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鈴木美加子のグローバル人材塾

会話もメールも 英語は3語で伝わります2017.06.27


元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。良い本を見つけたので、久しぶりに英語学習についてお話しします。

書店で英語のコーナーにいた時、平積みの量がすごかったので思わず手に取った本、本日のテーマである「会話もメールも 英語は3語で伝わります」by 中山裕木子 ダイヤモンド社 です。2016年10月に発刊されて、2017年4月に第12刷という好調さです。日本人の英語は、ともすると複雑でわかりにくいという視点から、My job is to teach English. より I teach English. の方が知的でわかりやすいが基本の考え方です。
 

学校英語の延長で社会に出て、職場でメールなどを書くようになるとついシンプルに書くことを忘れてしまいがちです。例えば、受身(能動態)で文章を書いてしまいます。English can be used by anyone. より Anyone can use English. の方がシンプルでインパクトもあり、よりナチュラルな英語に近いのですが、ついつい学校で習った能動態を使う癖が出てしまいます。本に出てくる他の例では、The project was started by the manager.  より、The manager started the project. の方がわかりやすいです。
 

また、学校で習ったイディオムも全て忘れていいと説いています。なぜなら単語ひとつで同じ意味を表す動詞が必ず存在するからです。
 

- He makes use of information on the internet.

- I will get rid of suspicions emails.

- The revolution gave rise to political changes.
 

は、それぞれ下記の方がわかりやすく、よりナチュラルな英語です。
 

- He uses information on the internet.

- I will delete suspicious emails.

- The revolution caused political changes
 

その他にも、There is/are構文をバッサリ捨てることも推奨されています。これは、主宰するグローバル人材育成塾・世人塾の参加者のライティングにも多いので、うなづきながら読みました。例えば、There are three female members in this group. より、Three female members have joined this group. もしくは、This group has three members. の方がはるかにベターです。日本語には、「ある」「いる」を、主語を明確にしないでも使えるのが、ついThere is/areを使いたくなる理由なのではと本書は指摘しています。
 

「3語に情報を足す」章では、前置詞を取りあげていますが、絵がついていてそれぞれの前置詞のニュアンスが大変わかりやすいと思いました。「on」「in」「at」のどれを使えばいいのか実はよくわかっていないというような場合、本書は役に立つと思います。
 

途中のコラムに「和英辞書を引くのをやめて、知っている単語で乗り切ろう」というお話しが出てきますが、おっしゃる通りです。世人塾のプレゼンテーションで難しい単語を使おうとして、思わず「えーっと」がでてしまう方がいらっしゃいます。私は、「やりくり下手」と呼んでいますが、TOEIC700点には700点の語彙が、900点には900点の語彙があり、一足飛びに難しい英単語を使うのは残念ながら無理です。今知っている単語をやりくりすれば、つっかえることもなくスムーズに会話することができるので、「知っている単語で乗り切る」ことに大賛成です。
 

この本は、TOEIC900点以上の方は読まなくて良いと思いますが、まだそこまでいってない方は、一度読むと頭の中が整理されるし、よりナチュラルな英語を書いたり話したりできるようになると思います。

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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