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タカシの外資系物語

新しい世界へ旅立つ君へ!(その2)2015.04.14

新入社員のみなさんが、まず身につけるべき “スキル” とは?!

 

前回の続き)今回のコラムでは、新入社員のみなさん・・・ではなく、この3月末で他社へ転職していった人たちに対する、私なりの“エール”を贈ります。

 

と、その前に! 新入社員のみなさんに言い忘れたことを1つだけ。実は、早期にマスターしてほしいことがあるのです。それは“電車の乗り方”です。

 

新入社員のみなさんの多くは、学生時代に、通勤ラッシュの時間に電車に乗った経験がほとんどないでしょう。特に、文系の場合は、ゼミの日以外は大学にすら行かなかったはず・・・。よって、乗り方が下手というか、経験不足なのです。

 

通勤ラッシュの電車というのは、生態系のエコシステムというか、1/fゆらぎというか、微妙なバランスで成り立っています。つまり、バランスを崩す人(=乗り慣れていない人)が一人でもいると、車内がカオス状態になって、人数以上の混雑さを醸し出します。4月の電車内の混雑度が高いと感じる理由はそのせいなのです。

 

以下に、通勤ラッシュの電車に乗るときの“Tips(コツ)”を記載しますので、是非、参考にしてください。

 

(1) とにかく “自我”を消す ・・・ 車内で自分を主張しても、何の意味もありません。自己主張は、仕事でやりましょう! 流れに身を任せ、フワリ~ フワリ~・・・ イメージ的には、海中の“ワカメ”のようにユラユラする感じです。

 

(2) 荷物は下に置くか、網棚に載せる。両手はフリーにしておく ・・・ 最近、リュック式のカバンを持っているビジネスパーソンを多く見かけます。車内のポスターなどを見ると、背中ではなく前に抱えるようにすべし! と書いてありますが、私に言わせれば、どっちでも同じです。多くの人間は、荷物が体に当たるとイラっ!ときます。だから、荷物は腰より上で持たない方がいいのです。

 

(3) スマホはいじらない! ・・・ 当然のことながら、通勤ラッシュの電車では紙の新聞など読める状況ではありません。にもかかわらず、スマホをいじくっているやつが、めっちゃ多い。アホか! ひじが当たって痛いわ!! 音を聴け、音を!!! 最近では、『聴く日経』とか、主要ニュースを読み上げてくれるアプリも多数あります。英語の勉強でもいい。とにかく、動かないこと! Be ワカメ!!

 

“逃げ” の転職は、“負け” と同じ

 

本題に入りましょう。3月末というのは会計年度の節目ということで、フレッシュマン&ウーマンが入社する一方で、出て行く人も多い。特に今年は、私の周りでも、このタイミングでの退職(=他社への転職)が非常に多かったです。

 

背景には、アベノミクスによる好景気(かどうかは何とも言えんが、少なくとも株価が2万円を超えたわけですから、景気は悪くない、といえるでしょう・・・)があります。


前回のコラムでお話したように、「新卒者求人数」というのは、景気の先行指数ですので、その時点における景気の良し悪しとは完全にリンクしないのですが、「既卒者求人数=即戦力求人数」というのは、景気の一致指数です。つまり、転職者が多いということは、ほぼ間違いなく、現時点で景気がいい、ということを表しています。

 

さて、転職に関して。ま、個人の人生ですから、私がとやかく言う話ではありません。かく言う私だって、複数の転職を繰り返して今があるわけですから、転職を否定することは、自らを否定することになりかねません。

 

ただし、最近の転職者を見ていると、「おいおい、なんかレベル下がってねぇか?!」というケースが多いような印象を受けます。『鶏口となるも牛後となるなかれ』(大きな組織で人のしりについているよりも、小さな組織でも頭(かしら)になるほうがよい、の意。『史記』に出てくる故事成語) 

 

とはいうものの、ベンチャーを起業するならいざ知らず、日本人の転職は、結局、既に出来上がった会社組織を選んでいるわけで、自分を安売りしているか、大組織での競争から逃げているか、小組織でギリギリ創業時チームに混ざって、あわよくばストックオプションか何かを狙っているか・・・いずれにしても、ネガティブな印象は否めません。

 

いずれにしても、ケースバイケースです。もちろん、各人、様々な事情があるのでしょう。ただし、経験者として1つだけアドバイスさせてください。

 

それは、転職に際して、

 

自分なりの“定量的な基準”を持つ

 

ということです。

 

「やりがい」とか、「自分さがし」というのは、抽象的すぎます。そして、抽象的な基準は、単に“逃げ”の場合が多い。“逃げ”の転職、自分を“安売り”する転職は、成功などまずムリで、ほとんどの場合、失敗します。

 

例えば、サッカーで勝ち点1狙いで守りに入った試合で、首尾よく守りきれた試合などないのです。“逃げ”に入った瞬間に、“負け”ているのです。

 

タカシが転職する “定量的な基準” とは?!

 

私の場合、転職に際して設定している、自分なりの “定量的な基準” とは、

 

現状の給料の1.3倍以上もらうこと

 

としています。なぜ1.3倍なのか? と問われると、明確に答えられないのですが、これは1つの経験則から得た基準なのです。

 

私はこれまでに、2回の転職をしました。そして2回とも、転職後、「あ~ぁ、どうして転職なんかしたんだ! 失敗したぁ~(T-T)」と後悔する時期がありました。ま、この後悔というのは、どのような転職でも経験する恒例行事みたいなもんでして、仕事が軌道に乗って忙しくなってくるにつれ、薄れていくのですが・・・

 

いずれにしても、転職を後悔する時期がある。そのときに、転職前と比べて、何らかの定量的なメリットがあれば、自分を言い聞かせることができるのです。それが、私の場合「1.3倍の給料」というわけです。

 

「あ~ぁ、どうして転職なんかしたんだ! でも、給料が1.3倍になったから、ま、いっか・・・」という感じ。これが、1.2倍なら後悔の方が勝つ。あくまでも、私の個人的な感覚ですが・・・。でも、この話、つまらんことに聞こえるかもしれませんが、これがあるのとないのとでは、大違いでして、転職後のパフォーマンスにも、少なからず影響を及ぼします。

 

転職をお考えの方、逃げるな、安売りするな、定量可能なメリットを確保せよ、と、肝に銘じてください。

 

さて、次回のコラムでは、視点を少し変えて、関連のお話をしたいと思います。題して、『外資の中途採用は、実はほとんど大失敗?!』です。お楽しみに!

 

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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