
| 女性とキャリア Woman & Workインタビュー |
| Vol.4 虎林さん |
| 今月は、米国留学時代に関わった縁で、現地にて JAL (日本航空株式会社) に就職し、帰国後、ビジネススクールの運営や立ち上げ、GM Japan (日本ゼネラルモーターズ) で外資系企業勤務を経て、個人事業主としてご活躍中の虎林さんを取材した。会社勤務時代には Top セールスの実績を持ち、“人とのめぐり合いが活力の元”、と語る虎林さんは、現在は、美容・医療機器メーカーのアドバイザー、インストラクターとして契約し、活動しておられる。 取材陣も感心するほど素肌が若々しいのは、扱っている商品のためだけではあるまい。活き活きと働く気持ちが素肌パワーを加速していると見た。会社勤めだけが終着点ではない生き方、個人の力を発揮できる場をも自ら求める生き方。もともと、男性よりフットワークが軽い女性の資質を活かせば、こんなキャリアの作り方もある。 |
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「学生時代に私を変えた体験を元に、積極的な人生を歩む」 株式会社ホーマーイオン研究所 モイスティーヌ事業本部 アドバイザー、インストラクター 虎林万代 (とらばやし かずよ) さん |
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アメリカ・ユタ州 ウィーバー大学卒業。 JAL の日本人留学生向けの語学研修プログラム・コーディーネーターとして JAL (日本航空株式会社) に現地雇用され、運営を担当する。帰国後、 JAL コーディネーションサービス株式会社で海外赴任者とその家族のための研修を行うビジネススクールの四谷校責任者等を務める。 その後、グロービス・ビジネススクールの大阪校の立ち上げに関わり、個人・法人向け営業で、大阪、東京校にて目覚しい成績を残した後、GM Japan (日本ゼネラルモーターズ) に転職。サターン事業部のエグゼクティブ・アシスタント、マーケティング本部の広報などを経て、現在、株式会社ホーマーイオン研究所が開発したスキンケアシステム「モイスティーヌ」のアドバイザー、インストラクターとして多忙な日々を送っている。 |
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異文化との出会い ルームメイトの一言が、その後の人生を変えた |
| ―ダイジョブ「虎林さんは、留学、国内大手企業勤務、ベンチャーでの支店立ち上げ、外資系勤務、そして現在のインディペンデント・コントラクター=個人事業主、とキャリアのフルコース体験をされましたが (笑) 、出発点である留学時代のお話からお伺いさせてください。留学されたきっかけは、何だったのでしょうか ? 」 |
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1984 年のロサンゼルス・オリンピックがきっかけでしたね。高校生だった私はテレビを見て、同時通訳に憧れました。外語大学に入った高校の先輩からの「同時通訳を目指すなら、現地で勉強を」というアドバイスで留学を決めました。大学は、ユタ州のウィーバー大学で、ビジネス、コミュニケーションとスペイン語を専攻しました。最初の 3 ヶ月は ESL 学科といって、外国人のみのクラスで学び、短大で 2 年間秘書科で学んだ後、 4 大へ編入いたしました。 大学は学生 18,000 人に対して、日本人は 15 人。完全な異邦人でしたので、最初の 3 ヶ月は本当に大変でした。まず、「お勉強英語」が一切通じない。聞くのもだめでしたが、話も全然通じませんでした。周りとのコミュニケーションも上手くいかず … 。 実は、私、留学するまではかなり大人しくて、引っ込み思案だったのです。今ではそんな事はありませんが (笑) 。両親が共に教師なものですから、ひたすら良い子で過ごしてきましたので、強く自己主張をする方法を身に付けていなかったのです。「インターナショナル・スチューデント・セネター」という大学の学生が運営する自治会で留学生代表として参加していたのですが、そこでも最初は、相手の意見を聞く側に回っていました。 その頃、ルームメイトからもらった「もっと主張しなさい」というアドバイスと、個人的な英語レッスンが私を大きく変えました。そこから、どんどん主張するようになり、そうすると周りの人とのコミュニケーションも円滑になり始め、それにつれ、英語も上達する・・・・、あとは、Good Cycleです。そのルームメイトには、本当に感謝しています。 |
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日・米カルチャーギャップ 言語体系の違いが生む、コミュニケーション方法の差 「独立心 vs 和」 |
| ―ダイジョブ「多くの留学生が、留学先で職を得られず、やむなく帰国、その後も就職先を探すのに苦労するのに対し、虎林さんは留学先でそのまま JAL に現地採用され、その後帰国して、 JAL の関連事業に従事しておられます。現地採用はどうやって獲得されたのですか ? 」 |
