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タカシの外資系物語

タカシの夏休み日記(その4)~カーリー・レイ・ジェプセンの売り方①~2015.08.25

タカシが生涯、最も聴いたアルバムとは?!

 

NO MUSIC, NO LIFE !というほどではありあませんが、音楽を聴くことは、私の趣味の1つです。ジャンルにもこだわりがなく、ポップス、ジャズ、クラシック、果ては演歌、ボサノバ、ダンス系まで、何でも聴きます。iPhone主体で音楽を聴くようになってからは、年甲斐もなく(?)、EDM(Electronic Dance Music)をよく聴いています。

 

以前このコラムにも書きましたが、普段は、ZEDDとか、Hardwellとか、ALESSOなんかをヘビロテしています。仕事中、眠気覚ましに、「カッキン、カッキーン!」 という電子音を大音量で流しています。“カッキン系” の王様としては、やはり KNIFE PARTY でしょうな・・・。これ聴きながら、眠れる人は、まずいないはず・・・。と言いつつ、私はときどき寝ますけど・・・。

 

日本勢では、Perfumeもいいですね。オタクっぽい、と思っている人が多いようですが、彼女たちの海外でのパフォーマンスをYouTubeで観ると、ホントに トリハダもん です。プロジェクション・マッピングを交えたステージは、一種の芸術作品、まさに、クールジャパン、ここにあり! って感じですので、是非お試しあれ。

 

私の生涯で、最も聴きこんだアルバムは、間違いなく Michal Jackson の 『Thriller』 だと思います。中学時代、洋楽を聴き始めたころ、毎日毎日、何度も何度も聴いていました(実は今でも、週に1回は全曲聴いています!)。

私が初めて買ったCDは、Michal Jackson の 『BAD』(『Thriller』の次に出したアルバム) でしたから、『Thriller』はバリバリの アナログ盤 = LP と カセットテープ で聴いていたことになります。A面最後の “Thriller” を終えて、レコードを裏返すと、B面の “Beat it” “Billie Jean” と続きます。この三連発は、音楽業界の奇跡と言っていい、まさに史上最強コンボでしょう、ねぇ? ねぇ?!(と、興奮する、おっさんタカシ!) 

このモンスターアルバムの売上枚数は、ギネス認定で1億400万枚(!)となっており、今も売れ続けているとのこと。1億枚て・・・ 日本人全員が、赤ちゃんからじいちゃんまで、ほぼ全員が持っていることになります、いやはや、マイケルは偉大だ!

 

さて、『Thriller』 が1億枚売れる様をリアルタイムで体感していた私としては、何度か、「こりゃ来てる、来てる! めっちゃ売れてる!!」 という感覚を持つタイミングがありました。実はこの『Thriller』、発売当初はボチボチの売れ行きでしかなかったんですよね。最初にシングルカットされたのが、“The girl is mine”という曲で、ポール・マッカートニーとのデュエットなんですが、なんちゅうかまぁ、インパクトの薄い曲なんですよ。中学生だった私にとっては、牧歌的すぎるというか、退屈というか、はっきり言って、あまり印象に残らなかった。それが、次にシングルカットされた “Billie Jean” で、ドッカーーーーーーーーーーーーン と 大噴火 するわけです!

 

マイケル『Thriller』売上における “大噴火” とは?!

 

Michal Jackson の 『Thriller』が1億枚売れたプロセスには、3回の 大噴火! があると思っています。以下にそれを示します(って、完全なる私見なので、ツッコミ入れないでくださいね。マイケルの場合、熱狂的なファンの方がいるので、恐いなぁ・・・)。

 

(1)   “Billie Jean” 大噴火! ・・・ マイケルが所属するレコード会社である モータウン の 25周年記念コンサートで、マイケルは新曲の“Billie Jean”を歌います。そして! かの有名な ムーンウォーク を大衆の面前で初披露するのです!! その直後から、“Billie Jean” および アルバム 『Thriller』 が爆発的に売れ始めます ドッカーーン!

 

(2)   “Beat it” 大噴火!! ・・・ なんやねん、このカッコいい曲は! エディ・ヴァン・ヘイレンのギターがうなる! ミュージック・ビデオも最高! ビジュアルを重視して、多額の投資をして作成したPVが大成功を収めます。MTVでビデオが流された直後から、“Beat it” および アルバム 『Thriller』 の二度目の大噴火が起こります ドカ、ドッカーーン!

