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タカシの外資系物語

天国にもっとも近い職場 ( ニューヨーク紀行その 1 )2001.07.13

みなさん、現在私はニューヨークに来ています。そこで、今回から数回は NY からお届けします。


NY マンハッタンには、「摩天楼」が意味するとおり、超高層ビルが林立しています。私が滞在している「NY ヒルトン」も 50 階建てで、私の部屋は 41 階です。これでも NY ではそれほど高い部類に入りません。( 高所恐怖症の私にとっては、十分に高いのですが … ブルブル … )


1626 年に、たった 24 ドルでネイティブ・アメリカンから買い取った小さな島が、350 年後にコンクリートでできた巨大都市になったのは、本当に驚くばかりです。この小さな島に、世界を動かすパワーが秘められているのですから。


私が勤める会社の本社オフィスは、Ave. of the Americas に面するエクソンビルの、40 階あたりにあります。私が担当する顧客も、その近くのビルの 53 階にあります。ですから、日中は地上数百メートルのエリアで仕事をしていることになります。


高層階のオフィスに行くには、当然のことながらエレベーターに乗らなければなりません。53 階に行く場合には、「50-59 階用」のエレベーターで、その間の階は「Express Zone」( 通過階 ) となり、エレベーターの表示には「E.Z.」と出ます。実は、この「E.Z.」の区間が恐怖。かなり揺れるのです。大柄の人と一緒になったときなどは、エレベーター内のバランスを保つのに必死です。


おまけに、30 階あたりから、耳が「ツーーン」。本当にエレベーターだけは、大の苦手です。


大きなビルのエレベーターの入り口には、「エレベーター・ボーイ」が立っていて、訪問客の代わりにボタンを押してくれます。私の会社があるビルのエレベーター・ボーイ、いつも何やらブツブツつぶやいています。


「…Manhattan is here. Offices nearest HEAVEN...」( ここはマンハッタン。天国にもっとも近い職場 … )


「天国にもっとも近い … 」とは穏やかではありません。それでなくても、こちらはエレベーターに乗るたびに、生きた心地がしないのですから。


私は早速、このことを同僚に話してみました。


「タカシ ! ここ NY は天国にでも地獄にでもなるのさ。ここでは、選ばれた最高のものしか生き残ることができないのだから … 」


なるほど、年功序列社会の日本では、ゆっくりと順番に上がっていくしかありません。しかし、NY では一夜にして頂点を極めることができるかもしれない、人生の「E.Z.」が存在する町なのです。そのためには、多少の恐怖や耳がツーンとすることぐらい、どうということはないのかもしれません。


「こりゃ負けてられないな … 」そうつぶやいたのも束の間、1 階に降りたときには、またもや足がガクガクしていた、情けない私でした。

 

( 次回続く )

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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