仕事を進めていく上で重要なことに、「報告」「連絡」「相談」というのがあります。これらを省略して「ほうれんそう」などといったりしますが、外資系企業の場合はどうでしょうか ? 以前にもお話しましたが、外資系企業の場合には、これらのプロセスが非常に重視されます。特に会社にとってよくないことについては、すぐに上司に報告することが義務づけられており、これを怠ると非常に悪い評価を受けてしまいます。
さて、上司に報告をするときはどうでしょうか ? 報告の仕方そのものは、日系企業と大差ないと思います。しかし、日系企業の場合は、報告者がうまく要点をまとめていないと、「やり直し!」ということをよくします。これは上司の部下に対する“愛情”と受け止められているようですが、外資系企業の場合は「やり直し」はありません。外資系企業では、「時間」を重視するので、やり直している暇はないのです。報告は 1 回限り、うまくできなければ、報告者の評価が下がるだけです。
私が上司に報告する際に注意していることは、「なぜ私はこの報告をしているのか ? 」「なぜ今なのか ? 」「なぜ私はこの言葉を使うのか ? 」。「なぜ」を常に明確にしているつもりです。ところが一方の上司は、どんなに短い報告でも最低5回は「Why?」と聞いてきます。それを毎回いわれている私もいかがなものかという感じですが、どんなに準備をしてから報告しても「Why?」は出てくるのです。
これに対する私の回答は、「Because ~」となるわけですが、なかにはうまく説明できないことがあります。あるとき、上司に次のようにいわれたことがあります。「タカシがうまく説明できない事柄の中に、われわれにとって非常に重要なことが含まれているのだ。私の役割は、うまく説明できない事柄を、筋道立てて説明できるようにすることにあるのだから」。
外資系企業において何よりも求められるのは、不明確な点をなくすこと。どんなに流暢な英語をしゃべる人でも、上司の「Why?」に明確に答えることができなければ、高い評価を受けることはできないでしょう。
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奈良タカシ 1968年7月 奈良県生まれ。
大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。3年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。 「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。 |