海外で働く
文字サイズ: 海外で働く 海外で働く 海外で働く
第 4 回 ベネズエラとはどういう国 ?

さて、身辺の準備も整い、現地での生活にも少し慣れてきました。
今回はベネズエラの国についての概要や、当時自分なりに感じたことを書いてみたいと思います。

国名:

元はベネズエラ共和国でしたが、現政権になってからベネズエラ・ボリバル共和国となりました。通称、ベネズエラと呼ばれています。スペイン語ではベネスエラ(VENEZUELA)と発音します。

歴史:

北南米は1400年代後半までは原住民だけでした。コロンブス(イタリア人でスペイン王国に仕えた)がスペイン女王イサベルの援助を受け、東方航路は大西洋を西航すると可能ということで出発し、1492年西インド諸島(カリブ諸島)の今のアメリカ領になっている1つの島に到着しました。これが新大陸発見の始まりです。

その後、1500年代にスペインを中心(一部ポルトガル)に、南米に入植地として建設した最初の国がベネズエラです。複雑な変遷の後、1821年にシモン・ボリバルの指導の下でスペインから独立しました。

海外で働く 海外で働く
政治:

建国後、体制は幾度も変化しましたが、現在の大統領ウゴ・チャベスは反米色を強く出し,低辺層重視の政策を掲げています。そして、石油を中心とする主要産業の国有化を強力に進めています。現在の政情は、原油・石油化学品価格の上昇で、一応安定しているように見えます。

経済:

石油の生産はOPEC加盟国の中でも上位に位置し、輸出収入の8割(世界シェア5%)程が石油です。他には、天然ガス、ボ-キサイト、鉄鉱石、ニッケル(これらは世界シェア1%台)など鉱物資源の輸出収入に頼っています。一方、農牧業の生産性は低く半分以上を輸入しています。

チャベス大統領は貿易相手国の多様化と対米依存度の低下を目指していますが、アメリカ への依存度は現時点で、輸出50%以上、輸入25%以上で両方1位となっています。理想としては良いですが、実際に自立する能力は疑問があるでしょう。
例えば、私が駐在した頃、ポリスチレンの生産においては、能力の20~30%しか稼動しておらず、技術と工場操業能力が不足しているように思います。(日本等の先進国では100%稼動が常識です)

国民:

多くの人種と民族が合流しています。白人は植民地時代のスペイン人が主で、ポルトガル、ドイツ等ヨ-ロッパ諸国からの移民も入っています。アフリカ系は植民地時代に奴隷として連れて来られた人の子孫です。独立後移民してきた中国人はいますが、アジア系は少ないです。
最近では、中南米諸国、特に隣国コロンビアからの移民が多く見受けられます。世代を重ねて混血が進んだため、人種集団をはっきり区分することはできないためか、差別的なことも目につかないように思えます。

一般市民は、日本人・中国人・韓国人の区別が分からないらしく、我々日本人は、よく「チノ」(中国人)と呼ばれました。差別的に呼ぶのか、親しみをもって呼ぶのか分かりませんが、個人的な経験では、おそらくそれ程意味が無いものと思われます。

美人度:

ミスユニバ-スでベネズエラ人が1位や上位に入ることが多いので、読者はさぞ美人が多い国と思っておられることでしょう。しかし、私は街中でそのような美人を見かけたことはあまりありませんでした。ニュ-ヨ-クの五番街、パリのシャンゼリゼ通りや日本の銀座のようなおしゃれな通りがないので、美人が颯爽と歩く所がないから目立たないのでしょうか。それでも、街中では腰高で脚が長く、ジ-ンズやパンタロンがよく似合うスマ-トな女性を多く見かけました。

ちなみに、中南米では3Cと言われる美人国があります。コスタリカ、コロンビアとチリです。私はコスタリカには行ったことがないので何とも言えませんが、コロンビアとチリは言われているだけのことはあると感じました。特に、チリのサンティアゴでは目が大きく、色白そして比較的小柄でチャ-ミングな女性が多かったように見受けられました。

治安:

事務所、家、車等の施錠や手荷物の通常の注意は必要ですが、怖いという感じはありませんでした。セントロも特別に怖い危ないということはありませんが、出かけるなら複数で昼間に出かける方が良いでしょう。ベネズエラに限らず、発展途上国へ旅行する時に頭に入れておくことは、油断せず、常に注意を払うことです。

同僚が街角で迎えの車を待っている時、考えごとをして注意を怠っていたらしく、バイクの若者にアタッシュケ-スをひったくられたことがあります。数年後、私が他国に移ってから治安が悪くなったと聞いています。国によっては急に情勢が変わるので、直前の情報を掴んでおくことが重要です。

サ−ビス:

全般的に良いとは言えません。効率が悪くて遅く、いらいらすることがありますが、そういうものだと割り切って、常に時間の余裕をもって行動することです。

個々の企業で、サ-ビスというものについての教育がなされていないのでしょう。銀行では、座るソファ-もなく、窓口の周りに客が群がっていて順番が分かりません。空港のカウンタ-で変更や空席待ちを頼んだ時や、旅行代理店、中級以下のホテルの対応など、頼んだことをやってくれているのか不安を感じることがしばしばありました。それでも、高級ホテル、高級レストランや一部の店舗などはさすがにサ-ビス行き届いていました。特に高級レストランはテ-ブル毎に担当が決まっているため、チップのこともあり真面目に応対してくれます。

海外で働く 海外で働く
気質・商慣習:

一般的に人は良いように思います。特に親しくなったら親身になって付き合ってくれます。 ビジネスでは文書主義で常に確認していけばほぼ問題ないでしょう。ただ、取引先によっては支払い期限がル-ズでその督促に時間を取られた記憶があります。アポイントなどは問題なく、スムーズに運びました。

日本では、ラテンの代名詞のように、アスタマニャーナ[Hasta manana 最初のnの上に~を付ける] (”仕事を明日に延ばす” という良くない意味に使われる場合。別れ際の挨拶に「また、明日ね」という意味で使うのが本来の使い方である。) などと言われるほど、ラテン人のルーズさを指摘されますが、すべての人がそうではないですし、それほどの不便さは感じませんでした。

スポーツ:

スポーツは日本と割合関係が深いので触れておきたい事項です。ポピュラ-なスポ-ツの1つがボクシングです。最近でも日本人の対戦相手は、タイ人もありますがベネズエラ人も多いです。 もう1つは野球。私も1度だけスタジアムへ野球を見に連れて行ってもらったことがあります。日本人のように組織的なものではありませんでしたが非常に熱狂的な応援で、楽しく観戦できました。

過去に日本のプロ野球で活躍した選手は、阪急ブレ-ブスやヤクルト・スワロ-ズに在籍したボビ-・マルカ-ノ、元ヤクルト巨人の強打者ロベルト・ペタジ-ニ。現在活躍しているのは、オリックスのアレックス・カブレラや元ヤクルトで巨人へ移籍をしたアレックス・ラミレスがいます。アメリカのMLBでも多くの選手が活躍していますし、最近では、サッカ-やバスケットボ-ルも力をつけてきており、今後の活躍に期待したいです。


ベネズエラについてあまり馴染みのない方も、少しこの国を身近に感じられてこられたでしょうか。
次回は、ベネズエラの生活について詳しくお伝えしたいと思います。

2008年5月
高端正直