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タカシの外資系物語

ギブ・アンド・テイク(give & take)に見る成功法則とは?!(その1)2016.08.09

“ギブ・アンド・テイク” を分析してみよう!

 

ギブ・アンド・テイク(give & take)という言葉があります。これは、何かを与えたら何かをもらう、逆に、何かをもらったら何かを与える、という関係を意味します。仕事でもプライベートでも、人間関係を円滑にする上では、常識としてわきまえておくべき考え方です。

 

では、ここで質問です!

 

①   ギブ(give)とテイク(take)では、どちらを先にすべきでしょうか?

②   ギブ(give)とテイク(take)では、どちらが “多く” あるべきでしょうか? 

 

これらの問いに 正解 はないと思うのですが、

 

「①   まずは、“与えなさい” = ギブ(give)が先」

「②  (状況次第ですが)見返りを期待せずに、常に多くを与えるように心がける」 

 

というのが、しっくりくる考え方ではないでしょうか。これとは逆の行動、つまり「① では、自ら与えずに欲してばかり・・・」「② 常に多くの見返りを望む・・・」という人とは付き合いたくないわけで、そもそもこういう行動を取っていては、人間関係を円滑にするという目的に合致していません。

 

一方で、この ギブ・アンド・テイク、個々人の性格はもちろんのこと、お国柄で結構な違いが出る考え方でして、外資系企業で働く上では、その差異を理解しておかないと面喰うことがあります。

 

今回のコラムでは、“ギブ・アンド・テイク” という考え方を例にとり、いかにして異なる発想に対峙し、成果を上げていくか、についてお話ししたいと思います。

 

英語を象徴する基本Wordとしての give/take/get

 

英語ネイティブの外国人と話をしていると、ギブ(give)と テイク(take)という言葉を頻繁に耳にします。それは、両者とも、補語に名詞や形容詞をくっつけることで、様々な意味を表現することができるからではないでしょうか。

 

-     I give apologies ・・・ と言えば、「ごめんなさい」

-     I take part in ・・・ と言えば、「参加する」

となります。また英語には、“無生物主語” という表現法があり、そこでも、ギブ(give)とテイク(take)はよく使われます。

 

-     This book gives useful tips  ・・・ 「この本はためになるヒントが満載だ」

-     It takes time ・・・ 「時間がかかるなぁ・・・」ちなみに、リンゴ・スターのアルバムに “Time takes time” というのがありますね。私の好きなアルバムの1つです

 

おそらく、ギブ(give)とテイク(take)というのは、英語で使われる動詞の上位5位ぐらいには入っていて、英語という言語の根本概念を形成している重要な Word なのでしょう。

 

余談になりますが、私が学生だった頃、英会話の大家である 松本道弘先生が『Give & Get 辞典』をいう本を出されて、擦り切れるまで読み込んだ思い出があります。この本は、ギブ(give)とゲット(get) の2単語で、動詞のほとんどは表現できる!という野心的な理念のもと書かれた本で、非常に興味深い内容でした。

ひとつ難を言えば、掲載されているイディオムがあまりにもマニアックなため、覚えて使おうとしても、日本人には当然のことながら、ネイティブにも通じない表現が散見されたところです。いずれにしても、give / take / get ・・・ というのが基本単語であることに、異論はないでしょう。

 

ギブ・アンド・テイク 3分類 あなたはどのタイプ?!

 

話を戻しましょう。“ギブ・アンド・テイク” について、その考え方に、国別の差異がありそうだ・・・ という点について。私の印象では、以下のようにまとめられると思います。

 

【ギブ・アンド・テイクについての 国別基本スタンス】

①    ギブ 重視 ・・・ 日本ほか、アジア諸国(中国以外)、インド。常にギブ先行で、見返りである テイク を過度に期待しない。仮に、テイクがなくても文句を言わない。ギブしたのにテイクがなかった経験を後に引きずらない

②    テイク 重視 ・・・ アメリカ、中国。見返りであるテイクの量・内容 を確認の上、それに見合うと判断できなければ、ギブはしない。ギブしたのにテイクがない、などという状況はありえない。

③    ギブ/テイク バランス型 ・・・ ヨーロッパ。基本的には、ギブしたことについては、テイクを求める。自分が与えたギブに見合わないテイクの場合は、クレームする

※「ステレオタイプだ!」と言わないように。あくまでも私の経験則であり、かつ、私は②のアメリカ/中国型を、最も評価しています(詳細は後述します)

 

同様の分析は、実は数名の識者が行っていて、最も有名なものは、『GIVE & TAKE 『与える人』こそ成功する時代』という著作もある ペンシルバニア大学ウォートン校の組織心理学者アダム・グラント氏でしょう。氏は、ビジネスパーソンの行動特性を3種類に分けていて、人に惜しみなく与える人を ギバー、自分の利益を優先させる人をテイカー、この中間でバランスを考える人をマッチャーと分けています。これは、私の上記分類ともほぼ一致します。

 

さて、みなさんご自身は、どの分類に当てはまりますか?そして、ビジネスで成功する可能性が高い人は、どの分類の人だと思いますか?

 

次回のコラムでは、グラント氏の理論に私の経験則も加えて、その結果をお伝えしたいと思います。これが結構面白い! 次回をご期待ください。

(次回続く)

 

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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