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タカシの外資系物語

タカシの “転職はツラいよ!” (その2)2016.04.19

Global interview はツライよ!

 

(前回の続き)同業の外資系コンサルティング会社A社へ転職したタカシ。12年前の転職時に比べ、面接相手のレベル=職位が格段に上がったこと(つまり、えらいさん相手に面接したということ)もあり、めっちゃ疲れました、トホホ・・・(T-T) 今回のコラムでは、その具体的な内容について、可能な限りお話ししたいと思います。

 

いやぁ、今回の転職・・・ホントに疲れました。一体、何に疲れたのか? 以下に キーワードを列挙します。

 

【タカシが疲れた理由がわかる キーワード】

(1)  Global interviews

(2)  Off limit

(3)  Reference check

 

 

(1)  Global interviews

今回の転職に際し、実施した interview(採用面接)は、以下の通りです。

 

●  A社 リクルーティング担当 Richard氏 (イギリス人。昨年末に、「A社との契約が切れた!」と言って、イギリスに帰った人。なんやねん・・・(T-T)) ・・・ 3回 すべて電話会議

●  A社 パートナー(コンサル会社における役員に相当) B氏(日本人) ・・・ 1回 対面での面接

●  A社 シニア・パートナー C氏(日本人) ・・・ 2回 いずれも、対面での面接

●  A社 副社長 D氏(日本人) ・・・ 1回 対面での面接

(この段階で、A社日本法人として、私を A社グローバルの えらいさん に推薦することが決まったと思われる)

●  A社 グローバル・リクルーティング担当 E氏(Ms.) (ホンコンにいる) ・・・ 10回以上 すべて電話会議

●  A社 アジア・パシフィック統括 F氏 ・・・ 1回 TV電話

●  A社 アジア・パシフィック統括補佐 G氏 ・・・ 1回 TV電話

(F氏 → G氏 の部分、相手のランクが下がっていることにお気づきかと思います。後から聞いたのですが、この段階で、私の評価が関係者間で割れたため、複数のエグゼクティブでチェックしようということになり、結果として、面談回数が増えたようです・・・)

 

転職活動が中断した理由とは?!

 

産みの苦しみを味わいながら、なんとかかんとか・・・、アジア・パシフィックの えらいさん面談 をパスし、本来なら、ここで完了! あとは、A社からの正式な offer letter(雇用契約書)が出るはずでした。しかし、時期が悪かったぁ・・・(T-T) F氏・G氏との面談を終えた時点で、時は師走の20日! そう、クリスマス目前だったんですね、これが・・・アイタタタ! 以前にもお話ししたかもしれませんが、年末年始の外資系企業というのは、

 

・   クリスマス = 欧米拠点(本社含む) および 日本にいる外国人マネジメントが休む

・   年末・年始 = 大晦日・正月、日本が休み

 

となって、12/24 – 1/3 は実質的にお休みになってしまうのです(12/24 – 12/30 は、日本人は働いていますけどね・・・)

私が外資の世界に飛び込んだ20年ぐらい前は、日本の お正月 を認めていない外国人マネジメントも多く、1/2から全開で仕事を始めることも多かったのですが、昨今は “ダイバーシティ” の名のもとに、現地ローカルの多様性を認めよう! なんて言って、お正月も休む外国人マネジメントが大半になってきました。何のことはない、要は、12/24 – 1/3 という “超ロング・バケーション” を楽しんどるわけですな。 実際、日本に赴任している外資の外国人マネジメントは、クリスマス・シーズンの前に、欧米に戻ってしまう人が大半だと思います。

 

個人的には、offer letter のドラフトだけでもいいので、早めに欲しかった・・・。もちろん、一番気にるのは compensation=給料 の部分なんですが、それ以外にも、確認したい部分があったのです。

例えば、前職企業との契約上の問題から、仕事のやり方に制限が出ないのか? (これは、(2) off limit のところで、詳しくお話しします) また、万が一、A社から出された offer letter に私がサインした後、A社に入社するまでの間に、リーマンショック第二弾 みたいなのが起こって、A社が倒産したらどうなるのか? 杞憂だと言われればそれまでですが、倒産しないまでも、A社が日本から撤退するリスクは十分にありえますからね・・・

 

40歳以上の転職に必須のものとは?!

 

私の方も、前回、12年前の転職のときに比べると、異常に神経質になっていました。なぜか? 私自身のランクがそれなりに上がっていたのに伴い、様々な制限が契約書上に盛り込む必要が出たこと、また、長年の経験を通じ、外資の世界を理解し尽した結果、何事にも過敏になった、つまり、最悪の事態を考えるようになったこと、というのもあるでしょう。

 

しかし、最も大きな理由は、「家族を抱えている」という 責任感 だったように思います。前回の転職時も、結婚はしていました。しかし、子供はいなかった。当時は、妻もコンサルとして現役バリバリでしたし、万が一のことがあっても、何とかなるわい!といった optimisticな考えが主流を占めたいたように思います。しかし、子供を抱えている今となっては、pessimistic とは言わないまでも、保守的、慎重にならざるをえない状況に置かれているわけです。

 

親が大富豪でもない限り、好き勝手に、野放図に、自分のやりたいことだけをやって生きていくわけにはいきません。桂春団治 や 寅さんってわけにはいかんのですよね、当たり前ですが・・・。

私にとって世界一大事なものは妻と子供、つまり家族です。将来における家族の生活が脅かされるリスクはないか? 特に、40歳を超えてからの転職は、熟考に熟考を重ねる必要があると思います。

 

あと、リスクが mitigate できるという結論が出て、いざ転職!となったとしても、家族の理解と協力は必須です。今回の転職活動、私はその進捗過程において、そのすべてを妻に話し、アドバイスをもらっていました。妻は英語が達者なので、そういう面でのサポートはもちろんのこと、面接が長期化して、ややもすると、心が折れそうになった私を心身ともに支えてくれました。妻は私にとって、名伯楽。本当に、ありがとう!心から感謝しています!!

                                                                                                    

年が明けて、もはや松の内とはいえなくなった 1/7のこと、私の携帯にA社 グローバル・リクルーティング担当 E氏(Ms.)が、切迫した様子で電話をかけてきました。

 

私 「Hi, how are you doing ? What’s up ? Yes, ・・・Yes, ・・・Wait a minute ! Wait, wait, I cannot understand ・・・ ウソーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん (T-T)」

 

E氏(Ms.)が私に告げた、衝撃の事実とは?! 急展開の次回、乞うご期待!!

(次回に続く)

 

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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