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有元美津世のGet Global!

それでも事務職を目指す?(1)2017.07.04


 日本では、昨年から雇用市場の改善が伝えられるようになりました。今年に入って有効求人倍率(有効求人数÷有効求職者数)はバブル期並みとなり、5月には1.49倍に達し40数年ぶりの高水準と言われています。(なお、新規求人倍率は2.31倍。)

 ただし、職種別求人倍率を見ると、2つの職種だけは求職数の方が多いのです。一番倍率が低い、つまり一番競争が激しいのは0.36倍の「事務的職業」。一つの求人に対し3人近くの求職者がいるということです。(なお、もう一つの職種は0.51倍の「運搬・清掃・包装などの職業。」)

 厚生労働省の統計では、「事務的職業」は7つのカテゴリーに分けられています。

 

 有効求人数

 有効求人倍率

 一般事務

 83,022

 0.27

 会計事務

 13,302

 0.60

 生産関連事務

 10,999

 1.29

 営業・販売関連事務

 18,571

 0.75

 外勤事務

 576

 3.25

 運輸・郵便事務

 3,983

 2.69

 事務用機器操作

 1,729

 0.41

             (厚生労働省:職業別一般職業紹介状況[実数]常用<除パート>平成29年5月分)

 一番競争が激しいのは0.27倍の「一般事務の職業」ですね。世間一般に使われる「一般事務」ですが、私なんかも「具体的に、どんな仕事をするの?」と思ったりします。労働派遣法でも定義されていないみたいですから、上記の6カテゴリー以外の事務(雑務?)すべてということでしょうか。(なお、派遣法では、文書編集や表計算などの各種ソフト操作、ファイリング、秘書業務、受付業務も、一般事務ではない専門業務と定義されています。)

転職求人倍率も


 「厚生労働省が毎月発表する有効求人倍率は、全国のハローワークの求職者数と求人数を基にしたもの。語学力を生かしたい私、外資系企業を目指している私には、ハローワークの求人なんて関係ない」という声が聞こえてきそうです。(たしかに、そうした職は少ないのですが、海外勤務の求人は結構、掲載されているのにビックリ。)

 そこで、民間の転職支援企業数社が発表する転職求人倍率を見てみると、さらに倍率が高いです。(つまり、求職者より求人の方がさらに多い。)ただし、転職求人倍率でも、事務・アシスタント系は厚生労働省の倍率と同程度(0.25~0.45)です。

 一般事務は、とくに女性に人気ですが、なぜ、わざわざ競争率が一番高い職種を選ぶのでしょうか?(「競争が激しい代わりに給料が高い」とかならわかるけど。)

 それも、すでに多くの事務職が派遣社員やITに置き換えられ、「AI(人口知能)の進化で真っ先に消えるのが事務職」とまで言われているのに。

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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