 

(3)   “Thriller” 大噴火!!! ・・・ シングル “Thriller” のPVについては、若い世代の皆さんもご存知ではないでしょうか? 尺が長いし! ちょっとした短編映画やん! めっちゃ、カネかかってるし!! これも、MTVでビデオが流された直後から、『Thriller』 トドメの大噴火が起こります ドカ、ドカ、ドッカーーン!

 

私の記憶では、上記3つの 大噴火 を経た時点で、アルバムの売上は、6,000万枚を軽く超えていたと思います。ざっと、1噴火あたり 2,000万枚! 後段で触れますが、最近最も売れている洋楽である テイラー・スイフトのアルバム 『1989』 の売上(iTune含む)が、やっと 500万枚ですから、マイケルの凄さがわかると思います(500万枚もすごいんだけど・・・)。

 

さて、ここで少し、“外資流” の発想を入れてみましょう。上記3つの 大噴火 というのは、すなわち、アルバム 『Thriller』 を売るための “マーケティング戦略” に他なりません。それは、プロデューサー、レコード会社、広告代理店、そして、マイケル本人が、綿密に仕組んだ、人為的な 作戦 なのです。それがなければ、いかに 超人的な才能を持ったマイケルといえども、1億枚超の売上は難しかったのではないかと思います。

 

秋元康氏の 凄さ と 欠点 とは?!

 

欧米、特にアメリカのミュージックシーンを見ていると、本当に マーケティング がうまい! 新人でも、「これは300万はいける!」と踏んだ場合、300万枚売る戦略を取る。マドンナやレディ・ガ・ガ級なら、1,000万枚を目安としたマーケティング戦略を立てる。コンテンツであるアルバムの楽曲でさえ、マーケティング戦略ありきで作られる。だから、売れる。コンテンツがいまいちでも、それなりに売れる。コンテンツがピカイチなら、めっちゃ売れる。これが、ビジネス というものなんでしょう。そして、その極致が 『Thriller』 というわけです。

 

もちろん、日本でも AKBを仕掛けた秋元康さんのような、マーケティングの天才は存在します。“売る” ということにかけては、秋元氏は世界屈指だと思います。

かつて秋元氏は、おニャン子クラブ をプロデュースすることで世に出てきましたが、そのときの反省点を、AKBにおいて、きちんと修正している。“売る” という観点では、TVという媒体は絶対ではない。秋葉原の劇場でしか会えないという希少性、握手会の権利を “売る” という発想、総選挙といいながらカネのある奴が勝つという社会の縮図をモロに反映したシステム等々・・・ 秋元氏のビジネスモデルは鋭いエッジを利かせて、究極の マーケティング・マシーン として、現代に君臨しています。

 

しかし、秋元氏の売り方に欠けているのは、楽曲というコンテンツを、ほぼ 無視 しているということでしょう。だから、あれだけミリオンセラーを連発しているにも関わらず、AKBの歌をだれも知らない。冒頭に書いたように、私はアイドルも含め、音楽業界にはそれなりに通じているつもりですが、AKBの歌は知らない。というか、頭に残らない。唯一知っているのは、I love you~ I need you ~ ヘビーローテーション♪ と ディズニー映画 Suger Rushの主題歌 ぐらいのもんです。でも、そういう人って、多いのではないでしょうかね。

おそらく、秋元康さんは、どこの業界でも、商品が何であっても、“売る”んでしょう。彼は、芸能プロデューサーというよりは、マーケッター または クリエイター なんですよね。佐藤可士和さんとかと、同類なのだと思います。

 

一方、アメリカのミュージック・シーンでは、状況はそこまで先鋭化しておらず、依然として、コンテンツであるアーティストや楽曲を売っています。だから非常にわかりやすいし、面白い。

 

ではここで、アメリカ流アーティストの売り方を、“事例” を通して説明したいと思います。登場するアーティストは、2名。テイラー・スイフト と カーリー・レイ・ジェプセン です。この2人の売り方は、非常に対象的 かつ 示唆的 でして、思わずひざを打ってもらえると思います。詳細は次回にお話しするとして・・・、みなさんには、季節はずれの 夏休みの宿題 を出しておきたいと思います。

 

【宿題】以下のミュージック・ビデオをYouTubeで観賞し、感じたことをまとめておく

  • ● テイラー・スイフト “Shake it off”
  • ● カーリー・レイ・ジェプセン “Call me maybe” “I really like you”

 

これ・・・、やってくださいね。でないと、次回のコラム、何を言っているのか、さっぱりわからなくなると思うので・・・、是非ともよろしくお願いしまーす!

 

(次回続く)

 

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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