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タカシの外資系物語

“歴史”から何を学ぶか?!(その1)2016.03.01

信長はスターウォーズを超えるか?!

 

いやぁ・・・、早いもので、今回の連載が 699回目! 次回は節目の 700回 ということで、今回から数回かけて、私が最近気付いた “知見” についてお話したいと思います。少々、雑感めいた、まとまりのない内容になるかもしれませんが、700回記念ということで、お許しいただければ幸いです。

 

まずは、趣味である 映画 の話から。実は今年の元旦、家族で映画を観に行きました。観たのは 『スターウォーズ』 なので、「普通やん・・・」て感じなんですが、“4DX” で観たんですよ! いやぁ、スゴかったのなんの。“4DX” というのは、場面に合わせてシートが振動したり、水が出たり、においがしたり・・・ という感じで、体験型映画 と定義されるものです。スターウォーズの場合、東京ディスにーランドにある、「スターツアーズ」 みたいなのが、全編続くと思っていただけるといいかと思います。いずれにしても、値段以上の体験ができるので、是非お試しください!

 

年始に 4DX の 『スターウォーズ』 という 衝撃体験 をしてしまったもので、その後、「これは!」 という作品に出会えてなかったのですが、先日、みなさんに紹介するに値する作品を見つけました。それは、『信長協奏曲(「ノブナガ・コンチェルト」と読む)』 です。

 

原作は人気マンガで、TVアニメやドラマとしても放映されていたので、ご存知の方も多いと思います。ストーリーは単純で、まとめると以下の通り(俳優さんの敬称略)。

 

─ 現在から戦国時代にタイムスリップした サブロー(小栗旬) が、自分そっくりの 織田信長(小栗旬の二役)と出会う

─ 織田家の嫡男として、その重荷に耐えかねていた信長は、サブローに対して、自分の身代わりになってほしいと懇願し、サブローが応諾。その後、信長は顔を隠し、明智光秀 として信長に仕える

─ 能天気な今風青年であるサブローは、その人望をフル活用し、天下捕りを進める。信長の家臣として、池田恒興(向井理)・羽柴秀吉(山田孝之)・柴田勝家(高嶋政宏)、妻の帰蝶(柴咲コウ)、徳川家康(濱田岳)。

─ 映画版では、信長末期のクライマックスといえる 石山合戦(信長と石山本願寺の一向宗僧兵との戦)から、ご存知 本能寺の変 までを描く

 

この映画の設定では、リアル信長は明智光秀であり、それを策士である羽柴秀吉が裏で操って、本能寺の謀反を起こすというストーリーになっています。日本史において、明智光秀はその出自を含め、非常に謎めいたところが多く、それをうまく使ったストーリー展開に、思わず唸ります。結構、史実にも合っていて、マニアでも面白い。また、俳優陣もいい! 小栗旬さん、会心の演技ではないでしょうか。秀吉役の山田孝之さんの演技も光ります(個人的には、『闇金ウシジマくん』の印象が強すぎて、ウシジマくんにしか見えないのですが・・・)。それにしても、向井理さんと柴咲コウさん、頭ちっちゃいし! みなさんも是非、劇場でご覧ください!!

 

『信長協奏曲』 がわれわれに問いかけたこと

 

さて、この作品、純粋にエンターテイメント作品として面白いのですが、私が評価したいのは、全編を貫く コンセプト にあります。21世紀からタイムスリップした サブロー は、なぜゆえに、信長の 身代わり を引き受けたのか? それは、

 

平和な未来からやってきた自分が、戦国時代にケリをつけて、平和な世界を作りたい!

 

という、純粋な思いから来ているのです。私はこの部分に、非常に感銘を受けました。お世辞にも優等生とはいえない高校生だった サブロー が、戦国時代にタイムスリップして、真っ先に感じた違和感は、常に緊張感漂う戦時体制にあったのです。家族や大切な人を奪われ、嘆き悲しむ戦国時代の人々に、本当に平和を味わってもらいたい・・・、もっと単純に、子供たちに笑顔を取り戻したい・・・、これがこの作品のテーマだと思います。

 

世界的に見れば、われわれ や サブロー が生きる21世紀も、決して平和な世の中ではありません。依然として、いくつかの地域が戦争状態にあり、テロ行為も頻繁に起こっています。平和ボケ状態にある先進諸国においても、その一部に富が集中し、大多数の人が、目標を失った人生を送っています。本当に 「幸せだなぁ・・・」 と実感できる人は、ほとんどいないのではないでしょうか? 生命を脅かすリスクがないから たまたま 生きているのであって、生きることに意義を見出していない人 は、そこかしこに存在しているように思います。

 

「歴史をから何を学ぶか?」 と問われたら、私はこう答えます。 

 

「愚かな行為を反省し、それを教訓として、将来に活かすこと」

 

そういう意味では、われわれ人類は、全く歴史から何も学んでいない。結局のところ、手を変え品を変え、愚行を繰り返しているだけとしか思えない。歴史として戦争の愚かさを学んだのであれば、それを二度と繰り返してはいけないのです。

 

人類がスマホをいじってできること

 

人類とITの歴史は、有史全体を見れば、まだまだ短いものでしかありません。しかし、ここに至っても、人類は何も学んでいないように思います。

 

例えば、ここ数年の間に、スマホを持つ人は異様な勢いで増加しました。通勤電車の車内を見ても、老若男女問わず、多くの人がスマホをいじくっています。で、何が変わったのか?

 

あれだけの人数の人が、文明の利器である スマホ を使って何かしているわけですから、世の中が変わる “何か” を生み出しても良さそうなもんだと思いませんか? でも、何も生まれていない。なぜか? それは、IT を 意味のあること に使っていないからです。そりゃそうでしょう、みんながみんな、やっているのは チャットでの他愛ない会話と色合わせで丸い物体を消していくゲームなんですから・・・。仮に、スマホを持っている人が、一人、一日10分でいいから、スマホで意味のある仕事をして、バイト代を稼いだとしましょう。恐らくその稼ぎだけで、途上国の飢餓や伝染病を解決するに足る資金になっているはずです。本当に残念な話です・・・。

 

次回のコラムでは、私がお話したいことの本質に入ります。人類はITの究極系である AI(人工知能) とどのように付き合うべきか? われわれ人類は、歴史から何を学び、どう活かすことができるのか? その 人工知能編 を取り上げたいと思います。では!

(次回続く)

 

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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