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タカシの外資系物語

# 39  ■ 万国共通の話題は映画と音楽


外資系企業に勤めていると、日本人の友だちから「普段、外国人とどんな話をしているの ?」とよく聞かれます。要するに外国人との世間話の話題についてです。


確かに相手が日本に来るのがはじめての場合には、浅草や鎌倉の神社仏閣に連れて行って、日本の歴史や伝統の話をすることが多いように思います。しかし外資系企業には、長期にわたり日本に滞在している外国人が多数います。彼らに対して、毎日毎日お寺の話をしているというわけにはいきません。


世間話の話題で一番多いのは、映画や音楽の話ではないかと思います。映画や音楽は万国共通ですから、会話は非常に盛り上がります。


「今度のディカプリオの新作はイマイチだったね」


「マドンナのニューアルバム聞いた ? もう最高よ !」


このような会話が、お昼や 3 時のミーティングルームにおいて展開されます。


幸いなことに、私は洋画も洋楽もけっこういけるほうなので、このような会話にも積極的に参加することができます。しかしなかには、外国人と話題を合わせるために、苦労している人たちもいます。それは年配の日本人管理職です。


「タカシ君、タカシ君。ちょっと質問があるんだけど」


「何ですか ? 部長」


「君、" じゃみろこわい "って知ってる ?」


「それって、" こわい " じゃなくて " クワイ " ですよ。


「" ジャミロクワイ "」


「そうそう、そのクワイっての。今度入ったリンダが熱烈なファンみたいなんだよね。どんな歌なの ? ちょっと歌ってみてよ」


「そんな無茶な……」


ここで、映画や音楽の話をする際のポイントをお教えしましょう。映画については、やはりヒット作は欠かせません。また最新洋画には、そのときの欧米文化のエッセンスが詰まっています。世間話のためだけでなく、外資系企業で働く上で必要な考えかたを知る、という意味でも有益だと思います。


次に音楽ですが、アメリカ人の場合は Billy Joel、イギリス人の場合は Queen、そして基本中の基本、Beatles。先ごろ発売された Beatles のベスト盤が、全世界で売れに売れているようですが、やはり彼らのサウンドは欧米人の心に染み付いているようです。


さて、例の部長がまたやってきました。


「タカシ君、Back Street Boys の新作聞いた ?」


「えっ ?」


「いや娘がファンでね、よく聞くとなかなかいいもんだね」


やはり映画と音楽は世代を問わず、万国共通のようですね。

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タカシの外資系物語
奈良タカシ 1968年7月 奈良県生まれ。
大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。3年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。
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