グローバルベースで仕事をしていると、海外と打ち合わせをする機会が頻繁に発生します。私が現在担当しているプロジェクトは、東京・ニューヨーク・ロンドン・シンガポール・香港のスタッフが関与しており、連絡をとり合って意思疎通を図るのが非常に難しい状況にあります。また、e-mail での連絡にも限界があります。このような場合、「電話会議」という仕組みを利用します。
「電話会議」というのは、会社のネットワークの中にバーチャルな「会議室」を設定して、参加者が全員そこに電話することによりコミュニケートするというものです。当然、参加者の顔は見えないのですが、電話さえあれば、いつでもどこからでもアクセスできるため、非常に便利なツールだといえます。
会議は英語で進められます。参加者が 4 人程度ならば、だれが何をいっているのかだいたい見当がつくのですが、7 人を超えるあたりから、収拾がつかなくなってきます。急に咳込んだりクシャミをする人や、NY のパトカーのサイレンが聞こえてきたりと、「会議室」は大混乱の様相を呈してきます。先日はこんなことがありました。
この日の議事進行は、NY 事務所マネージャーのジョナスだったのですが、彼女は自宅でホットケーキを焼きながら会議に参加していたのです。「Oh,My God !」と会議の途中、突然ジョナスの絶叫が聞こえました。ホットケーキが焦げてしまったようです ( その後 10 分ほど、「ホットケーキをうまく焼く方法」という議題に変わってしまいました )。
さて、私は自宅から電話会議に参加するときには、いつも机の上に電話を置いて、正座して臨みます。正座する必要はまったくないのですが、そもそも英語がそれほど堪能ではないので、気合を入れる意味で正座するのです。それでも会議では相づちを入れる程度にしか参加できません。そもそも日本人は、相手の話をさえぎってまで話すことが得意ではないので、かなりの自信がないと彼らに立ち向かうことは難しいのだ、と自分を慰めています ( これではいけないのですが ……)。
今日もニューヨークと電話会議をしました。「ジョナス、今日は何をしているの ?」「今日はスパゲティをゆでてるの。何とかうまくいきそうよ !」。ジョナス、おそるべし。次回の電話会議では、私もかぼちゃの煮つけでもつくりながら参加してやろうと考えています。
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奈良タカシ 1968年7月 奈良県生まれ。
大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。3年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。 「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。 |