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就活に欠かせないNetworking(1)--Nepotismとは別物2013.12.17

    就活に欠かせないNetworking(1)--Nepotismとは別物

    今年も、日本滞在中に知人に「息子が就活を始めるので、相談に乗ってやってほしい」と言われました。(息子さん自身は興味なかったと思います。こういうのは、親御さんの方が熱心なのです。)


    息子さんはESS部に所属し、ボランティアで外国人観光客の英語ガイドをやっているそうで、英語を活かせる仕事が希望とのことでした。就職先は大企業でなくても、中小企業でもいいということでした。私は日本の中小企業経営者の知り合いが多いので、「こんな会社やあんな会社なら知っているので、興味があれば紹介することはできる」と伝えました。


    中小企業の場合、知名度が低いので知られていない会社もたくさんありますし、大企業のように人材募集に多大なコストをかける余裕もありません。だから、私が「こんな人がいますよ」と言えば、その会社の経営者が検討してくれる可能性は高いのです。ただ、私が紹介したからといって、その人が雇われるかどうかはわかりません。採用されるには、その会社独自の採用条件を満たし、採用過程を経なければなりません。


    実は、私は、その後で、マレーシアのツイ友にも会ったのですが、「アメリカに住んでいる娘が就職先を探している」とのことでしたので、アメリカに戻ってから、紹介できそう会社はないかと、2~3あたってみました。


    就活をしている人が「こんな仕事を探しています」と周りに伝えておき、周りの人から「うちの会社、今、○○職を採用してるよ」「△△社で□□職の空きが出たよ」と口コミで情報を入手することなど、あたり前に行われていることです。

    コネ(縁故)採用?

    ある出版社が「著者の紹介状あるいは社員の紹介があること」という募集広告を出して、物議をかもしましたが、こういうのまで「コネ(縁故)採用」と考える人がいることに驚きました。


    辞書で引くと、コネは「手づるとして利用する縁故関係」、縁故の本来の意味は「血縁や地縁などによるつながり」とあります。英語のnepotism は「身内びいき」という意味です(「甥」を意味するラテン語の”nepos”が由来)。血縁や地縁は自分の力で生み出せるものではないので、公平ではないのです。採用基準に満たないのに有力者の子女だから採用するようなことを縁故採用というのではないでしょうか。


    「著者や出版社の社員の紹介」が応募条件であれば、著者や出版社の社員と知り合えるよう工夫すればいいのです。誰にでもチャンスはあります。


    私は、現在、複数の出版社とつき合いがあります。しかし、20年近く前、初めての著書を出したときは、出版社の知り合いは、まったくおらず、出したかった本の企画を飛び込みで(メールで)売り込みました。(私は若い頃から、雑誌で見て会いたいと思う人がいれば、連絡先を探して面会を申し込んだりしていました。私の著者の読者の方でも、著書に関して質問があれば出版社に電話される人もいます。)


    今も、新たな出版社とのつながりがほしければ、(ツイッターでフォローもしますが、)できるだけ業界の知人を通して紹介してもらいます。そんなことは、ビジネスに限らず、どこの世界でもあたり前のことです。

    Networking(人脈作り)

    「コネ」という言葉にはネガティブなニュアンスがありますが、「人脈」といえばネガティブな響きはないのではないでしょうか。「ビジネスで成功するには人脈は欠かせない」などといいますが、就活だって同じです。


    アメリカでは、ビジネスにしても、就活にしても、Networkingが不可欠といわれ、皆、Networkingに精を出しますが、私は”Networking”は、通常、「人脈作り」と訳します。Networkingのための集まりは、私は「交流会」と訳しますが、日本の「異業種・同業種交流会」のようなものです。


    日本でも、こうした人脈作りにはネガティブな意味合いはないはずです。なぜ、就職を希望する業界の人との人脈作りは否定されるのでしょうか。NetworkingとNepotismを混同している人たちがいると思えてなりません。 

    (次回へ続く)

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    この記事の筆者

    有元美津世

    大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。
    著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など多数。

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