| 在学中に、日本人教授から、 JAL の海外研修プログラムを紹介していただき応募したのが、 JAL 入社のきっかけです。応募者が多く、英語での面接を 4 回も経ての採用でした。海外研修の語学プログラムの企画・立案や運営を行いました。その後、海外勤務経験豊かな上司に誘われる形で帰国。 JAL コーディネーションサービス株式会社のジ・インスティチュート事業部が運営する海外赴任者向けの語学・ビジネススクールに配属され、四谷校の責任者、目黒校の営業企画部の法人向け営業を歴任しました。研修プログラム企画等の業務のほか、 CS (顧客満足) 改善の担当をし、顧客や外国人講師とのコミュニケーションの充実にも力を入れました。皆さんに満足をしていただけることが大事ですから。 |
| ―ダイジョブ「外国で暮らした方の多くは、帰国と同時に、海外と日本のギャップに戸惑うようです。虎林さんは、帰国されていかがでした ? 」 | |
| まず、コミュニケーションの方法論が違いましたね。それは、言語体系からもたらされることも多いと思うのですが、こんな違いを感じました。 | |
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アメリカ:「結論+プロセス」という言語なので、話し方もストレートになります。 日 本:プロセスの説明から入る、「プロセス重視」の言語体系です。 アメリカでは、「自己責任」の度合いが大変高いです。自分で調査・計画から意思決定まで全て行うことを求められます。待っていても、情報はやってきません。常に自分の方から情報を探す必要があります。アメリカではその考え方で過ごしてきたので、帰国当時は、周りへの説明を重視する日本の組織内では、少し “きつい” と思われたかもしれません。 ただ、アメリカ式の「自己責任」流は、何でも自分でやりすぎる、という弊害面があるのも事実です。チームワークによって組織内の情報の “擦り合わせ” を重視する点は、日本的なやり方の優れた点だとも思います。これは、アメリカ型の文化になれた人にとっては、大の苦手の部分です。 | ![]() |
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“強み”の本質 外資の面接でも主張、コミュニケーション力を基礎にした業務経験 |
| ―ダイジョブ「それから、ビジネスパーソンに MBA プログラム学習を提供するグロービスの大阪校の立ち上げに参加され、営業としても Top の成績を上げられたとか。」 |
| そうですね。大阪校では立ち上げ後、個人向け営業も行いましたが、 4 年間で 700 人まで受講生を増やすことに成功しました。その後、東京校 (本社) でも一月で個人顧客 (受講生) を 23 人獲得するなど、成績は残せたと思います。 |
| ―ダイジョブ「グロービスは、実は私も受講していたことがあるのですが、法人の研修派遣ならともかく、個人の方にとっては決して少ない負担ではありませんよね。それを一月で 23 人ですか。個人の方へのコンサルティング・セールスがお得意、という点が、今のお仕事につながりそうですね。」 |
| 大学時代に「コミュニケーション・クラス」を専攻していまして、そこで「聴く」事を学びました。「聞く」のではなく、相手の方の話に心と耳を傾ける「傾聴」を重視するのです。 |
| ―ダイジョブ「いわゆる、カウンセリングの考え方ですね。その基本の気持ちがあるからこそ、相手の方も納得する。営業でトップ成績を収める女性の方が少なくないのも、女性はこの「共感」の感性に優れているからかもしれませんね。 ところで、次は、 GM Japan と外資の一流企業に移られました。この時のお話を伺えますか ? 」 |
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| 応募のきっかけは、グロービスの講師の方から、募集の情報を教えていただいたからです。自分に自信がついたので他で試したい、というのが動機です。英語力と今までの業務経験がどれだけ評価されるかに興味がありました。 | |
| ―ダイジョブ「外国人の方との英語面接も受けられたのですか ? 」 | |
| はい。日本人上司の他、アメリカ人のディレクターとの面接もありましたが、後者は勿論英語でした。ここで、皆さんにお伝えしたいのは、面接で必要なのは、「話すスキル (英語力) ではなく、 “伝えたい” という思い」だという事です。流暢に上手く話すことが大事なのではありません。 私の場合、英語力は大きなプラス要因ではありましたが、それよりも採用の決め手になったのは、 JAL やグロービスを通じて実践してきた、お客様のニーズや要望を把握しCS(顧客満足)を上げる「コミュニケーション力」を主張したからです。 | |
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今後の展開 一流外資→個人事業主→海外進出の夢 |
