「 面接対策 」

自己分析・会社研究で自分の目指す職種や企業を選び出し、エントリーシートも提出し始めました。さあ、次はいよいよ本番の面接対策。これまでの準備をどう活かせばいいのでしょう ?

インターネットや就活マニュアル本では、あれこれと細かく面接のテクニックについて情報があふれています。しかし、面接対策においては 「すべてに通用するテクニックなどは存在しない。」 と考えましょう。なぜなら、面接の種類が多様化した為に、面接官がチェックするポイントが多岐に渡っているからです。その上、マニュアル通りの面接対策などは、ほとんどの面接官がお見通しなのです。

ここではまず 「面接とは何か ?」、面接官が面接において 「何を見極めようとしているのか ?」 という面接本来の意味を確認しましょう。それらを踏まえた上で、「あなたが何をどうアピールできるか?」 そこから自分独自の面接対策を考えていきましょう。

1. 面接対策をする前に

では、実際に自分独自の面接対策とは具体的にどうすればいいのでしょうか ? ここで大切なのは、面接試験のテクニックやチェックポイントではありません。その前にまず 「面接とは一体何をするところなのか ?」 そして 「企業や学生の双方にどんなメリットがあるのか ? 」 を確認しましょう。就職活動に関する情報が溢れる今、内定をとるためだけのテクニックに走りがちですが、まずは面接の意味をしっかりと理解した上で、有効な自己アピール方法を発見し、最低限のマナーを習得することが効果的です。

マニュアル通りの面接対策をすると・・・

面接に合格することだけに意識が向いてしまい、面接官に気に入られようと過剰な自己主張をしてしまいがち。またマニュアル通りの自己PRをしてしまう傾向がある。面接官と効果的にコミュニケーションが取れないだけでなくその企業が自分に合うかどうかなどを客観的に判断できない可能性が高くなる。

面接の目的・本質を理解した上で面接を受けると・・・

面接とは何をするところなのかという本質を理解しているので、面接官に対して一方的に受身にならず自分自身も企業についてより理解を深めようとする余裕ができる。結果的に面接官とうまくコミュニケーションを取ることができ自分自身をより効果的にアピールできる可能性が高い。

このように面接の本質や目的をしっかりと理解した上で面接対策を考えると場当たり的にならず余裕をもって面接に臨める土台になります。

それでは次に、面接試験とはいったい何か具体的な目的や面接の種類を見ていきましょう。

2. 面接試験の目的とは

まず、「面接」 と一言でいっても企業側と学生側の両方の視点があります。面接とはそれぞれの立場においてどんな目的があるでしょう。

( 学生側 )

興味のある企業に自分をアピールするだけでなく、面接という機会を生かしてさらに企業について理解を深めるチャンスになる。また、人事担当者に会い直接質問をすることで会社の雰囲気やその会社で自分がどのようなことができるかを具体的に知ることができる。

面接のマニュアル本を熟読する学生の中には、面接では 「質問①」 がきたら答え 「A」 「B」 「C」 のどれかを答えるという学生もいるようです。マニュアル通りの質問がくるとは限りませんし面接官はマニュアル通りの答えはお見通しです。そうではなく、自分自身の経験や価値観、人生観が基礎となった答えを面接官は求めているのです。

そしてもう一点念頭において欲しいのは、面接という機会は学生が一方的に受身である必要はなく自分の成長のために企業を選び、企業は企業の成長のために必要な人材を学生の中から探し出す対等な関係であるものです。

( 企業側 )

一方、企業側は企業の発展・成長に将来貢献できる人材かどうかを見極めようとします。面接では学生の経験や可能性、そして能力をできる限り見出だし判断します。また、面接では社風や職場環境どういった人が働いているかなど企業についての情報を、配属先があらかじめ決まっている場合は仕事内容やどういった先輩が働いているかなど学生に具体的な情報を与えます。最近では 「理想の仕事ができない」 「労働時間が思った以上に長い」 「上司とうまくコミュニケーションがとれない」 など入社してからイメージとのギャップを感じ辞める人が多いため面接の際できるだけ具体的な情報を与え前もって学生に確認をする必要があるからです。

3. 面接の種類とは

続いて面接の種類をみてみましょう。面接の種類を大きく分けると 「個人面接」、「集団面接」、「グループディスカッション」の 3 種類があります。それぞれ面接は、形式も目的も異なります。

