「グローバル化」はここ 10 年でよく耳にするようになった言葉だと思います。当初はバブルがはじけて体力が落ちた日本の企業を外国資本会社が買い取り、日本に参入してくるという流れだったように思います。自動車会社の日産などが典型的な例です。しかし、最近の流れというとサブプライムローンに始まりリーマンショックなどが起こったことにより、体力が衰えた欧米の会社をアジア系の会社が買収するという逆の現象が起きているように思います。野村證券のリーマン・アジア/ヨーロッパ買収や、三菱証券とモルガン・スタンレー東京との合併などが良い例です。
さて、企業の形態が時代と共に変化していく中で、働く母にとっての環境はどのように変化していくのでしょうか?今回は働く母の目からみた企業のグローバル化について考えてみたいと思います。私は 20 年以上外資系金融会社で働いてきましたので、今回書かせていただく内容はもしかしたら金融業界特有の事かもしれません。業界によって違うような事があるようでしたら、みなさんのご意見・ご指摘をお待ちしております。
まず、企業のグローバル化が進むにつれ、日本特有の雇用形態である「終身雇用」という概念がなくなり、一度入った会社で定年まで働くということはなくなってきています。会社側も終身雇用ではないため、できる社員とできない社員をシビアに差別化するようになり、能力重視の管理体制に切り替えていくわけです。働く母として、このような会社で働き続けるためには十分に実力・能力をつけておくことが必要となります。
「働く母よ、実力・能力を身に付けよ!」これは何度言っても言い足りません。どんな実力が良いのか、どんな能力を身につけたら良いのかは自分が一番よくわかっていると思います。資格がものをいう業界なら資格をとっておきましょう。ニッチな世界であるのなら、その分野のエキスパートになりましょう。何よりもネットワークは重要です。今まで何回も書いていることなので新たにここで言う必要はないかもしれませんが、ネットワークはあまりにも重要なので大切にしてください。
女性が実力・能力をつけるために、欧米でおきた現象の一つとしては出産を遅らせたということです。通常なら 20 代や 30 代で出産をするところを、社内で自分のポジションを確保するため、 40 代になって初めて出産する女性がとても増えました。会社の中での自分のポジションが確立されているため、出産後も安心して仕事復帰できる環境が出来上がっているわけです。これも一つの選択肢です。グローバル化の中、働く母として生き残るために出産を遅らせる。みなさんもこれから考えていかなくてはいけないことかもしれませんね。
社員ばかりが生き残ろうとして努力しているわけではありません。会社も優秀な人材を引き止めるため、いろいろな選択肢を与えてくれるようになります。例えば働く母に対しては、多種多様な働き方を用意してくれます。週に 3 - 4 日のみ働くパート・タイムや、二人で一人分の仕事をするジョブ・シェアリングや、家から仕事をするテレ・コミューティングなどです。必ずしも毎日 8 時間会社に行かなくてはいけないという時間的な拘束がなくなる上、日数や場所が選べるなど、働く環境の選択肢が増えることで、働く母にとって子育てをしながらでも働ける環境ができています。
能力重視の他に「ダイバーシティー」も、あたりまえのように入ってきます。ダイバーシティーというと、日本では主に男性社会の中でいかに女性が進出していくかということに焦点が置かれます。しかしグローバル化の傘下では女性のみならず、いろいろな人種、宗教、身体障害者、性的選択(ゲイやレズビアン)なども考慮されるようになります。働く母ももちろん一つのダイバーシティーです。働く母はまず自分達が一つの確立されたグループだということを認識する必要があります。女性もそうです。私が社内でWomen’s Network という組織を作りボランティアで活動していたのも、そういった女性が一つのグループとして認識され、会社からもグループに合わせた適切な対応が必要だと主張する場をつくるという目的もありました。Women’s Network の中のサブ・グループとして働く母のグループがありました。働く母もそれなりの問題をかかえており、一つのグループとして認識された上での対応を必要としていたからです。このように働く女性や働く母はダイバーシティーをよく理解し、自分達で力をつけていくことが大切となってきます。自己の能力をのばすことも重要ですが、大きなグループとして自分達をアピールすることもとても重要になってきます。
女性は柔軟性に富んでいます。これは女性がどんな環境におかれても子孫を残せるようにするためだと聞いたことがあります。母は、その中でも更に柔軟性に富んでいると思います。それは子供を育てるためには柔軟でなければとても日々がやりくりできないからです。この柔軟性を活用して変化に対応し、そしていろいろな人間と交わるべきです。男性は従来、支配型で、相手を従わせようと戦い気味になります。よってグローバル化という変化の中、男性は上手に生き残っていけない人もいることでしょう。女性は柔軟性を用いてグローバル化の中で飛躍できるチャンスを自分の強みとして頑張ってください。
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