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タカシの外資系物語

# 53  ■ 海外での入院


出張時に一番困ることは、体調を崩すことです。私の場合は、多少のカゼなどは気合いでなんとかなるのですが、数年前から腰にヘルニアの持病がありまして、長時間のフライトや過度のストレスがたまると、腰が痛くて立てなくなってしまうのです。


先日、ロンドンの出張時に、とうとうそれが出てしまいました。プロジェクトの最終段階で徹夜が続き、ストレスがたまっていたことが原因だと思われます。


ベッドでイモムシ状態になって七転八倒した揚げ句、私は 1 つの結論に達しました。


「うーむ、いたしかたない。病院へ行こう」。


私は出張の際、いつも「海外旅行傷害保険」に入ります。空港で自動販売機みたいに並んでいる、あれです。もっと事前に手配しておけばいいのですが、出張前はやることが多く、ついついフライト直前の対応になってしまいます。


機械の前で手続きを済ませると、保険証書が出てきます。イギリスなど、入国管理の厳しい国では、この証書が非常に重要です。


「私は保険に入っていますから、この国で病気やケガになっても、日本から保険金が出ますよ」ということが証明できれば、入管がスムースにいくことが多いのです。


さてさて、ホテルのボーイさんに手伝ってもらってタクシーに乗り込んだ私は、海外旅行傷害保険のパンフレットに載っている「キャッシュレス・メディカル・サービス」( 保険加入者は無料で診察してくれる病院 ) に向かいました。


病院に着くと、初老のドクターが待っていました。


( ドクター ) 「How are you?」


-「How are you?」ってあんた、「I'm fine, thank you!」とは言えんじゃろう …


( 私 ) 「It is Hernia! Hernia! ( ヘルニア ! ヘルニア ! )」


( ドクター ) 「What? Hell?」


- そりゃ "地獄" ( Hell ) にいるほど痛いけど … わかってよ !


そのドクターの診察によると、「原因不明の腰痛」ということでした … 「ヘルニア」って言うとるやないかぁー !


結局、私は友人に紹介してもらった病院に代わりました。痛み止めを注射し、腰を牽引( 頭と足の両方を引っ張ること ) してもらって、翌朝にはプロジェクトに復帰することができました。


が、しかしです。費用はなんと、500 ポンド( 10 万円弱 ) ! がーーん ! 外国人旅行者が個人医にかかると、これが相場とか。


ちなみに海外旅行傷害保険は対象外ということで、ききませんでした。


みなさん、出張先での病気やケガには、十分に注意しましょう … トホホ …

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タカシの外資系物語
奈良タカシ 1968年7月 奈良県生まれ。
大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。3年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。
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