・ 個人面接
・ 集団面接
・ グループディスカッション(集団討論面接)
• 個人面接

学生一人に対し、面接官が一人ないし複数で行われる面接スタイル。面接官は学生に対し、自己PR、志望動機、学生時代にがんばったこと、この会社で何をしたいのか ? どのような貢献をするつもりか ? などの質問をするのが一般的な傾向。面接官は質問から学生の能力や素質を審査、見極める。学生側の利点は、面接を通じて直接人事担当者から仕事内容等の確認が出来る。企業への理解度を深めるチャンスが与えられる。

ある人事担当者のコメント

「私の場合は、同じ個人面接でも 1 次面接か 2 次面接かによって見るポイントが違います。 1 次面接の場合一回に多くの学生を面接することになるので、大まかに会社の社風に合うかどうかまたその社風を学生たちがどう理解しているかを見ます。 2 次面接になると各学生に個人業務が合っているか、集団業務が合っているかを見極めた上でその学生に合っていると思われる部門を考慮しながら面接をします。」

• 集団面接

学生複数に対し、面接官一人ないし複数で行われる面接スタイル。個人面接と比較すると、学生一人当たりに割り当てられる時間は短い。企業側が大勢の求職者の選考過程の絞り込み用途として、初期段階に行われることがある。また、採用選考の後半に行われる場合は、適任部署の判定など、学生の適性を観察する用途に用いられる傾向がある。複数の学生に対して順番に同じ質問をすることもあれば、一人一人に個別の質問をする場合もある。

ある人事担当者のコメント

「集団面接を行う面接官は、人事担当者が行う場合と募集部門の上司もしくは代理が行う場合の 2 種類があります。部門の上司が面接をする場合は直接自分の部下となる人を選ぶことになるので、その上司が自分に合う人材を選ぶ傾向にあります。また、人事担当者の場合はいわゆる圧迫面接と呼ばれるものに近いような鋭い質問を投げかける役と学生が詰まったときに誘導する役とに分かれて学生の本当の姿を見られるように工夫します。」

• グループディスカッション( GD )

面接当日、または事前に与えられていたテーマについて、 30 分から 1 時間程度の時間内でグループ議論した後に結論を見いださせるディスカッションスタイルの面接。一般的な形式としては司会・書記・タイムキーパーなど学生各自に役割を持たせ、議論を進めていく。グループディスカッションにおいては、いかに優れたアイディアを出すか? 集団の中で際立つか? ということよりも、答え導きだす際に、いかにメンバーに貢献しているか? コミュニケーションが取れているか? ということが審査、重要視される。

ある人事担当者のコメント

「集団討論面接は、企業が予算的または時間的に余裕のある場合採用選考の初段階において行うことが多いですね。特に限られたポジション (例えば比較的少数募集の職種など) に対して学生を採用する場合に多いと思います。また、リーダーとなる素質があるか? 決められた仕事を黙々とするタイプか? 攻撃的か? など適正を見て配属先の部署を決定する場合もあります。」

4. 面接に落ちたとしても・・・

多くの学生は面接に通らなかった場合、その原因がすべて自分にあると考えがちです。しかし実際はどうなのでしょうか ?

  • 希望職種の応募人数が少ない場合
  • 例えば人事を希望していたとしましょう。通常人事の職種は経験者採用が多く新卒採用を計画しても実際の募集人数は少数の場合が多くあります。このように希望の職種に募集枠が少ない場合は、当然不採用の可能性も高くなります。
  • また、特定の部署や専門職を採用する場合はやはり仕事上必要とされる能力を持ち合わせている学生、またはその能力を伸ばせそうな学生を採用します。つまり、学生がなかなか知り得ない企業側の採用計画やその時の事情によって、 「採用されやすい」 また 「不採用」 ということもあるのです。以上から、面接に落ちたといってもその理由が一概に学生側にあるとは限らないのです。企業側の都合も考慮にいれなければいけません。

では、面接の際、面接官は学生のどういう点を見ているのでしょうか。

ある人事担当者のコメント

「投げかけられた質問に対して的確な回答ができているかどうか、質問の内容・意図を自分から理解しそれに対して答えているかなど基本的な部分を確認します。また、いい間違えた際にすぐに誤りを訂正するタイプか、それとも 「自分は質問をこう解釈した」 などと言い訳するタイプかでも差がでます。自己PRや志望動機に正しい解答はありません。ただ、質問に対して自分の意見や主張を的確に答えているか、その時々の対応を見ています。」

ある人事担当者のコメント

「評価が高くなるポイントとしては、自分の伝えたいことをしっかりと説明できてさらに例を使ってわかりやすく話せる人。自己主張だけでなく、話を聞く立場にたって物事を考えられる人ということが分かります。例えば、自分の長所と短所を説明する際サークルやゼミでの実際の出来事を使って話すと、とても分かりやすい。効果的なプレゼンテーションができると評価が高くなります。また、そのスキルは入社してからもプレゼンテーションや営業の役に必ず立つので準備はしておいても損はないと思いますよ。」

