を使って自分のペースで切れることなく話せると、プレゼンが上手なように聞こえるんですね」とホッとされていました。

皆さんも英語でプレゼンテーションをするときは、難易度の高いハイレベルな英語を話そうと思わず、ご自分の現在の英語力の中でやりくりすることを習慣化してください。「完璧主義」が、スムーズな英語プレゼンの邪魔になることを覚えていてください。

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この記事の筆者

鈴木美加子
株式会社AT Globe グローバル人材プロデューサー

株式会社AT Globe グローバル人材プロデューサー 鈴木美加子

大学3年の時、自分だけが英語を話せないパーティーに海外で出席したのをきっかけに、帰国後英語を猛勉強。英検1級を取って、日本GE人事部に入社。モルガンスタンレー証券会社など外資系人事部を転職しながら、異文化コミュニケーション・スキルを磨き、日本DHLの人事本部長を務める。20年以上にわたる外資系人事部での経験、オーストラリア居住体験を基に、グローバルプレーヤーを目指す人材の、スキル・アップを支援する株式会社AT Globeの代表として活躍。新卒採用を含め1万人以上を面接しており、キャリア棚卸し、転職アドバイスなど、個の力を高めることに力を注いでいる。お茶の水女子大学卒業。

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

英語でロジカルに発表・主張できるグローバル人材を一人でも増やし母国を元気にすることをミッションとし、世界で活躍する人材を育てる塾(世人塾)を中心に、法人・個人向けのグローバル人材育成事業を行う。

 

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