ソーシャルブックマーク: Yahoo!ブックマーク はてなブックマーク Google Bookmarks    
働く女性のライフワークバランス術へ

# 25  Empty Nest Syndrome - 女性の再就職

前回女性の再就職に関して記事を書かせていただいたときは 「Soft Landing」 という言葉を紹介させていただきました。(「Soft Landing – 女性の再就職」参照)覚えていますか ? 「Soft Landing」 というのは、欧米の俗語で再就職するという意味で使われています。今回は新たに 「Empty nest syndrome」 という言葉を紹介しながら、女性の再就職を考えてみたいと思います。Empty nest syntrome が何を意味しているか、想像がつきますか ? Empy は空っぽ、Nest は巣、Syndrome は症候群です。「巣立ち症候群」という意味になりますが、それがどのように女性の再就職と関係しているのかお話していきたいと思います。


巣立ち症候群とは、女性が子育てを終了して子供達が巣立ってしまった後、もしくは巣立つ前から陥る精神状態のことで、今までは子育てで忙しかった母親が子供達の独立と共に、人生の目的をなくしてしまう精神状態を指します。仕事一筋で頑張ってきた男性が定年退職をした時に多くみられる喪失感に似ていると私は思います。しかし大きな違いは、巣立ち症候群は人生の中でもっと早い時期に起こり、女性に多く見られる症状だということ、そしてそれが再就職を考える一因になるということです。


私の友達にも何人かこの巣立ち症候群に見舞われる人がいました。最近は一人っ子の家庭が多いこともあり、早い人では母親がまだ 30 代後半で子供の中学入学時期に起き、遅い人では 40 代後半から 50 代前半の、下の子供が大学を卒業するころに起きるようです。子供達が独立した後、母親たちにはどのような選択肢があるのでしょうか ? 趣味やボランティアなど、働かなくても人生の目的を持てる人もいるでしょう。一方で、再就職をして社会復帰することを考える女性も少なくないと思います。ただなかなか行動を起こし、再就職を実現するまでたどりつかないのが現状のようです。一度家庭に入ってしまうと、再就職するにはとても勇気が必要になることが、一番大きな理由のようです。今回はキャロル・フィッシュマン・コーヘンとビビアン・ステア・レービン共著作の復帰へのガイドブック 「Back on the Career Track」* から引用して、再就職を考えている女性のために復帰へのステップを説明したいと思います。


キャロル・フィッシュマン・コーヘンとビビアン・ステア・レービンは、復帰へのステップは7つあると説明しています。


1. 再就職するかしないか決める
 再就職するのかしないのかは自分のみが決められることです。決断を下すまでは考え悩み、もがくことでしょう。ご主人の稼いだ給料を自分のために使うことはできないという罪悪感や、家でしなければいけないことがあるという責任感などの狭間に立ったりすることでしょう。経済的なことや、社会とのつながりを持つなどさまざまな理由で再就職を考えることでしょう。十分に時間を使い、周りと話しながら、最終決断をしましょう。

2. 自信をつける
 再就職をすると決めたからには自信をつけなくてはいけません。家庭に入っていた期間が長ければ長いほど、再就職できるかどうか自信がなくなっていることでしょう。新聞を読んだり、働いている友達と話したりして、知識をつけながら自信をつけていきましょう。決して自分を安売りしないよう気をつけましょう。

3. 選択肢を見極める
 自分がどのような仕事がしたいのかを考えてみましょう。働く形も正社員、契約社員、起業、パート、フリーなどいろいろな形態がある上、職種もごまんとあります。自分が以前働いていた会社や職種、また自分が現在持っている能力などを分析し、どのような仕事につきたいのか、どういった形態で働きたいのか考えましょう。

4. 能力を磨き面接に備える
 やりたい職種が見えてきたらその職種に必要な能力を磨きましょう。資格を取ったりクラスを受講したりするのもよい手です。また面接に備えて自分のセールスポイントや目標などを言えるように練習しましょう。職務経歴書など必要な書類も準備する必要があります。書面上も決して安売りはいけません。家庭にいたからといって自分を安売りする必要は全くないからです。

5. ネットワーク
 ネットワークを作って再就職できるように努力をしましょう。家で待っていても仕事は向こうからやってきてはくれません。履歴書を送ったからといって、待つのではなく、その関係の会社の人や友人などネットワークを作り、少しでも早く面接ができるよう、また採用してもらえるように人脈を作りましょう。

6. 家族の理解を受ける
 再就職に関して家族の理解を得ましょう。再就職ばかりは一人でやるというわけにはいきません。ご主人、子供、あるいは協力してくれる親など、周りの人間すべての理解をきちんと受けられるように話し合いましょう。

7. 仕事をこなす
 最後は仕事をこなすのみです。再就職も成功し、仕事に戻った後は仕事、そして家庭の両立をこなしましょう。誰もがあなたの成功を望んでいます。万が一、最初の就職先が合わなかったとしてもあきらめずに他を探し、仕事を続けられるようにしましょう。



いかがですか ? 役に立ちそうでしょうか ? ここでは簡単にご紹介しましたが、詳細を理解したい場合はこの本を読むことをお勧めします。まだ英語とオランダ語のみしかないのが残念ですが。


再就職を考えている方は、最初からフルに復帰する必要はないと思います。最初はパートなどから始め、徐々にフルに復帰するという形もありだと思います。そういう復帰の仕方をサポートしてくれる企業がもっともっと日本で出てきてくれると良いなと考えます。日本は少子化が問題とされており、将来働き手が少なすぎて年金が崩壊してしまうという危機感から、政府は子供を増やそうとしています。子供を増やすのもの一つの解決法かもしれませんが、女性の再就職というのもまた一つの解決法だと思います。もっともっと女性が再就職しやすい環境を政府・企業側でも提供してくれれば、巣立ち症候群にかからず女性が職場に戻ってくる日もありえるのではないでしょうか ?
 



* Carol Fishman Cohen and Vivian Steir Rabin (2007). Back on the Career Track: A Guide for Stay-at-Home Moms Who Want to Return to Work. Business Plus. (引用部分筆者訳)


<<前のコラム  |  次のコラム>>


  • 横浜 リサ
  • 横浜で育った浜っ子。中学 3 年生から親の仕事の関係で海外進出。英語がまったく話せないところから、体当たりで学ばされ、今では日本語より英語のほうが得意になるほど成長。アメリカ、シンガポール、香港等海外に居住経験 10 年以上。外資系金融会社にて 20 年以上の勤続。母として仕事と家庭の両立をはかりながら、主にオペレーションを専門とし、現在は日系の金融にて日々精進している。外資から日系に転職した逆輸入型。