ワンポイントアドバイス

自分の短所を説明してくださいと求められた場合は、客観的に自分の短所を説明した上でその短所への対処法を説明できると高評価です。なぜなら、長所だけでなく自分の短所も客観的に把握しそれらを見据えた上で自分がどうアプローチしていけばいいかを分かっているからです。「自分は○○という点が短所として挙げられますが、〜〜をすることによって気をつけています。」 などというように。

「入社してから希望していた部署に配属されなかった場合、またイメージしていた仕事内容と違った場合はどうしますか ? 」 と質問されたら場合はどうするのでしょう。入社前のイメージや目標が理想どおりには行かないのが現実社会です。理想と現実のズレが生じたときにどう行動するかをイメージでき的確で前向きな説明をできると高評価。入社後3年以内の離職率が 30 % という時代、企業にとっては入社後すぐに辞めそうか? 耐えられるかどうか? を見極めることも大切なポイントです。

5. 面接対策の基礎になるもの

冒頭で “面接対策といってもすべてに通用するテクニックはないと考えましょう。” といったように100% 通用する対策というものは存在しません。

面接対策の基礎はすべてこれまでの自己分析や会社研究が土台となっています。

これまでの自分を見つめなおしそこから将来進みたい方向性を見つけることによって自己PR が効果的にできるようになります。そして様々な業界・企業・職種を調べることによって自分はどういう環境でどのように活躍したいかという志望動機が的確に説明できるようになります。

逆に言えば、面接で答えられなかった自己PR や志望動機の質問の答えはやはり自己分析や会社研究を通して自分なりのものが見つかるのです。

6. 面接を実際に受ける前に

ここで 「就職活動」 をマラソンに置き換えて考えてみましょう。
あなたは自分の出場するレースへの登録を終えました。(エントリーシートを提出にあたると仮定しましょう) 体力測定などの検査 (筆記試験) もなんなくこなし、あとは自分の体調・呼吸を整えてスタートラインに立つのみです。

マラソンでいう登録や体力測定、準備体操などがいわゆる面接のテクニックと言われるものです。しかし皆さんが多くのマニュアル本やサイトで目にするテクニックではありません。靴ひもをくくりなおし準備運動をしてレースにのぞむ、そんな当たり前とも言える基礎準備さえしておけば後はこれまでのトレーニングがものを言うのです。

ここで、基本的な準備としていくつかチェックポイントを挙げてみましょう。

時間

時間厳守は社会人でなくとも守らなくてはならないルール。では、面接における時間のルールとは

  • ★ 面接の際は遅れても早すぎても ×
  • ★ 遅刻が避けられない場合は事前に担当者に連絡を

早めに行くといっても 10 分前程度がベストでしょう。30分以上前に企業を訪問し、待たせてもらうことは迷惑行為になりかねません。道に迷うことが心配であれば最寄り駅に早めに着いて一度企業の場所を確認し近くの喫茶店などで面接の準備をしてはいかがでしょうか。

また、やむを得ない事情 (事故等による電車遅延、何らかの事故に巻き込まれた場合など) で面接に遅れる場合はすぐに担当者に電話をして状況を伝え今後の予定を伺いましょう。大切なことは、なぜ遅れるのか正しく状況を伝えること。連絡を入れれば企業によっては調整してくれることがあります。

身だしなみ

一般的に男性は3つボタンスーツが無難ではないでしょうか。ちょっと気になるのがチラッと見える靴下です。くるぶし丈までの短いソックスやスーツ姿には目立ってしまう白いソックスは履かず、黒などの濃い色めのものを選びましょう。女性の場合は、パンツでもスカートでも特に問題はありません。目立ったアクセサリーなどは基本的に外しメイクは派手な色などは使わずナチュラルで清潔感のあるメイクに仕上げましょう。

  • ★ 頭髪、化粧、におい(香水のつけすぎ)などにも気を配れているか
  • ★ スーツ・シャツにはシワや汚れがないか
  • ★ ネクタイの色や形は派手すぎないか
  • ★ 靴は磨いてきれいな状態か

敬語

  • ★ どうしても慣れない場合は丁寧語な言葉遣いを意識しましょう

普段から目上の人へ敬語を使い練習しておきましょう。しかし、慣れない場合は敬語を多く使うことよりもコミュニケーションを円滑に取るということが目的であることを意識しましょう。企業側も最初から完璧ということは期待してはいません。ただし、相手のことを理解しようとする姿勢、聞かれていることに対して誠実に答える姿勢を面接官は見ています。しっかり相手の目を見て気持ちのこもった挨拶と笑顔。間違って指摘されたことに対しては素直に聞き入れ次に同じ間違いを繰り返さないようにしましょう。

