悩みに答える転職相談
石原

相談者の悩み( M・Sさん、31歳 )
「今まで派遣で働いてきて、専門職に就いていなかったのですが、専門職で正社員へのキャリア・アップを図りたいと考えています。今までの私の経験から、どんな方向が可能でしょうか?」

【相談者 経歴】日本の大学に在学中(国際関係課程)にアメリカに1年間語学留学をする。帰国後復学し、大学卒業時は26歳。仕事で英語を使えるので、派遣として国内大手のOA機器メーカーの海外向けマーケティング部門でアシスタント業務に就き、約4年。環境の変化や報酬アップを求めて転職し、現在外資系銀行のリサーチ部門で派遣勤務。
「仕事も私生活も流動的。悩み始めてます。」
石原さん
今のお仕事はおもしろいですか?
相談者
興味深い仕事だと思います。ただ、バックオフィス業務ということもあり、実際にどのような仕事の流れがあるのかというところをつかみにくいという不満があります。
石原さん
Mさんの将来の展望はどのようなものなのでしょうか。実際のところ、女性の場合は男性と違って結婚や出産に対する考え方も大きなポイントですから、30歳前後で考えなければならないことも多いんですよ。
相談者
ishihara 正直にいうと流動的としか言い様がないですね。もちろん結婚や出産を考えないわけではないですし、両方経験できるのがベストだと思いますが、情熱を注げる仕事と出会えればもっと頑張ってみたいし、それができなければ家庭との両立を第一に考える……ということになるでしょうか。
石原さん
年齢的にも仕事重視かあるいはプライベート優先かを即断するのが難しいでしょうね。現時点ではどこまで頑張るつもりですか?
相談者
体力が続く限り、という感じでしょうか。
「仕事内容の充実を視野に入れているのですが・・・」
石原さん
女性の30歳というのは、ある意味ギアを切り替える時期。ここで重要になってくるのがあなた自身の人的環境です。
相談者
今の職場に限れば「人を育てる」という雰囲気はないと思います。私の仕事はアシスタント業務ですが、そこから上級のプロへの転換はほとんどありません。アシスタントはずっとアシスタントのまま。社内での配置転換も皆無ですね。今のリサーチの仕事はおもしろいと思うのですが、プロのリサーチャーになるための社内育成システムがないんですよ。
石原さん
今の職場にどれぐらい勤めようと思ってらっしゃいますか?
相談者
正直、それほど長くないと……おもしろいけどやりがいは薄いという感じですから。
石原さん
もっと充実した仕事を視野に入れているということですね。
相談者
そうです。以前は日系メーカーの海外マーケティングで働いていました。会社全体の戦略が見渡せる部門で仕事自体も楽しかったのですが、経験を積んで仕事が増えたにもかかわらず、それに見合った(待遇面の)上積みがないので転職したんです。
石原さん
Mさんのように派遣から正社員への転換を考えている人はこのところ増えています。年齢的にも職責のある仕事を求めるにはいいタイミングですからね。では、次に何をしたいのかということは考えていらっしゃいますか?
相談者
はい。
石原さん
Mさんは現在も、前職も派遣という形で勤められていたようですね。
相談者
そうです。以前は日系メーカーの海外マーケティングで働いていました。会社全体の戦略が見渡せる部門で仕事自体も楽しかったのですが、経験を積んで仕事が増えたにもかかわらず、それに見合った(待遇面の)上積みがないので転職したんです。
石原さん
派遣という形態にこだわっていた?
相談者
いいえ、そのつもりはありませんでした。やむを得ず、というところです。
石原さん
Mさんのように派遣から正社員への転換を考えている人はこのところ増えています。年齢的にも職責のある仕事を求めるにはいいタイミングですからね。では、次に何をしたいのかということは考えていらっしゃいますか?
相談者
大手か中小のベンチャーか、あるいは国内企業か外資系かという点については特にこだわりはありません。最初に就職したメーカーのマーケ部門は今でも興味があるので、できればその分野でキャリアを積めればなあと考えているところです。
石原さん
派遣という形態にこだわっていた?
相談者
