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有元美津世のGet Global!

中欧について学ぶ(4)ー チェコvsスロバキア2019.12.03


前回、「スロバキアの人はチェコと同じ国と思われたくない」という話をしましたが、チェコ人も同様で、すでにチェコスロバキアという国がなくなって20年以上が経つのに、未だに「チェコスロバキア」と言う人がいるのに憤慨するようです。

 では、今回は、2つの国の違いを少し見てみましょう。
 それぞれチェコ語とスロバキア語という異なる言語を話すということは、前回、書きました。
 あと大きく違うのは、両国とも2004年にEUに加盟したのですが、ユーロを導入したのはスロバキアのみであり、チェコの通貨はコルナ(koruna)のままである点です。
 また、チェコは無神論者が多い一方、スロバキアにはカソリック教徒が多く、概して保守的な考えの人が多いといった違いもあります。

 私が両国を訪れた感じでは、スロバキアの方が、チェコよりも、街並みが旧東ブロック的な印象を受けました。世界的に有名なチェコの首都プラハは、世界各国からの観光客で溢れていますが、スロバキアの首都ブラスチラヴァ(Blastilava)は、中東欧からの観光客が主で、ブラスチラヴァ城など一部の観光名所を除いては、アジア系などの白人以外の人種は、あまり見かけません。
 料理も似ていますが、チェコ料理の方が(大きな)肉ばかりでヘビーです。スロバキア人も「どっちの料理もヘビーだけど、チェコ料理の方がヘビーだよね」と。私はスロバキア料理はヘビーではなく、非常においしいと思いましたが。

共通点は?


 一方、どちらも西スラブ系(西スラブ語話者)で、何世紀もの間、同じ地域に暮らし、70年以上、一つの国だったわけですから、当然ながら共通の習慣も多々あります。
 私も現地を訪れるまで知らず、驚いたのは、どちらの国でも、家の中では靴を脱ぐこと。スロバキアのバンスカー・シュティアフニツァ(Banská Štiavnica)の民泊に宿泊した際のこと。まったく英語のできない年配のオーナーとのやりとりに四苦八苦したのですが、チェックインの際は、隣の中学生が通訳をしに来てくれました。(アメリカ人と話すのと同じスピードで話しても問題ないくらい英語ができるのですが、ドイツ語の方が得意とのこと)。
 別棟の客室に案内された際、オーナーが靴を脱いで部屋に入ったので、「スロバキアって、家の中で靴脱ぐの?」とその子に聞くと、「アメリカでは脱がないの?!」と反対にビックリされました。(「日本を含めたアジアや中近東では脱ぐよ」と説明しておきました。)
 調べると、スロバキアでは、学校でも、日本のように上履きに履き替えるそうです。チェコでも同じで、病院でも履き替えるとのこと。
 また、どちらの国でも、クリスマスイブには鯉料理を食べるそうです(ハンガリーやオーストリア、ドイツ、ポーランドでも)。生きたまま買って、食べる前に浴槽に入れて泳がしておくのだとか。(海のない)両国では、鯉を養殖してヨーロッパ中に輸出しているそうです。

スロバキアの人口はわずか500万人、チェコは1000万人ちょっとなので、彼らと出会うことは、なかなかないかもしれませんが、「家の中では靴を脱ぐ」「鯉を食べる」といったトピックで会話がはずむかも。ちなみに、Daijob社でも、今年からスロバキアの方が働いています。

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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