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タカシの外資系物語

# 61  ■ 各国タクシー事情


外資系企業で仕事をするようになってから、日系企業にいた頃より明らかに「タクシー」を使う回数が増えました。これは給料が増えたという理由ではなく、「時間がもったいない」「駅まで歩いて電車に乗るのは疲れる」という切実な理由から来ているのです。


いくら外資系企業とはいえ、電車が走っている始発から終電までの間は、基本的に電車で移動することになっています。ですから、それなりの合理的な理由がなければ、タクシー代を会社が負担してくれることはありません。


私の場合、だいたいひと月あたり 3 万円程度はタクシー代に消えます。外資系企業では、まぁ平均的なところだと思います。一方、気兼ねなくタクシー代を請求できる場合があります。それは海外出張の時です。海外ではスーツケースを持って街をウロウロ、というわけにはいきませんし、治安上の問題もあります。


タクシーは各国のお国柄が反映されていて、非常におもしろい体験ができます。


( ロンドン ) ロンドンでは、タクシーの運転手になるためには、超難関試験をパスしなければならないため、タクシーの運転手の社会的地位が高く、仕事そのものに誇りを持っています。いわゆる「職人気質」というやつです。


客が乗りこむ座席は、基本的にベンチシートが 1 つ。3 人以上の場合は、進行方向と逆向きの「折りたたみ席」を使います。実はこの折りたたみ席が非常にクセモノなのです。乗ってみれば分かりますが、普通の人なら 5 分程度で確実に酔います。初めてこの席に座ったとき、「タカシどうしたの ? 元気ないわよ」としきりに同僚に聞かれ、本当に参ってしまったことがあります。


( ニューヨーク ) ニューヨークのタクシーは非常にスリリングです。スピードも半端じゃありませんし、何よりも驚くのは、「クラクション」の使い方です。少しでももたついているクルマがあると、彼らは容赦なく、クラクションの「一斉砲火」を浴びせます。


「Hey man! Move it!」( もたもたしてんじゃねぇよ ! どきやがれ ! ) まあまあ、いいじゃないですか、と言いたくなるのですが、ニューヨークではこれぐらい強烈に自分をアピールしないと生き残れないのかもしれません。


タクシーにまつわる思い出で、一番強烈なのはインドネシアのジャカルタに行ったときです。ジャカルタの交通渋滞は世界的に有名で、その日も空港からオフィスまで行くのに、なんと 3 時間もかかりました。オフィスで打ち合わせをして、ホテルに戻るのに 2 時間半。結局、出張の大半はタクシー内で過ごしたことになります。


私が一番気に入っているのは、何と言っても日本のタクシーです。今日も残業で、帰りは真夜中でした。「どちらまで ?」「用賀で下りて、世田谷通り。府中街道を左。そのへんで起こしてください …。」「了解しました」ではおやすみなさい。Zzz...

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タカシの外資系物語
奈良タカシ 1968年7月 奈良県生まれ。
大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。3年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。
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