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タカシの外資系物語

タカシの “転職はツラいよ!” (その3)2016.04.26

Global interview はツライよ!

 

(前回の続き)A社日本法人 および アジア・パシフィック首脳との面接をクリアし、offer letter を待っていたタカシ。年末年始の “長期vacation” でプロセスが中断し、はやる気持ちを抑えきれないでいたところ、新年の1月7日になってやっと、私の携帯に A社 グローバル・リクルーティング担当 E氏(Ms.)から連絡があったのです。

 

E氏(Ms.) 「Hi, Takashi-san ! This is E, A company. Fine ?」

私 「Hi, happy new year ! How about ・・・ is it progressing ?(あけまして、おめでとう! ところで・・・ 進捗はあったかい?)」

E氏 「Yes・・・, I had a good holiday, in my hometown・・・ and you ? (ホント・・・、いいお休みだったわ・・・ 実家で過ごしたの・・・)」

 

(おいおい、話が全くかみ合ってないし! わしゃ早々に、作業の進捗状況を聞いとるのに、まだ世間話で引っ張るとは・・・、さては おぬし・・・、何か隠しとるな?!)

 

私 「Me too ・・・ Anyway, you have ANY PROGRESS ? (私もいい正月だった・・・、ところで、“進捗”は?」

E氏 「・・・・・・」

 

(黙るなーーーーーーっ!)

 

~ここからは、日本語でお伝えします~

 

E氏 「年始早々に、offer letter を出すはずだったんだけど・・・」

私 「む?」

E氏 「実は・・・ これまた、年始早々に、グローバル全体で採用のルールが大きく変わってしまって・・・」

私 「むむ?」

E氏 「いきなり、ルールが変わってしまったのよーーーっ!(T-T) 私にはどうすることもできなかったのーーーっ!! オーーイ、オイ (T-T)(T-T)」

 

(泣くなーーーーーーーーーーーーっ!)

 

面接という名の never ending story

 

私 「Eさん、ここは、落ち着いて話しましょうよ、ね? まさか、採用が・・・取り消しになっちゃったの?」

E氏 「そうではないんだけど・・・、面接がもう1回増えたのよ・・・」

私 「へ? アジア・パシフィック統括の F氏 で終わりじゃないの?」

E氏 「新年度からルールが変わって、パートナー採用は、各部門のグローバル・リーダーが最終面接をすることになったの・・・。 つまり、金融部門のグローバル統括 H氏 との面談が必要になったのよ!」

私 「H氏・・・って、おたくの No.2 の?」

E氏 「Yes ! (キッパリ!)」

私 「ウソーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん (T-T)」

 

パートナー(役員レベル)採用とはいえ、A社 No.2 の H氏 まで駆り出すというのは、ちょっとやりすぎではないのか?・・・ と、正直思いました。 心情的には、「やっぱりなぁ・・・だから、ルールが変わる前、昨年末に処理を進めておけば、こんな面倒なことにならなかったのにぃ・・・(T-T)」と、後悔しきり。が、この期に及んで四の五の言っていても仕方なし。ここは腹をくくって、やるしかないっしょ、ファッハッハッ!(と、思いっきりカラ元気をふかす タカシ・・・)

 

ま、こういうハプニングに直面しても、それを楽しんでこその 外資系 なのです。グローバルNo.2と、サシで話ができるなんざ、そうそうありませんからね。実際、前の会社では、グローバルTOP10はおろか、日本法人の社長とも、満足に話したことがありません。これもいい経験です。せっかくの機会ですから、A社のグローバル戦略を“生”で聞いて、ついでに、自分のアピールも目いっぱいしてみよう!と、前向きに考えることにしました。

 

私 「で、H氏とは、いつ面談できるのかな?」

E氏 「それが・・・H氏はダボス会議に出席するため、来週一週間は、全く時間が取れないらしくて・・・」

 

ダボス会議、って・・・そんな要人と面談せにゃならんのかーーーっ! トホホ・・・(T-T)(T-T)(T-T)

 

面接は、究極の “英会話教室” ?!

 

さて、H氏との面接はどうなったのか? ま、これだけたくさんの外国人と英語で面談すれば、いくら英語が苦手な私でも、それなりに慣れてきます。自分で言うのもなんですが、かつて、これほどまでに真剣に英語を聴き取って、話したことは、あまり記憶にない。今回の面接を通じて、英語がちょっとだけデキるようになったような気もします。

今回実感したのですが、どこかの英会話教材のコピーのように、ただ漫然と、英語を聞き流していても、まずもって英語力は伸びません。逆に、ごく短時間で構わないので、集中してやる方が1000倍いい! ビジネス・パーソンの英語学習というのは、そうあるべきなんでしょうね。

 

H氏との最終面談について、その内容については差し控えます。ただ、ダボスが寒かったようで、何度もくしゃみ をしていた H氏 がかわいそうで・・・、早く休んでください! って感じでした(ダボス というのは、スイスのリゾート地で、めっちゃ寒いそうです・・・ ブルルッ!)。

 

今回の面談を通じて、今になって思い返すと、赤面もの のやりとりについて、いくつか紹介しておきますね。

 

(赤面もの ① )

話の前提 ・・・ 以下の会話の直前まで、金融機関のIT予算の話をしていました。金額としては、百億円単位(!)です。

 

A社外国人役員 「C銀行の IT Budget は?」

私 「About 300 million dollars ・・・」

A社外国人役員 「Huge!(すごいな!) OK, next question・・・ how many people did you manage under control ? (じゃ、次の質問。これまで、何人程度のプロジェクトチームを管理したことがありますか?)」

私 「About・・・ 200 million ・・・」

A社外国人役員 「REALLlllllyyyy?!!!」

 

・・・って、200人だよ、間違えたの! 200 millionだとしたら、“2億人” だし!! わしゃ、大国の大統領か!!!

 

 

(赤面もの ② )

話の前提 ・・・ H氏との面談を無事に終え、すっかり世間話モードだったので、気を抜いていた。H氏は、今のX社を退職してA社に入社するまでに、どの程度の期間が必要か? と聞いていた・・・

 

H氏 「・・・anyway, how long ・・・ you ・・・ X company ・・・ ?」

私 「(ふぅ・・・、え? しまった! 気を抜いて、聞き逃してしまった・・・。How long と X company なんだから、おそらく X company に何年勤めたのか聞いてるんだろう・・・) About・・・ 12 years ・・・」

H氏 「12 yearrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrs !!!!!」 (アゴがはずれた感じ)

 

・・・って、これも、間違えたの! わかるだろ・・・退職するのに12年もかかる会社って、なんやねん、それ??!! 心配しなくても、4月には入りますよ!!!

 

 

ま、今となっては、笑い話ということで・・・。教訓としては、「英語の数字表現は難しい」「何事も最後まで気を抜くな」です!

 

次回は、(2) off limit と (3) reference check についてお話しましょう。みなさんもきっと、外資の本当の恐ろしさを知ることになるでしょう、アーメン・・・(T-T)

(次回続く)

  

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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