一般的に、会議というのはだれにとっても眠いものです。なぜ眠いのかというと、自分が会議の当事者でもない限り、ほとんど発言の機会がないから、要するに眠っていても OK な状況だからだと思われます。日本の企業の場合、会議で発表される内容は事前に参加者全員に知らされ、入念なネゴシエーションが実施されます。問題があれば会議が始まる前に修正されるため、会議中に異を唱える人はほとんどいません。
外資系企業の場合でも、会議の内容は事前に知らされますが、それ以上のことはやりません。何かおかしい点があれば、会議中にドンドン修正されていくのです。会議は単なる“発表”の場ではなく、文字どおり“議論”そして“修正”の場なのです。ですから眠っているヒマはありません。自分に関係ないような議題で始まっても、いつ自分に関係の深い内容になるか予想がつかないからです。
たとえば、ある事業部における今期の収益目標とそのアクション・プランが議題であったとしましょう。発表者は、担当マネージャです。「その収益目標は彼には無理だ。彼のリソースを私に与えてくれたら、私のセクションで達成しよう」「いや私は今期、新しい戦略をとるつもりだ。30 分くれたら、ここで発表しよう」
うかつにも眠ってしまおうものなら、いつ自分の部下が奪われているかもわからないのです。外国人の同僚は、「会議ほど楽しいものはない。ボスに対して直接的に、自分を認めてもらえる唯一の場だから」と言います。みんな会議の前には、かなりの時間をかけて「自分なりの発表」をするための準備をします。テーマは常に同じ。「いかに自分の方を向かせるか ! 」
さて今日も朝 8 時から会議です。マネージャは全員7時には来ていました。本日のテーマは「新規採用について」。熱く、そして眠いけど眠れない 1 日が始まります。
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奈良タカシ 1968年7月 奈良県生まれ。
大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。3年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。 「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。 |