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タカシの外資系物語

# 410  ■ 外資流 ! 人脈の広げ方 ( その 2 )


――― 社外交流会 ! その前に … ―――


( 先週の続き ) 今回は、私が実践している「人脈の構築法」についてお話しましょう。ポイントは以下の 3 点です。
( 1 ) 社内から始める
( 2 ) 手を挙げる
( 3 ) 責任を持つ
「なんじゃ、そりゃ … 意味わからんわ ! 」まぁまぁ、順番にご説明しますので。


まず、「( 1 ) 社内から始める」について。私は、人脈構築に関する大前提として、社内で人脈を築くことができない人は、社外で人脈構築など、とても無理だと考えています。実際に、「社外交流会」「異業種勉強会」などに足繁く通っている人のうち、かなりの割合の人が社内に全く人脈を築けていない場合が多い。私の周りにも何人かいます。夜になると、業務もそぞろに、「お先に失礼します … 」。どこに行くかと思ったら社外の会合です。それも、お金を払って参加していたりします。


私に言わせれば、これこそ「なんじゃ、そりゃ … 意味わからんわ ! 」です。社内の潜在的な人脈を無視して、何が外部でしょう ? 社内をないがしろにして築いた人脈で、何ができるというのでしょうか ?


仕事に関係のない人脈構築が目的なら、社外のサークル活動的な会合もあり得るでしょう。しかし、仕事目的なら、まずは社内で人脈を築く方が余程効果が上がります。まず何よりも、社内で顔が広くなれば仕事がやりやすくなります。また、社内の知り合いを通じて、その人の友達を紹介してもらえたりします。同じ会社の社員であれば、目指す方向性や価値観も、ほぼ同じベクトルを向いているはずです。だから、強固な人脈を築きやすいのです。


一方、社外では、「私は○○社の△△と申します。よろしくお願いします … 」から始めないといけません。相手が自分と同じ価値観を持っているかどうかもわかりません。名刺交換の練習をするつもりならそれでも構いませんが、あまりに非効率です。


外資に転職してきた外国人の多くは、入社後の 1 ヶ月程度を「社内人脈構築の期間」と位置付けて、社内に対して、徹底的に自分を売り込み、また社内の人材を知ろうと努力します。しかし、残念なことに、日本人はこのような努力が乏しい。その結果、会社に馴染めなくて、すぐに辞めてしまうケースも目にします。


「うちの会社はバカばっかりだから、社外に人脈を求めるしかないのさ … 」と、あまのじゃくになっているアナタ。あなたが社内の人を知らないだけ、知ろうと努力していないだけですよ。


――― 自ら “ワクワク” を作り出せ ! ―――


次の、「( 2 ) 手を挙げる」とは何でしょうか ? 別の言い方をすれば、「積極的に仕事を引き受けて、顔を突っ込め ! 」ということです。


人と知り合うということは、人との接点を持つということです。接点といっても、お互いに挨拶をし合うだけでは人脈とはいえない。有効な人脈とは、いかに相手と濃密な時間を共有したか、ということにかかっています。会社でいえば、一緒に仕事をするのが、最も手っ取り早いわけです。そのためには、人の嫌がる仕事でも、率先して引き受けるべきなのです。


「誰か立候補してくれる人はいないかな ? 」という局面になったら、私はとりあえず手を挙げることにしています。その様子を見て、「いい子ぶりやがって ! 」という風に見ている人もいることでしょう。そういう気持ちが全く無いとは言いません。しかし、私が手を挙げる最大の理由は、「何か新しいこと、自分の知らない人に出会えるかもしれないから」という方がはるかに大きい。とかく、与えられた仕事というのは退屈なものが殆どですし、ワクワクするようなチャレンジ案件を常に与えられるわけではありません。ならば、自分でそういう環境を作り出すしかないのです。


よく言われることですが、日本人というのは一般的に、自ら手を挙げるのが苦手です。座席が自由だった場合、一番前の席に座るのも苦手ですね。でも、話し手が前にいる以上、一番前に座った方がその人と知り合いになる可能性は絶対高いわけで、率先して手を挙げるのも同じことです。


もちろん、追加で仕事を背負い込むことになるので、自己管理は徹底しなければなりませんが、社外の会合に会費を払って参加するよりは、はるかに安上がりで、人脈が築きやすいのは確かだと思います。


――― 人脈 = 信頼関係 ―――


最後に、「( 3 ) 責任を持つ」について。人脈を築く際の有効な策として、「ギブ・アンド・テイク」ということがよく言われます。自分にとって有益な情報を一方的に求めるだけではなく、相手にとって有益な情報を提供しなければならない、ということを指します。


しかし、諜報機関の職員 ( ジェームス・ボンドとか ! ) でもない限り、普通の会社員はそんなに情報を持っているわけではありません。相手もしかりです。つまり、お互いに提供し合うような情報が乏しい場合、どうするか ? そんな時は、お互いに約束しあったことを、責任を持ってやることで、相手から信頼される存在になるしかないのです。


単に挨拶をし合う存在と「人脈」との最大の違いは、「相手を信頼しているか ? 」ということに尽きます。逆に言うと、責任感が強くて周囲の信任の厚い人は、自然と強固な人脈を築けているように思います。


いかがでしょうか。私は上記で述べた ( 1 )~( 3 ) の実践を心掛けています。もちろん、いつも上手くいくわけではないですが。ただ、その結果、社内で困った時には誰に聞けばいいかも大体理解していますし、その人脈を使って仕事も円滑に回せるようになっています。また、先週述べたダイジョブの皆さんも含め、趣味の範囲も含めて、社外にも知り合いができています。


重要なことは、「人数」ではない。やはり、「質」と「深さ」だと思います。友達も同じことですね。私は親友と呼べる人物が数えるほどしかいませんが、その人たちは私が困ったときに必ず助けてくれる「保証」( または、過去に助けてくれたという「実績」 ) があるので、数人でも全く問題ありません。人脈というのも同じことだと思います。


「人脈を作らなきゃ … 」という、何か強迫観念に囚われているアナタ。まずは社内を見渡してみましょう。そして、新しい仕事に手を挙げて、その仕事を責任持ってやり遂げる … これだけで、驚く程人脈は増えるのではないかと思います。

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タカシの外資系物語
奈良タカシ 1968年7月 奈良県生まれ。
大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。3年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。
「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。