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相次ぐ就労ビザ改正—豪・NZ2017.05.30


4月に申請が締め切られたアメリカのH-1Bビザ
は、法改正があったとしても、今年からの適用は時間的に難しいと思われます。一方、すでに法改正され、導入が始まっているのがオーストラリアの就労ビザです。

オーストラリア


オーストラリア政府は先月、俗に「457」と呼ばれる就労ビザを廃止し、代わりに新たな就労ビザ(TSSビザ)を導入すると発表しました。457ビザは技能職向けで、4年有効だったのですが、新規ビザは有効期限が4年と2年の二種類になります。

BiochemistやWeb Developerなど、今回、どちらのビザからも外れた職種もありますし、CEOやCIOを含む上級管理職やCookなど4年ビザから外れて2年ビザに限定された職種もあります。(なお、Chefは4年ビザ。)

元々、人材不足の高技能職分野で海外から人材を確保するためのビザだったのが、最近では4割近くがファーストフード産業を含む観光・飲食業のエントリーレベル職に利用されており、同ビザ取得で永住権申請が可能になるため移民裏口となっていることが問題視されていました。さらに、景気減速で失業率が上昇しているため、オーストラリア人の雇用を優先するという意図があります。

今回の改正で、ビザ取得には最低2年の専門分野での就労経験が必要になり、また2年ビザでは永住権申請の資格がありません。

ニュージーランド


オーストラリアが就労ビザ改正を発表した翌日、ニュージーランドでも技能職ビザの改正案が発表されました(オーストラリアに追従したわけではなく、一年近く改正に向けて検討していたそう。)今のところ、最低年収(4万9000NZドル)設定や低技能職向けビザ有効期限(3年)の設定などが盛り込まれていますが、施行までには変更の可能性があります。

ニュージーランドでは、2016年に純移民数(流入者-流出者)が過去最高を記録し、やはり「自国民ファースト」機運が高まっているようです。

ちなみに、ニュージーランドでは、オーストラリアに続き、起業家ビザの導入を開始しています。両国とも、主要産業が低迷しており、IT産業の発展に力を入れています。

専門技能と語学


元々、非EEA国籍者にはハードルの高いイギリスでも、就労ビザ(Tier2)申請条件の最低年収引き上げや外国人雇用企業が払う負担金の値上げなどが、先月から施行されています。

どこの国でも政治家による有権者向け人気取りの側面はあるとは言え、どの国も、スキルがなく英語(または現地語)もできいない人材などほしくないのです。海外で働きたいという人は、これを念頭に、大学での専攻や職種を含め、戦略的にキャリアプランを練る必要があるでしょう。

 

<余談>

豪457ビザの取得者はインド人が最多で(イギリス人、中国人がこれに続く)、やはりインド首相自らが改正に対し憂慮を表明。ニュージーランドの就労ビザ国別取得数は、フィリピン、インド、イギリス、フィージー、中国の順。

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など多数。

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