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タカシの外資系物語

はじめてのGlobal Head Hunting !(その4)2015.06.09

タカシ、予想外のオファーにノリノリ?!

 

(前回の続き) グローバルで活動しているヘッドハンティング会社からのアプローチを受け、某巨大金融グループ日本法人のCIO職のオファーを得たタカシ。自分でも存外のオファーにためらいながらも、喜ばしく、誇らしい気持ちになったのは事実です。しかしその一方で、一抹の不安が頭をよぎっていたのでした・・・

 

ヘッドハンティング会社CEOのDianaとの電話インタビューを終えるとすぐに、Dianaの部下で、本件を担当しているAdaから、チャットが入りました。例のごとく、原文のママ、お伝えすることにいたしましょう!

 

Ada 「Good morning, Takashi-san. Learnt from Diana that you had a great conversation with her and she would like to have a in person meeting in Japan this Thursday. Could you do it any time after 5:00 pm ?」 ・・・ ①

私 「5 pm is NG. How about after 6:00 pm on Thursday ?」

Ada 「Pls block 6pm this Thursday. Will you be able to come to our office to meet Diana.」 ・・・ ②

私 「OK」

 

【解説】

①    “a great conversation” だったとは全く思えんが・・・、ま、致命的なミスもなかったので、成功と言えば成功かな・・・。密室(実は、自宅の寝室のベッドの上)で、正座して応対した甲斐があった、ってもんです。それにしても・・・、外国人というのは、ホメるのが本当にうまい! ホメれば、相手も乗ってきますしね。事実、私も相当ノッてましたから・・・。ちなみに、“a in person meeting” は “an” の間違いですね。どうでもいい話なのですが、きちんと冠詞をつけているところがエライと思います。日本人は、“a” も “the” も、超適当・・・というか、全く理解していませんものね。

 

②    “you be able to come to our office” って、なんでワシがそっちのオフィスに出向かにゃならんねん! ホテルのラウンジかどっか、準備せぇやーー!! わしゃ、VIPやどーーーっ!!!と言いたいところだが、極めて従順に “OK” と回答する私。チキンだねーーっ!

 

Adaからの ウザい “宿題” をどうするか?!

 

その日の夕方、またもや Ada さんから、長めのチャットが入ってきました。

 

Ada 「Good afternoon, Takashi-san. In order to structure your meeting with Diana at 6pm this Thursday. Could you get prepared for the following three areas :

1.   Change management/transformation experience ;

2.   Application development methodology ;

3.   Two examples on key projects that you drove in the past ・・・

 

正直言うと、めっっっっっっっっっっちゃ、ウザい! なんで、こんな “昇進試験” もどき を受けなきゃならんのかっ!! ウガーーーーーーーーーーーーっ!!!(怪獣か、ワシは・・・)

 

・・・ と、激昂してみたところで、ま、世の中こんなものなのです。めっちゃ、ウザい のは確かですが、説明なしには、相手に自分の能力や経験をアピールすることなどできません。これは、相手が外国人であろうが、日本人であろうが、同じことです。「この業界で、俺様を知らないのか?」などと息巻いても、知らないものは知らない。たとえ、誰もが知る著名人であろうと・・・、いや、有名人であればなおのこと、自分を売り込むためのアピールは怠らないのです。

 

また、外資系企業でそれなりに経験を積んでいると、この程度の説明なら、英語で、かつ、アドリブでできなければおかしい。外資では、そういう訓練を、イヤというほど受けますので。

 

上記のように、英語で箇条書きにされると身構えてしまいますが、要は、

 

「ここ数年の間に、自身が主導したプロジェクト例を挙げて(3.)、そのプロジェクトで使ったシステム開発の方法論を説明して(2.)、その結果、どのような成果(財務等定量的な効果 & 組織・文化等定性的な効果 の両方)をもたらしたか(1.) を説明する」

 

ということ。特段、トリッキーで難しいことを問われているわけではない。ま、説明だけなら10分、質疑応答含めて、30分あればcompleteします。加えて、電話インタビューのように口頭のみならキツいですが、対面ですから、図表を描いたり、筆談もできる。これなら、何とかなるでしょう。英語が相当ダメでも、話す内容がしっかりしていれば、大丈夫・・・ というのは、こういうことなんですよね。

 

Ada 「・・・we would make sure that a projector and screen is ready for your presentation. Pls email us info that you would like us to print for Diana.」

私 「Thank you, Ada-san. But, I do not any docs・・・」

 

プレゼン用に、紙の資料の印刷をお願いしたり、プロジェクターや投影スクリーンを準備されると、かえって面倒です。ホワイトボードのみで結構、あとは口頭で話します! ・・・ということで、Adaには丁重にお断りをしました。

 

タカシの “裏付け捜査” で引っかかったもの

 

来るべきDianaとの 1 on 1 (対面での1対1面談)の準備と並行して、私はある “調査” を進めていました。その調査とは、「今回のオファーの裏づけ」、言い換えると、「見た目は豪華で申し分ないオファーに見えるが、内情は “ババをつかまされる” んじゃないだろうな?」 ということを、自分が信頼できる情報ソースを使って調べる、ということです。

 

私もなんだかんだ言って、この業界では古株の域に達してきました。同業他社にも友人はいますし、もちろん、クライアントである金融機関にも多数の知己が存在します。その人たちに、「これこれ、こういうオファーが来たんだけど、どう思う?」と、率直に確認するのです。

 

当然のことながら、そういう質問をした時点で、私にそのオファーが来ていることがバレバレになるわけですが、それは紳士協定というか、互いに持ちつ持たれつの関係ということで、大人の対応でうまく回しているわけですな。

 

実際のところ、私は今回のオファーについて、5人の友人に意見を伺いました。うち4人は、「Congratulations !」 「すげぇじゃん、今度おごってくれよ」 「仕事くれ!」 など、ポジティブなものでした。

 

ところが、ただ一人、友人Aだけが、「メールや電話では言いにくい。ちょっと会わないか?」 と連絡を入れてきたのです。実は、その友人Aは、ある理由から、今回の件においては “最も信頼できる情報ソース” であったため、私はDianaとの面談当日の早朝に、某ホテルでAと会うことにしました。そこで、驚愕の事実を知ることになろうとは・・・ 急展開の次回、乞うご期待!

 

(次回続く)

 

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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