| ―ダイジョブ「 GM Japan では、サターン事業部のエグゼクティブ・アシスタント→マーケティング本部→営業本部と社内異動をしていらっしゃいます。それぞれ、いかがでした ? 」 | |
| 車メーカーですので、どの部署にいた時も販売会社さんとのコミュニケーションは最重要でした。幸いにもアメリカ人のディレクターは日本文化の研究家でしたので、日本的な営業方法にも喜んで付き合っていただけましたし、私はこの点は、大阪の営業時代に培ったスキルで (笑) 、何の問題もありませんでした。中年・壮年の男性とお話するのは好きなんですよ。経験のある方は、情報を多くお持ちです。お客様との会話の中でお聞きした情報は、必ず役に立ちます。。 | |
―ダイジョブ「なるほど。カウンセリング・セールスの基本は、「カウンセリング力」の他に、「情報収集力」も重要なのですね。この点は、アメリカ時代の自己責任スタイルで身につけられたのでしょうね。ところで、「情報収集」のノウハウとは何でしょうか ? 」 |
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第一に、多様な方との接点を新たに作る事です。多くの方とお会いするうちに、情報が集まってくるようになります。 次に、自分の所属する既存のネットワークを活用することです。私の場合は、高校時代の同窓会ですね。優秀な諸先輩が多いので、東京での同窓会のお手伝いをしたり、できるかぎり出席するようにしています。 | |
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―ダイジョブ「現在の美・理容機器のお仕事をされるのに、そういった、ネットワーク開拓力、メンテナンス力は充分活用できると思うのですが、会社に属さずに、個人で契約されることを選択したのは、どういった理由でしょうか ? 」
自分を見つめ直したのがきっかけです。 GM Japan に大規模な組織変更があり、組織の中で働くことに違和感を感じていた私は「本当にやりたい事は何か ? 」「私自身の能力を活かせる働き方は何か ? 」と考えました。自分のキャリアと能力の棚卸をした訳です。その時に出てきた答えが「お客様との直接のコミュニケーションをしたい」という事でした。それで GM Japan を退職し、これを実現する道を求めることにしました。 | |
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―ダイジョブ「ご自分の能力が最大限発揮できる個人契約という働き方を選ばれたのですね ? 」 それには、タイミングの良い出会いもありました。「モイスティーヌ」を知り、自分の美容への興味から商品に魅せられ、また、活き活きと働く他のインディペンデント・コントラクターの女性に触発されたのが、今の働き方を選んだ理由ですね。それまでも、漠然と個人事業主も向いているとは思っていました。「人との出会い」を作るためには、組織に所属している必要はありませんものね。 | |
| ―ダイジョブ「これからは、虎林さんのように、働く形態について多様な選択をする人も増えてくるのでしょうね。ところで、今後の展望をお聞かせくださいますか ? 」
5 ~ 7 年後には、「モイスティーヌ」を海外へ紹介したいという希望があります。健康的で魅力的な素肌に自信を持てる人を世界中に増やしたいです。日本でも女性だけでなく、男性もアンチエイジングに対する意識が高くなってきていますね (笑) 。それまでは、準備をしつつ日本の市場を中心に情報収集をします。この所、英語を活用する度合いは低くなっていますが、海外へ出るときには、英語力が再び後押ししてくれると思いますので、今でも、英字新聞を読んだり、能力を維持する努力は怠っていません。 |
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| 帰国子女・女性のキャリア リラックスして、出会いを楽しむ |
―ダイジョブ「最後に、ダイジョブの読者に向けて、何かアドバイスをいただけたら、と思います。」 |
| 社内で浮くなど、いわゆる「帰国子女」の問題に関しては、コミュニケーション・スタイルの違いへの理解不足や女性の役割のギャップなど、日本の受け入れ体制が整っていないせいもあります。でも同時に、帰国子女の方も自分の方からの提案が足りない部分はあると思いますよ。自分に不利な状況があっても、プラス部分に焦点を当てて、マイナスに当てなければよいのではないでしょうか? 出来ない事などマイナスな部分は、話し合いで解決ラインを見出す。こういった提案力を身につけたらよいと思います。 「女性のキャリア」については、女性の人生の節目は、個々人で様々な段階で迎えますので、一つに集約させにくいですね。個々人で別々のゴールがあって当然です。大切なのは、楽しく仕事をする事だと思います。特に組織に入っている女性は、頑張りすぎな部分がありますので、リラックスして、人との出会いを楽しみませんか ? “一人で事業主” の選択肢だってあるのですから。 |
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