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タカシの外資系物語

# 55  ■ スピーチの基本


外資系企業で要求されるスキルの 1 つに、「プレゼンテーション能力」が挙げられます。実際に、私も現在の会社に入ってしばらくの間は、プレゼンテーション回数のあまりの多さと、同僚社員 ( 日本人、外国人とも ) のプレゼンテーション・スキルの高さに圧倒されていました。


プレゼンテーション・スキルは大きく分けると、次の 3 点といえます。


1. ロジカルな思考に基づいた資料 ( 見栄えがいいにこしたことはない )


2. スピーチ能力


3. 英語力 まず ( 1 ) については、多くの外資系企業では、プレゼンテーション資料の雛型としての「テンプレート」を持っています。資料はそのテンプレートに当てはめて作成すれば、自然にできあがるようになっているため、慣れれば大して難しくありません。


また「ロジカルな思考」というのも、実はそれほど難しくありません。要は、普通に考えるとどうなるかということを、ごくごく常識的に突き詰めれば、自然にロジカルな論旨展開は作れます。


とかく日本人は、いわゆる「浪花節」営業とばかりに、義理と人情を重視する傾向がありますが、それはプレゼン後の交渉時に行えばよいのであって、プレゼン時に考えることではありません。 次に ( 3 ) については、それなりの勉強とある程度の慣れが必要であることは、このコラムでも繰り返し述べているところです。


さて、問題は ( 2 ) の「スピーチ」です。 生まれつき話し上手な人は別として、大多数の日本人にとって、「魅力的なスピーチ」というのは非常に難しい課題なのです。 私も「話し下手」のほうなので、「スピーチ能力」の向上には、今も苦労しています。 ただ、外資系企業で「話し下手」というのは、致命傷になりかねませんから、それなりの訓練はしています。


私の会社では、月 1 回「スピーチ・トレーニング」というクラスを業務後に開講しています。これはスピーチのプロを米国本社から呼んで、そのノウハウを学ぶというものです。


私が相手にしている顧客の大半は日本人なので、結果的には、「日本語のスピーチの仕方を米国人から習っている」ことになっているのですが、言語の違いはあるにせよ、非常に参考になります。


まず重要なことは、聞き手を惹きつける「導入」です。この部分のでき次第で、スピーチの成功の大半は決まったようなものなのだそうです。 スピーチの「山場」は声を大きく、クライマックスは「余韻」を残して終わります。それぞれの部分で、「身振り手振り」「目線」の使い方も違ってきます。 テストに合格することを目的とした「資格」も重要ですが、このような「実践」で活きるスキル向上に惜しみなくお金をかけるところにも、外資系企業の強さがあるような気がしています。

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タカシの外資系物語
奈良タカシ 1968年7月 奈良県生まれ。
大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。3年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。
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