最近、私のチームにジュリアンという女性が入りました。彼女は「サマーインターン」と呼ばれていて、米国の本社が受け入れている大学院生です。現在、ペンシルバニア大学のウォートン・ビジネススクール ( 米国有数の MBA) に通い、英語はもちろんのこと、日本語と中国語を話す才媛です。
「サマーインターン」というのは、主に MBA の学生が卒業前にどこかの企業に「体験入社」することによって、生のビジネスに触れようというプログラムです。でも実際のところは卒業後、サマーインターンで行った企業に入る可能性が極めて高く、企業による一種の「青田買い」のような制度になっています。
彼女と接していて感じることは、非常に優秀なのはもちろんなのですが、今すぐにでも現場で通用する「実践力」を兼ね備えていることに驚かされます。彼女いわく「MBA の授業では、実践的なカリキュラムしか組まれていないわ。もちろんすべて "架空"の世界だから、サマーインターンの経験はとても役立つの。」
さて、私や私の日本人の部下が受けてきた高等教育は、いったいどれだけ実務に役立っているのでしょうか。私は大学で数理経済学というのを専攻しましたが、今の今まで、「これは役立ったなぁ」と感じたことは一度もありません。日本の場合、大学を卒業して即戦力としてバリバリ活躍できる可能性はほとんどないといっていいでしょう。これは使う側の企業にも問題があるのですが、「使いたくても使いようがない」という意味では、学生側にも問題があるのだと思います。そういえば、私が最初に就職した銀行では、1 年間ほとんどワープロ打ち、シュレッダー、コピーとりしかやっていなかったような気がします。
ただ私は、日本の学生もその気になれば、アメリカの MBA 取得者に負けない実力をつけるチャンスはあると考えています。1 つには、英語です。英語は慣れるしかありません。日本にいて英語を身につけるには、英会話学校に真剣に通うなど、それなりの投資をしなければならないでしょう。あとは「気迫」です。入社後 2 年程度は、なかなか仕事がおもしろく感じられません。しかし、そこを我慢して、自分なりに実力を蓄積していこうとする積極性が重要です。2 年の間、実務を通して経験を積めば、MBA 取得者に負けないぐらいの実力はついているはずです。
どうやら来年 10 月には、ジュリアンと一緒に働くことになりそうです。数年後、地位を逆転されていないように、私も自分の実力に磨きをかけなければなりません。
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奈良タカシ 1968年7月 奈良県生まれ。
大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。3年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。 「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。 |