グローバル転職NAVI
(前回の続き) “働き方改革” という言葉が話題になっています。最近の議論の中心は、もっぱら残業時間の削減!ではないでしょうか。
「・・・とは言うものの、早く帰れってたって、そうもいかないんだよなぁ・・・」
今回のコラムでは、多くのビジネスパーソンが残業をしてしまう理由をひも解いて、抜本的な解消策について検討してみたいと思います。
・・・ほとんどのビジネスパーソンは、そうしたいと思っている(はず)。でも、そうできずにいる。なぜでしょうか?
【想定される理由】
① 物理的に仕事が終わらないので、帰りたくても帰れないから
② 帰りたくても帰れない/帰りにくい雰囲気があるから
私は、上記2つの理由が大半だと思っていました。しかし!最近、ふとしたことから、上記2つ以外の理由が存在し、その理由こそが日本人を残業に駆り立てているのではないかという仮説を持つに至ったのです。以下では、私の仮説についてお話ししたいと思います。
先日、わが社の若手コンサルタントたちと、「残業しちゃう/せざるをえない理由」について、以下のような議論をしました。
タカシ 「みんな、平日は何時ごろ帰れてる?」
若手コンサルのみなさん 「11時ごろ・・・ですかね」「私は毎日終電です・・・」
タカシ 「ありゃりゃ・・・ なんで、そんなに遅くなるのかな? 仕事が多すぎるの?」
若手コンサルCさん 「それもありますけど・・・でも、最大の理由は、一緒に仕事をしているクライアントが帰らないからだと思います」
タカシ 「ふむ・・・じゃ、そのクライアントは、なんで帰らないのかな?」
Cさん 「その人の上司が帰らないからだと思います」
タカシ 「じゃ、その上司は、なんで帰らないのかな?」
Cさん 「それは・・・、帰りたくないからなのだと思います・・・」
タカシ 「えっ?!帰りたくないだって??!!」
Cさん 「ええ、そもそも、帰りたくないんだと思います。帰ってもやることないし、居場所もないし、肩身狭いし・・・、だったら、偉そうにできる会社にいた方が、居心地がいい。私の父親もそうだったから、管理職以上の人って、そういうの、結構多いと思います・・・」
ガーーーン!なんと、そんな理由だったとは・・・、ちょっとショック!!つまり、こういう構図なんですよね、多分・・・
もちろん、上記が理由の全てではないと思います。また、採用数の歪みに起因するものは、やがて是正される部分もあるでしょう。しかし、上級管理職の「家に帰りたくないから、会社に居座り続ける・・・」というのは、タチが悪い。抜本的な対策を打たないと、後世に禍根を残します。では、どうすればいいのか?
「家に帰りたくない・・・」思春期の高校生並みの、この悩み。尾崎豊か・・・しかしまぁ、なんとなく、理由がわからんでもない。会社ではふんぞり返っている部長さん、家では居場所がなく肩身が狭い、というのは情けない話ではありますが、悲哀も感じます。飲み歩く金もなし、というのが、なんとも泣けまする・・・(T-T)
では、どうすればいいのか?まず、家庭におけるお父さんの権威を高める、というのは必要でしょう。お父さんは偉いのです、それなりに・・・。
で、ここからは私見なのですが、定時に家に帰ることだけが正解ではない、と思うのです。重要なのは、定時に終えて会社を出るということ。月水金はそのまま家に帰る、火木は “別の場所” に行く。
「“別の場所” って、何やねん!飲みに行く金なんて、ないんだぞ!!」
いやいや、飲み歩く、時間をつぶす、という発想が、そもそも良くない。積極的に、会社以外の場所で時間を使うのです。
「えっ、“積極的に、会社以外の場所で時間を使う” って、何それ?!」
次回のコラムにて、詳しくお話しすることにいたしましょう。
(次回続く)
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1968年7月 奈良県生まれ。
大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。
みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。
書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