大手か中小のベンチャーか、あるいは国内企業か外資系かという点については特にこだわりはありません。最初に就職したメーカーのマーケ部門は今でも興味があるので、できればその分野でキャリアを積めればなあと考えているところです。
石原さん
マーケ部門は比較的入りやすく昇進が望める部門かもしれません。Mさんのキャリアならば大手よりも適度な規模の会社やベンチャーの方が道が開け易いと思います。英語力があり実務経験もあるところは大きな「売り」ですから、新規事業の立ち上げやそれに準じる仕事に興味があるとアピールすればいい仕事が見つかるかもしれません。特にネットビジネスや女性経営者のベンチャーなどがおもしろいと思いますよ。
「実務経験が不足していて、不安です。」
相談者
会社選びで重要なことは何ですか?
石原さん
ある人にとっては職場環境も重要な要素ですし、信頼できる人がいるかどうかという点もまた大切。つまるところ、いちばん重視すべきなのは、上司との「相性」だと思うんです。Mさんのように派遣の事務方からプロフェッショナルへの転換というのはかなり大きなジャンプですから、「あなたを育ててみたい」と思ってくれる上司がいるかどうかも大切だと思います。
相談者
難しいですね。
石原さん
ishihara 転職というのはある種のギャンブルですからね。「ここがベストだ」と思っても実際には入社してみないとわからない。ただ、そういう「失敗」が例えあったとしても、それは必ずしも無駄だとはいえないんです。一見、失敗したかのようでいて、将来の成長につながっていく。いや、逆に成長につなげていくゾ!と自分に言い聞かせて頑張っていく。もっとも、失敗をバネにしていくためにはできるだけたくさんの人と会い話をしていくこと、そしてできるだけ多くの会社を見ていくことが重要です。例えて言うなら、骨董の目利きは本物と偽物の両方に触れてはじめて一人前だといわれますが、それと同じことなんですよ。
相談者
実務経験の不足を指摘されることはないでしょうか。
石原さん
ないとは言い切れません。それが事実ですから。過去は変えられないですが、現在と未来は自分の意思で変えることが出来ます。あと、「企業は30歳以上の独身女性を雇用するのはリスクだと思っている」という“現実”を認識すること。「頑固で意固地で使いにくい人では?」「帰国子女だから自分の主張は通すタイプだろう」というのはもちろん偏見なのですが、そういうものと闘っていく心づもりがなければうまくいきません。時にはハキハキと意見を通すことが「アグレッシブすぎる」という評価につながることもあります。面接という一瞬の判断で、偏見をどれだけ払拭できるかがカギになると思います。
相談者
怖いですね。
石原さん
いいえ、そういうこともありえると思って自然体で臨めば大丈夫ですよ。普段から多くの人に接し、多くの価値観と触れていれば、突然、不意打ちを食らっても対応に苦慮することも少なくなります。これからも頑張って素敵な30代を送って下さいね。
相談者
はい、ありがとうございます。

石原久美の転職アドバイス 今回のポイント

転職相談_ishihara

1) 経験不足なら中小のベンチャーが狙い目
2) できるだけ多くの人と話して自分を高めること
3)「30歳以上の独身女性」に対する偏見をしっかり認識した上で面接に臨む

「転職の成功者」とは「一度も失敗したことがない人」ではありません。いい形でキャリアを積んでいる人たちは例外なく、失敗を乗り越えているのです。見立てを誤って理想とは程遠い会社に転職することもあるでしょう。人間関係につまずいてしまう人もいます。そういう困難をいかに乗り越えるかが大切なのです。極端な話、転職を成功させた人であっても半分はハズレくじを引いているといってもおかしくありません。
では、成功する人とそうでない人の違いはどこにあるのでしょうか。成功する人たちに共通しているのは、どんな障害をも自分の味方にしてしまって、成功への糧に変えていく、という強い意志をもっていることです。こうした経験の蓄積がプロフェッショナルへのキーポイントなのです。Mさんのような30代の独身女性には有能な方が多いと思いますが、残念ながらまだまだ企業社会には、ある種の偏見が残っています。そこから目を背けないことも重要なポイントといえるでしょう。