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有元美津世のGet Global!

勤務時間外の仕事メール規制 (1) ─ ヨーロッパ2017.01.10


あけましておめでとうございます。今年も、よろしくお願いします。

さて、2017年の始まりとともにフランスから飛び込んできたニュース。今年から従業員数50人超の企業では、従業員が勤務時間外の仕事関連メールを拒否する権利を認めなければならないという法律が施行されたというものです。これは「時間外の業務メールを法律で禁止」というわけではなく、「各社、従業員と時間外メールについて取り決めなさいよ」というお達しで、法律違反に対する罰則も設定されていません。(日本では労働基準法によって法定労働時間外勤務は規制されており、先月、電通が書類送検されたように、法律違反に対しては罰則もあるのですが…)

仏労相によるとデジタル機器の普及により「社員らは職場を離れても犬のように電子首輪につながれており、バーンアウトや不眠、家族不和などにつながっている。仕事と生活の調和(work life balance)を図るために法制化が必要」とのこと。

 

多数の自殺者を出した仏大手企業


今回の法案作成にはフランスの大手通信社が参加したそうですが、国営だった同社が私営化され、大幅なリストラが行われていた2008~2009年、社員19人が自殺、12人が自殺未遂、8人が重度のうつなどを発症。自殺の原因は達成不可能な目標値や転勤の強要などによるストレスだったそうで、当時のCEOは辞任に追いやられましたが、大幅リストラに際し「窓からでも(!)ドアからでも、どちらにせよ実行する」と発言したとされています。

その後、自殺者は減ったものの、2014年に、またも社員10数人が自殺。大幅に削減された人員でよりよい結果を出すように求められ、モラハラが横行していたとか。(なお、割合的には、これは仏全体の平均値と変わらず、日本よりは少し低いものの、イタリアやスペインの3倍で、北欧よりも高い。ただし、ベルギーの方が高い。)

同社では、今回の法律施行に先駆け、勤務時間以外にはメールを送らないよう社員に呼びかけ、勤務時間外に仕事メールをチェックしなくても罰せられないという社内ルールを設定したそうです。

 

個々の企業で取り組み


法制化以前から勤務時間外メールを規制に乗り出した仏企業は他にもあり、金曜を「ノーメールデー(No Email Friday)」に設定しているIT企業もあるようです。

実は、フランスに先駆け、勤務時間外メールに対処したのが独企業で、ドイツテレコムでは、2010年に勤務時間外には通信機器を使わないよう社員に求める「スマートデバイスポリシー」を設定。翌年、フォルクスワーゲンでは勤務時間以外は社員のブラックベリーのメール配信を遮断するという強制処置に出ました。(ただし、対象は労組員のみ。)

ダイムラーでは2014年に、社員の休暇中には着信メールはすべて自動的に削除されるという”Mail on Holiday”機能を導入。社員が休暇から戻ると「新着メール0件」という状態にできるそうです。
「うらやましい!」という人は仏企業や独企業への転職を検討してみては?

 

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など多数。

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