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タカシの外資系物語

外資流!残業せずに、毎日6時に帰る方法 (その1)2017.01.24

“働き方改革” とは何か?!


先日、わが社の若手コンサルタントたちと議論する機会がありました。テーマはずばり “働き方改革” !今、最もホットな話題だと思います。

 

“働き方改革” という言葉・・・、実はこれが結構曖昧でして、人によって捉え方が相当違う。代表的な切り口を以下に挙げてみましょう。

 

  • ● 場所の話  ・・・ 会社ではなく、自宅で仕事をする。シェアプレイスや喫茶店などで、仕事をする。ノマドワーカー等々情報セキュリティの問題をどうするか
  • ● 効率性の話 ・・・ ITの積極活用、クラウド環境でチーム作業を効率化する等々
  • ● 残業しない ・・・ ワークライフバランス系の話
  • ● 機会均等/活躍推進 ・・・ 女性やチャレンジド(障害をお持ちの方)、GLBTなどが気持ちよく働いてもらえる環境・ルール・評価体系の構築

 

安倍首相が推進するアベノミクスにおいても、働き方改革は、目玉施策のひとつとなっています。これまでは、「機会均等・活躍推進」とりわけ「女性活躍推進」が大きくクローズアップされてきました。女性活躍推進法という法律が制定され、企業の取り組み状況が評点方式で公開されるとことになっているのに加え、安倍首相自らが「2020年までに、指導的地位にいる人の3割を、女性にします!」と明言。これは、“202030宣言” として、企業における女性活躍推進策の進捗状況を確認する上での基準として、広く認知されるようになりました。

 

何らかの目標が、具体的な数値として定量化されるのは、いい傾向だと思います。経営品質に関する研究の大家、デミング博士も「数値化できないものは、管理できない」という名言を残されておる(当たり前なんですが・・・)。とかく、目標を曖昧にして、達成したかどうかもわからんうちにシャンシャンでなかったことにしてしまうのは、日本人の悪い癖。そういう意味でも、女性活躍推進にかかる目標を数値化している点においては、私はアベノミクスを評価しています。

 

さて、となると次は「残業しない」が、大きな課題として残ることになりました・・・(「場所」「効率性」の話も重要なのですが、これらは手段ですので、ここでは劣後してお話しすることにします)。

逃げるは恥だが・・・?!


「残業しない」の話、これはすごく重い話なのです。なぜ重いのか?それは、過度な残業(≒ブラック) → 肉体的疲労 → 精神的疲労 → 取り返しのつかない事態に!

という、負の連鎖が起こる可能性が高い課題だからです。

 

長時間、一生懸命働くというのは、古来より日本人の美徳として認識されてきました。童話「アリとキリギリス」でいえば、アリの世界。周りの人が遊んでいる間も、汗水たらして一生懸命働く・・・、資源に恵まれない日本においては、勤勉な国民性だけが唯一の競争力の源泉だといっても過言ではないでしょう。だから、私はこのこと自体については、否定する立場をとりません。

 

では、何がよろしくないのか? “過度に” 長時間、一生懸命働くから、良くないのです。「人はパンのみにて生くるにあらず」の聖句どおり、働く理由はいろいろとあるでしょう。しかし、労働の本質は、生きるための糧を得ることです。健康で長生きするために働いているにもかかわらず、体を壊すほど “過度に” 働いたり、挙句の果てに、精神を病んでしまうようなことになったりしては、本末転倒もいいところです。

 

最近、ある有名企業で、残念な事件があったことは、みなさんもご存じだと思います。会社が組織として、過度な労働を強いていたかどうかは大きな論点ですし、是非ともしっかりと調査し、必要に応じて改善してほしい。しかし一方で、日本の組織には、大なり小なり、「長時間労働は美徳なり!」という考え方が存在します。これを、短期間で完全撲滅するのは、私は非常に困難であると考えています。

 

まずは、自衛すること。これ、ちょっとヤバいな、おかしいな、このままじゃ私壊れてしまうな、と思ったら、迷わず逃げてください。どんなにカッコ悪くても、死ぬよりマシです。逃げるは恥だが、本当に役に立つと思います。 次に、とはいえ、メンタルやられ気味の人は、逃げることすらできません(私も、「うつ」で休職した経験があるからわかります)。そんな場合は、周りの人が異変に気付いて、助けるしかない。おせっかいだろうが、何だろうが、助ける。デスクの隣にいる人が死んだら、イヤでしょう? だったら、代わりに声を上げてあげる。今話題になっている企業は、それができなかった企業だということ。あれだけ優秀な人材を輩出しているのに、それができなかったことが、私は本当に残念でなりません。そして、私の勤める会社やみなさんの会社も、潜在的に、それができない可能性が高いということを、肝に銘じておきたいと思います。

若手コンサルタントに聞く “帰れない” 理由とは?!


話を冒頭に戻しましょう。先日、わが社の若手コンサルタントたちと、“働き方改革” をテーマに議論しました。主な論点は、「残業しないためには、どうすればいいのか?」以下が、そのやりとりとなります。

 

タカシ 「みんな、平日は何時ごろ帰れてる?」

若手コンサルAさん 「11時ごろ・・・ ですかね」

若手コンサルBさん 「私は毎日終電です・・・」

タカシ 「ありゃりゃ・・・ なんで、そんなに遅くなるのかな? 仕事が多すぎるの?」

若手コンサルCさん 「それもありますけど・・・でも、最大の理由は、一緒に仕事をしているクライアントが帰らないからだと思います」

(一同、大いにうなずく)

タカシ 「ふむ・・・じゃ、そのクライアントは、なんで帰らないのかな?」

Cさん 「その人の上司が帰らないからだと思います」

タカシ 「じゃ、その上司は、なんで帰らないのかな?」

Cさん 「それは、○○○だから・・・」

 

さて、みなさん宿題です! ○○○には、どんな文章が入るでしょうか?そして、この○○○を解決することが、日本の社会から残業を撲滅する有力策になるということについて、次回お話しするとにいたします。

(次回続く)

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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