ソーシャルブックマーク: Yahoo!ブックマーク はてなブックマーク Google Bookmarks    
タカシの外資系物語

# 9  ■ プロジェクトごとに上司を選べる


外資系企業では人間関係がドライで、人と人とのつながりが薄い、という話をよく耳にします。それは一面では当たっています。とくに、他人のプライベートには一切干渉しません。なぜなら、そのこと自体には、仕事をする上でまったく関係がない、要するに、会社の収益に影響を与えないからです。


しかし外資系企業でうまくやっていくには、“人間関係”のコントロールが非常に重要なファクターとなってきます。私が所属する組織を例にとって説明しましょう。


私が所属するのは、外資系コンサルティング会社の金融事業部という組織です。主に銀行・証券・保険などの金融機関 ( 日系・外資系とも ) に対して、経営や IT 関連のコンサルティングを行っています。事業部長は日本人で、その下に 5 人のグループ長がいます。2 人が日本人、残り 3 人がアメリカ人です。私は彼らグループ長の下のクラスに位置するマネージャーです。通常、マネージャーがひとつのプロジェクトを担当し、グループ長は複数のプロジェクトの管理責任を負っています。


さて、ここまでは日本の企業と変わりないと思います。しかし大きく異なる点があります。それは、マネージャーである私は、あるプロジェクトを担当する際に、「上司を選べる」ということです。そのプロジェクトを進める上で、最適の上司は誰なのか、それを選ぶ権利が部下にあるのです。プロジェクトから得られる収益の一部は、私のボーナスに反映されます。ですから、マネージャーである私も、自分の上司を選ぶ際には非常に慎重になります。逆に誰からも選ばれない上司は、報酬が得られないばかりか、そのうち淘汰されて会社から消えていきます。


本当に実力のあるグループ長は、マネージャーから選ばれる率が高いので、黙っていても仕事が舞い込んできます。しかし実力のないグループ長は、われわれマネージャーのご機嫌とりをして、何とか選んでもらおうとします。日本企業の場合は、能力のあるなしにかかわらず、自分の上司は決まっていますから、上司が部下に対して、自分の報酬や地位の安定のために、媚びを売るようなことは少ないのではないでしょうか。


確かに、日本企業においても女性社員に気に入られようと、必死になっている課長さんは存在します。しかしそういう上司に限って、部下の信頼を得られないのは、外資系企業でも同じことです。

<<前のコラム  |  次のコラム>>

” 人気のキーワード ” を含むコラム一覧はこちらをクリック!!

外資系転職をお考えの方 仕事検索はこちらから
タカシの外資系物語
奈良タカシ 1968年7月 奈良県生まれ。
大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。3年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。
「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。