みなさんのオフィスは、年に何回ぐらい「模様替え」( レイアウト変更 ) を行いますか ? 私が勤める外資系企業では、少なくとも 2 カ月に 1 度は、レイアウト変更を行っています。オフィスのレイアウト構成は、基本的に各セクションヘッドに委ねられているため、頻繁にヘッドが変わるセクションでは、ほぼ毎月といっていいくらい " ドタンバタン " とやっています。
そもそも欧米人は、オフィスのレイアウトに対して、異常なくらい神経を使います。何をどうしたいのか、私には理解に苦しむ場面もしばしばなのですが、日本にも「風水」という思想があることを考えると、納得できなくもないのでしょうか。
オフィスのレイアウトには、ヘッドの意向が反映されているのはもちろんですが、業務内容によって個性が出ているのがおもしろい点です。私が所属する金融チームは、基本的に個人ごとのデスクが間仕切りで仕切られています。金融チームの隣は、CRM ( 企業の顧客管理の方法やそのシステム導入に特化 ) チームです。CRM チームには、間仕切りは一切ありません。ヘッドが末端の社員のまで見ることができ、非常にオープンな雰囲気です。何となく理解できる差だと思いませんか ?
レイアウト変更の最中は、机を使用できなくなりますから、どこか違う場所で仕事をしなければなりません。日系企業ならば、「今日は仕事にならないなぁ」と苦笑いするところでしょうが、外資系企業ではそうはいきません。彼らは、人ひとり座れるスペースさえあれば、膝の上にノートパソコンを置いて、仕事を始めます。私も最近は慣れてきたのか、ノートパソコンさえ置ければ、その場で立ってでも仕事できるようになりましたが ……。
レイアウト変更にあたり、ヘッドが重視する点は共通しています。それは「自分にとって仕事がしやすいこと」のみです。部下の意向というのは二の次で、あくまでも自分のやりたいようにやります。ヘッドのやりたいようにインフラを整え、それにより業績が上がれば、ひいては部下のためにもなる、という考え方です。いかにも外資系らしい発想だと思います。
各セクションが好きなようにレイアウト変更を実施した結果、オフィス全体は、一見、非常にまとまりのない雑然とした状態になります。しかしよくよく見てみると、個々のセクションは機能的に動いており、それはまるで、個性のある部品が多数集まってできた 1 つの「作品」を見ているようでもあります。「スタイルはどうでもいい。とにかく稼げ !」。うちの社長の言葉にも、ピッタリ合っているのかもしれませんね。
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奈良タカシ 1968年7月 奈良県生まれ。
大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。3年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。 「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。 |