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Woman & Workインタビュー
Vol.1 石黒さん [ 1 2 ]
記念すべき初回は、米国でMBAを取得、シリコンバレーでコンサルティング会社を自ら起し、現在ネットイヤーグループの代表を務める石黒不二代さん。スーパーウーマンを想像するが、実際お会いした石黒さんはさばさばとした感じの自然体の女性。とりたててキャリア・デベロップメントをしてきたことはないとおっしゃる。“子育てのために渡米”という逆転的発想ができるところが、石黒さんの“すごさ”かもしれない。
「環境を味方に、世界を舞台に」
ネットイヤーグループ株式会社 代表取締役社長 兼CEO(最高責任経営者)
石黒不二代さん
愛知県生まれ。国内でのキャリアを経た後、34歳で2歳になる息子さんを連れ、米国のスタンフォード大学ビジネススクールに留学、MBAを取得。卒業後、シリコンバレーでコンサルティング会社を経営し、1999年にインターネット技術を核として戦略的コンサルティングを行う米ネットイヤーグループに参画、2000年より日本法人で現職となる。

従業員約130人を率い、会社を急成長させる傍ら、コメンテーターとしてのテレビ出演(フジTV「ワッツ・ニッポン」「とくダネ!」)、コラム連載(IT雑誌「日経情報ストラテジー」)セミナーや大学での講演など、幅広く活躍中。(ネットイヤーグループのHP:http://www.netyear.net/

経歴
米国でのMBA取得、シリコンバレーでの起業、そして帰国
―ダイジョブ「石黒さんは、今、ネットイヤーグループの代表としてご活躍ですが、ここに至るまでの経歴をお伺いできますか? 」
名古屋大学の経済学部を卒業後、ブラザー工業に就職、コンピューター周辺機器の海外向け営業とマーケティングを担当しましたが、結婚を機に東京で外資系のスワロフスキー・ジャパンに転職しました。女性初のマネージャーでしたし仕事も充実していたのですが、もう一度ハイテク関連にキャリアを戻したいことと、当時、長男ができて、「日本では子育てをしながら働きつづけるのは無理」と悟り、渡米を決め、勉強してスタンフォード大学へ留学しました。卒業後、子育ての環境が整っている米国・西海岸に惚れ込み、ここで働こうとシリコンバレーで起業しました。ハイテク関連のコンサルティング会社です。 1999年に米ネットイヤーグループの創業に参画して社長兼COO(最高執行責任者)に就任。日本への進出を機に帰国し、2000年よりネットイヤーグループの代表を勤めています。
キャリアの方向性
目指すべきロールモデル(お手本)もない!キャリアのスタート
―ダイジョブ「昔から“経営者になる”など、キャリア・デベロップメントの方向性はあったのでしょうか? また、乗り越えなければならなかった『壁』はありましたか? 」
私の場合、キャリア計画そのものがあり得ませんでした。私が社会に出た時には、働く女性の周りは『障害』だらけでした。まず、4年制大学卒業の女性が応募できる企業がない。新聞社などマスコミ系の募集がかろうじてあるぐらいでしたが、それにしても契約社員でした。当時は今と違い、女性が働く環境が整っていませんでしたから、当然、ロールモデルもありません。キャリア構築を計画しようにも、目指すべき目標が既にある訳ではありませんでした。
―ダイジョブ「では、キャリアの方向性もお考えにならなかったのですか? 」
小学校の時に「世界を股に架けた仕事をしたい」と書いていましたから、『インターナショナル』というのは一環してありましたね。その後もこの言葉を思い出しては支えにしてきましたので、『世界を股に』が、方向性と言えば言えるのでしょうけれど、明確にどの業界、どの職種というのはもともとはありませんでした。しかし、一度、ハイテク関連に足を踏み入れたらとても好きになりましたね。
人生の分岐点
子育てのインフラが整備された米国で、キャリアも育児も一挙両得
―ダイジョブ「キャリアの分岐点といえるのは、どのポイントでしょうか? 」
やはり、スタンフォードに留学したことです。キャリアチェンジのほかに、子育てをする環境を求めてということも留学の主旨に含まれていましたが、その点では、米国の西海岸は最適の環境を与えてくれました。社会的なインフラには、ハード面とソフト面の二つがあります。ハード面は、現在日本でも進めているような育児休暇の取得や保育機関などの制度的な面ですが、もちろん、米国ではこの面でも大変優れています。公立学校では「学童保育」で夕方まで子供を預かってくれますし、学費はかかりますが、私立なら、夜まで子供を学び遊ばせるプログラムが充実しています。
ただ、米国の素晴らしさは、そのソフト面でのインフラにあります。社会全体に子育てを優先する“空気”があり、子供のための昼休みの帰宅や定時退社など、誰にも遠慮は要りません。フォーマルとインフォーマルの両面であたりまえのように許容されています。
それは、男性や立場が変わっても、そうなのです。こんな事がありました。重要な会議が長引き、子供を迎えに行く時間が迫っていました。会社の命運を決める重要な会議でしたし、なかなかアポイントメントが取れない相手でした。タイムリミットが迫り事情を説明すると、何と、相手の方が、配慮が足りなかったことを謝罪され、翌日、会議の継続を申し出てくれたのです。
―ダイジョブ「それはすごいですね。そのような状況が日本に定着するには、まだまだ時間がかかりますね。制度面だけを整備しても、ソフト面の浸透が無ければ、根本的な解決はできないでしょうね。」
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