提出書類

  • ★ 履歴書の内容をもう一度確認
    • 履歴書の記載事項は正確か ?
    • 同じ単語や表現が繰り返し使われていないか ?
    • 誤字脱字はないか ?
    • 修正ペンなどで直した後はないか ?
    • 写真を貼り忘れていないか ?
  • ★ 履歴書・履歴書用の顔写真は予備を準備しておくこと
  • ★ 自分の提出したエントリーシート・履歴書の内容は必ず把握していること

履歴書を提出することが企業とのつながりの第一歩です。どんなに魅力的に自分のことを伝えられるとしてもその前に履歴書をもとに選考が進められます。その履歴書が内定まで皆さんを導いてくれるようにしっかり自己 PR していきましょう。

以上のチェックポイントは他の学生たちも網羅している基本事項。逆に、上記のチェックポイントの一つでも欠けていると 「ホントにやる気があるのか?」 「その程度の心構えで面接に臨んでいるのか」 というように見られてしまいます。

では、これらの基本を踏まえた上で他の学生と差をつけるにはどうすればいいのでしょうか ?
以下に簡単なポイントを紹介します。

質問の意図を理解して的確に答える

普段の状態だと自然にできるものですが試験という形で面接官を目の前にするとやはり緊張してしまいます。しかし、面接官の多くが注目しているコミュニケーション能力とは相手の意図を理解し的確に答えられるかということ。

ある人事担当者のコメント

「緊張しすぎて言っている内容が支離滅裂している学生がたまにいます。話の内容が矛盾すると面接官は理解するまでに時間がかかります。相手の質問に正確に答えられていないと判断されかねません。」

練習を重ね緊張しないようにする

エントリーシートも履歴書もきちんと書けているのに面接になると上手くいかない、そんな学生は多くいます。しかし、面接は練習を重ねるごとに必ず慣れ本番で余計な緊張をしなくなります。あなたの周りには大学の先生や先輩、友達や家族など面接の練習をする相手はたくさんいます。まずは志望動機や自己PR を文章にまとめそして誰かに話すことによって文章にまとまりが出て自分なりのポイントを掴んできます。また、就活セミナーやオフ会などであらかじめ先輩の失敗談を聞いておくこともいい面接対策になるでしょう。

ある人事担当者のコメント

「練習をしてある程度の面接のテクニックをもっておくことは必ずしも悪いことではありません。それも一つの個人の学習方法です。実際に企業の営業部などでは「ロールプレイング」というリハーサルをかねた練習方法があります。しかしここで重要なのは形式やテクニックを確立することに走るのではなく、自分のスタイルを入れて表現していくことです。」

自己主張を勘違いしない

自己PR も志望動機も完璧、後は面接でいかに目立つかと自分をここぞとばかりにアピールする人がいます。個性的また積極的と捉えられると思いがちですが、ここで忘れてならないのは自己PR というのはコミュニケーションができで初めて相手に伝わるものです。面接官の質問や意見を正しく理解できた上で自分の考えを相手に分かるように話せるか。これさえ勘違いしなければ大いに自分をアピールしましょう。そして説明する際自分の経験や実績などの根拠をつけることも大切です。

要点を箇条書きして覚えておく

暗記ではありません。しかし、自分で話す内容を箇条書きにまとめて頭に入れておくことは効果的です。文章ごと覚えると忘れることがありますがサークルのことを聞かれたら○○のこと、インターンのことを聞かれたら○○のことを話すという風に箇条書きにしてまとめると話しやすくなります。

ある人事担当者のコメント

「緊張のあまりに履歴書に書いてある文章を棒読みする学生がいます。面接官は履歴書に書いてあることではなく、実際どんな人物なのか? ということが知りたいのです。できるだけリラックスして臨んで欲しいものですね。」

7. 次回への準備

たとえ失敗してもそこから何かを学び同じ間違いをしないようにすればそれが成長につながります。面接試験は就職活動の中で最も難しいと感じる人も多いでしょうが、実は自己PRや志望動機を落ち着いて自分の言葉で言えるようになれば後は基本的なことしかありません。インターネットやマニュアル本の情報に惑われ必要以上に緊張してはいけません。余裕を持って準備をして落ち着いて臨みましょう。また、各面接ごとに聞かれた質問や自分のよかった点、悪かった点などをまとめて自分なり 「面接ノート」 をつくってもいいでしょう。それこそが自分に一番合った面接対策本となるでしょう。

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