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タカシの外資系物語

タカシ、ベンチャー企業から仕事の “本質” を学ぶ (その3)2016.02.09

タカシが “ハッカソン” からイメージすること

 

(前回の続き)金融の最新ITを活用したフィンテック(FinTech)のベンチャー企業 S社 との商談に臨んだタカシ。S社に対して、ビジネスコンテストへの参加を打診したところ、快諾を得たところまでは良かったのですが、開催地に関して思いがけない “逆提案” を受けてしまったのでした・・・

 

最近、スタートアップ企業を対象とした “ビジネス・コンテスト” が流行っています。コンテスト と一口に言っても、アイデアのみを競うものから、アプリの試作品をその場で仕上げて、実際の使い勝手まで含めて審査するものまで、その対象範囲は千差万別です。その違いは、呼び方(呼称)で、以下のように分類されています。

 

(1)  ミート・アップ ・・・ (どちらかというとオフィシャルではない)会合・集会

Meet Up というぐらいですから、ま、それなりの規模の会合を指します。ニュアンスとしては、正式なコンテストや勉強会、セミナー・・・という感じではなく、“オフ会” “非公式な交流会” というイメージですかね。

 

(2)  ピッチ・コンテスト ・・・ ビジネスアイデアのみをプレゼンする

“ピッチ” というのは、「短い説明書」 という意味です。パワーポイントのことを “プレゼン・ピッチ” なんて言ったりしますよね。

そもそもは、シリコンバレーで、“エレベーター・ピッチ” というのがありまして、これは 「起業家たるもの、エレベーターの中で投資家に会ったら、自分のビジネスプランを30秒で的確に伝えなければならない」 ということで、自社のビジネスを短時間で説明するための資料を指します。15年ほど前に、半年間ほどNYに滞在していた頃は、“trifold(三つ折のパンフレット)” と言われていました。

 

(3)  ハッカソン ・・・ ITエンジニアを集めて、短期間でアプリを作成し、プレゼン・審査する

“ハッカソン” というのは “ハッカー(hacker)” + “マラソン(marathon)” を組み合わせた造語です。日本で “ハッカー” というと、ネット上で良からぬことをしでかす人たちを指すケースが多く、どちらかというと ネガティブな 語感があるのですが、そもそもの意味は 「卓越した能力を持つエンジニア」 なので、決して悪い人だけを指しているわけではありません。似たような言葉に、“ギーク(geek)” というがありますが、こっちの方は、日本語でいうところの “オタク” 的な要素が含まれています。

“○○ソン” の方は、“マラソン” のように、一定時間カンヅメ状態で作業してもらう(IT技術者なら、アプリをコーディングしてもらうことが該当) を意味しています。それにしても、最近、“○○ソン” という言葉を、よく耳にするようになってきましたよねぇ・・・。バズワードとして、完全に定着してきた印象です。

個人的には、“ハッカソン” と聞くと、子どものころによく食べた サクマのドロップを思い浮かべます。私は ハッカ味 が苦手だったので、ドロップの缶詰から、ハッカ が出てきて 損 したなぁ・・・ と、そんな感じ。どーでもいい話ですね、すみません・・・(T-T)

 

“ハッカソン” の会場として、どこを使うか?!

 

今回、私が企画しようとしているのは、“ハッカソン” です。かりにも フィンテック(FinTech)のプロジェクトなのですから、ピッチ(ビジネスモデルやアイデアの説明) だけでなく、実際に動くアプリが欲しい・・・ というのが、クライアントの要望でもあるので。かく言う私自身、机上の理論をこねくり回している時間があったら、動くものを作りましょう! というポリシーで仕事をしていますので、是非とも “ハッカソン” を実現したいと思っています。

 

一方で、“ハッカソン” となると、それなりの “設備” が必要となってきます。

 

・ ITインフラ ・・・ WiFi必須(それなりに “太目” の回線で)。できれば、クラウドだけでなく、会場内に簡易的なサーバーを立てたい(ネットが落ちたとき困るので、そのバックアップ)

・ 作業インフラ ・・・ 作業ができる机、椅子、ホワイトボード、マーカー、ポストイット等々。電源、延長コードとかも必要。

・  厚生インフラ ・・・ 徹夜作業になるので、仮眠エリア。無料のドリンクや軽食も欲しい。

・ その他 ・・・ 入退室時のセキュリティ、防犯や災害時の対応が確立していることも重要。

 

典型的な日本企業のオフィスの場合、「厚生インフラ」「入退室時のセキュリティ」 という観点で、イマイチなんですよね。特に、夜間の入退室に制限がある場合が多く、ゲストカードが使えなかったりする。会場については、自分の会社の大会議室でもいいかな・・・ と楽観視していたのですが、結構ハードルが高いんです。

 

実は、S社を訪問した理由の1つに、「S社のオフィスを使わせてもらえないか?」というのがあったんですよね。ここのオフィスなら、セキュリティ面の制限もなさそうだし、仮眠エリアとかバッチリ完備されてるし。水が 鉄くさい のだけ我慢すれば、ハッカーもみなさんも、快適に過ごせるように思った次第でして・・・

 

『ミッション・インポッシブル』の登場人物が言えますか?!

 

ということで、S社のT社長に対して、

 

「御社のオフィス、ハッカソン用に使わせてもらえません? 格安・・・、っつうか、タダで! その代わり、ミネラルウォーターの機械をプレゼントしますから!」

 

と、切り出すタイミングを、今か今か、と待っていたんですよね、実は・・・

 

S社T社長 「コンテストの企画という意味で、面白いアイデアを考えたんですが・・・。聞いてもらえます?」

私 「いいですよ」

Tさん 「実施場所なんですけど・・・」

私 「(キターーーーーーーーーーーーーーーーーー!) それ! 悩んでるんですよぉ・・・ 弊社のオフィスだと、ありきたりだし、ホテルとか借りるとコストがかかるし・・・(で、御社のオフィス、ハッカソン用に使わせてもらえません?)」

Tさん 「ですよねぇ? でね、いっそのこと、海外でやりません?」

私 「か、海外?」

Tさん 「イスラエル はどうすか?」

私 「へ?!」

Tさん 「イスラエル!」

 

前回のコラムから、全くストーリーが進んどらんじゃないですか! と、お怒りのみなさま。その通りです、すみません・・・。ま、前提知識としての、今回の前フリ は必要だったんで、ご勘弁を!!

 

次回は確実に、

 

「イスラエル!」 て、 あんたーーー?!

 

から入りますので、ご安心を。

 

で、みなさんに簡単な宿題を出しておきたいと思います。みなさん、トム・クルーズ主演の『ミッション・インポッシブル』はご存知ですよね? 宿題というのは、トム・クルーズ演じるところの敏腕エージェント イーサン・ハント ・・・ではなく、彼の相棒である ベンジー・ダンの役どころを、よく観察しておいてほしいんです(サイモン・ペグ(Simon Pegg)という俳優さんが演じています)。そうしていただけると、次回のコラムが5倍楽しめますので、是非ともよろしくお願いします!

 (次回続く)

 

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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