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タカシの外資系物語

Estoy Cansado ! タカシのヨーロッパ紀行(その3)2017.03.14

タカシ、ドキドキのトランジット、その理由とは?!


(前回の続き)転職後、海外出張が続いているタカシ。今回の出張では、最初の訪問地が自身にとっては初体験のスペインでした・・・

 

ま、スペインが初体験っつうか、ヨーロッパ大陸が初めてなんですけどね・・・。最近、イベリア航空というのが日本に参入していて、週に何便かは東京-マドリッドへの直通便が飛んでいるのですが、あいにくその日は該当便がなし。仕方ないので、ヒースロー経由でマドリッドに入りました。

 

遠いし!果てしなく遠い!!思わず、リマールの「ネバー・エンディング・ストーリー」のテーマが流れてきそうなぐらい遠い!!!(古いし!)ヒースローまで12時間、そこで2時間のトランジット待ち、ヒースローからマドリッドまでさらに3時間・・・ほぼ1日飛んどるわけで、そりゃ遠いですわな・・・(T-T)さぞかし疲れて、フラフラなんじゃないか・・・と思うでしょ?いやいや、実はそうでもない。それどころか、目がさえて、ドキドキして大変だったんです!!

 

なぜ、目がさえて、ドキドキだったのか?初めてのスペインだから?!違う、そもそも、旅行は嫌いだと言うとる!!では、なぜか?!それは、機内でとんでもない映画を観てしまったからなんです!!

 

前回のコラムで、機内のエンターテインメント・システムが不調で、何時間か映画が観られなかった話をしたと思います。搭乗後、機内食食べて、ワイン飲んで数時間は寝ますわな・・・。アジアとかだと、これで目的地に着いちゃうんですが、ヨーロッパの場合、そうもいかない。で、映画を1本観たんです、これがとんでもない映画だった・・・。

 

当初は、『ラ・ラ・ランド』を観ようと思ったんです。でも、日本語字幕のバージョンがなかったんでやめました。ま、ミュージカル映画なんで、筋もへったくれもないんでしょうが、一応、評判の映画だったんで、ちゃんと観たいな、と思った次第。で、次の候補が、『闇金ウシジマくん』・・・。スペインまで来て、観る映画か、っちゅう感じなんですが、面白いんですよ、この映画!しかし、よくよく考えると、国内の出張で、ビジネスホテルでも観られそうな気もするんで、却下!『君の名は。』もあったんですが、つい先日、観ちゃったんですよね、残念!ということで、結局観たのが、『Morgan(モーガン)』という日本未公開の映画。これが、とんでもない映画だった・・・、いい意味で!とんでもなかったんです!!

クイズのチャンピオンになった人工知能は、どこがすごいのか?!


この『Morgan(モーガン)』という映画、日本では未公開なんで一般にはそれほど知られていないのですが、“マニア” の間では、結構な話題作なんです。では、どんな “マニア” なのか?それは、

 

人工知能 -AI-

 

なんですね、これが!で、一体何が話題になったかというと、あの、IBMワトソンが、映画の予告編を作った、ということで注目を浴びたのです!!みなさんもご存じの通り、IBMワトソンというのは、有名な人工知能-AI-ですよね。アメリカのクイズ番組でチャンピオンにもなったし。多分、現時点において、商用ベースでは、最も使われている人工知能だと思います。

 

ここで少し補足。「人工知能なんだから、クイズ番組で人間に勝つのは当たり前だろ?ネット使えば、何でも答えられるじゃん!」という方が、結構いらっしゃいます。それは、ちょっと違うのです。

 

クイズの問題を人間が聞いて、つまり 問われている内容を人間が解釈して、それをネットで検索して解答する・・・なら、わけはない。人工知能など使わずとも、人間とウィキペディアがあれば、事足ります。実際に、IBMワトソンがチャンピオンになった際にも、その解答の7割は、ウィキペディアに存在した内容とのことですから。

 

では、人工知能というのは、何がすごいのか?それは、

 

クイズの問題をコンピュータが聞いて、つまり問われている内容をコンピュータが解釈して、解答する

 

から、すごいのです。人間の話す言葉というのは、“自然言語” といいまして、コンピュータにとっては、無駄やあいまいさを無数に含んでいます。それを “マシン言語” に変換する部分が、超・難しいんですよね。“マシン言語” に変換した後、解答を探すプロセスは、ネット上にウィキペディアのような百科事典が存在しますので、実はそんなに大変ではないのです。

あなたは人工知能に騙される・・・!


さて、『Morgan(モーガン)』という映画の予告編を、人工知能が作った!というのは、どういうことなのか? これは、映画本編を観て、キャッチーな場面を切り貼りして、「こりゃ面白そう!観に行こう!!」と、人間に思わせる数分間のフィルムを作る、というプロセスです。予告編観て映画に行ったら、本編は全然違った・・・(T-T)なんてこと、よくありますよね。これは、宣伝戦略にまんまとやられた、っちゅうこと。つまり、予告編を作るということは、人間がどのような表現に興味を示し、ときには、人間を騙し・・・といった、非常に高度な心理的駆け引きが要求されるわけです。

 

で、人工知能が作った予告編は、どんな出来栄えになったのか?ま、それはみなさん自身で確認してください。ネットで観られますから。結構、すごいっすよ! 

 

そんな話題作の本編ですからね、そりゃ期待値も上がります。で、その中身は・・・いやーー、すごい!ちゅうか、ちょっと怖い・・・。いや、相当、怖い・・・!!やれ、人工知能だ、シンギュラリティだ、と、巷では色々と言われていますが、要は人工知能が感情を持って、人間に裏切られたと判断したら、こういうことになるんだ、という可能性を、まざまざと見せつけられます。もしかしたら、そのうち日本でも公開されるかもしれませんので、是非みなさんもご覧ください。すごいっすよ、この映画!!

 

で、興奮さめやらぬまま、スペインに上陸!なぜこんなに人工知能で引っ張ったかといいますと、実はこの出張、人工知能のビジネス活用を調査するのが主目的だったんですよね。人工知能のすごさ、それを、人工知能大国であるスペインで、思い知ることになるとは、この時点では予想だにしなかったのですが・・・。白熱の次回、乞うご期待!

(次回続く)

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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