… お、小鳥が鳴き始めたぞ。窓の外も明るいや … そっか、夜が明けたんだな。それにしても、この夢うつつ状態、なんて気持ちがいいんだろ … あと 10 分だけ眠るとするか、Zzz … って、寝てる場合かぁーーーーっ ! 全然、勉強しとらんわーーーーーっ ! はぁはぁ … (T-T)(T-T)(T-T)
… なーんていう経験、みなさんにもきっとあるでしょう。学生時代、定期試験前の一夜漬け。「なんだ、まだ夜中の 2 時か。余裕、余裕 … ちょっと一眠り … 」なんて横になったが最後、目が覚めたら、とっくに夜が明けていた …
実は私、老舗の漬物屋さんもびっくりの「奈良の一夜漬け王」として、業界では名が知れた存在でした ( んなもん、知らん、知らん ! )。私のどこがすごいかというと、たとえ目が覚めて朝の 8 時だったとしても、そこから「一夜漬け」ならぬ、「一朝漬け」をやるのです。ま、こんなことができたのも、私が通っていた高校が自宅から歩いて 5 分のところにあったからこそ、できた技なのですが … ( だから、全然すごくない )。
学校に行ってみると、こんなお決まりの会話を交わします。「やっべー、昨日寝ちゃったよー。こりゃ、赤点 ( 落第点=私の高校の場合、 40 点以下でした ) 覚悟だな、トホホ … 」 で、いざフタをあけてみると、こんなことを大声で言っていたやつに限って、クラスでトップだったりします。
こんな経験もあるでしょう。学校のマラソン大会かなんかで、「私、長距離って自信ないんだぁ … すっごい遅いから、一緒に走ってね、お願い ! (T-T)」 とかなんとか懇願しておいて、いざスタートすると、速い、速い ! こういう人ほど、陸上部よりも速かったりします。
ん ? で、お前はどうだったんだって ? 私は計画的に勉強するのも、マラソンも苦手でしたから、何も言いませんでしたね。定期試験など、答案用紙が配られる直前まで勉強している派だったので、しゃべるヒマなどありませんでした。マラソンの直前には、「どうしたら、途中でリタイヤできるだろう … お腹が痛くなってくれはしないか … 」 と真剣に考えていたように思います。逆の場合もしかりでして、「こりゃ勉強したな … 90 点はかたい ! 」と思ったときも、そんな自信は微塵も見せなかったように思います。
いずれにせよ、本当は自信があるのに、「全く自信がないように振舞う」「自信を表に出さないようにする」というのは、日本人の間では、よく見られる事象です。
Thomas 「Takashi, I discovered a very important thing, about …Japanesepeople character !」( タカシ、まぁ聞いてくれよ。オレは、日本人の気質について、ある重大な発見をしたぞ ! )
Discover ってアンタ、そんな大げさな … 通常、こんなケースに用いる動詞は「find」くらいが妥当なんですが、 Thomas があえて「Discover」なんて言葉を使っているからには、そりゃ “ 大発見 ” をしたに違いありません。
私 「どうしたの ? 」
Thomas 「オレも日本に来て 1 年が過ぎるが、やっと日本人のことがわかってきたぞ! 日本人が できない、できない (cannot ! cannot !) と言う場合は、大抵の場合、できると言いたいんだよ ! 」
私 「は ? 」
最初、Thomas が何を言っているのか全く理解できなかったのですが、あるエピソードを聞いて、彼の “ 大発見 ” を理解することができました。そのエピソードとは …
【 Thomas が “ 大発見 ” をしたエピソード 】
先日、同僚のマキさんが海外事例の調査で困っていたので、その分野で経験豊富なThomas を紹介してあげたことがありました。打ち合わせの日時も決まったので、「これでよし … じゃ、よろしく ! 」とマキさんに投げたところ、マキさんから一言。
マキさん 「タカシさんもミーティングに同席してもらえるんですよね ? 」
私 「いや、私は別件があるので、ちょっと無理かな … 」
マキさん 「え !? それは困ります … 」
私 「どうして ? 」
マキさん 「英語のコミュニケーションの問題もあるし … 」
なるほど、マキさんって英語に自信がないんだな …
私 「じゃ、Thomas の秘書をしているナオコさんに同席してもらいますよ。彼女に通訳を頼めばいい。Thomas には、コミュニケーションの問題があるので、ナオコさんも連れてきてって、言っておきますよ … 」
で、ミーティングの日。いざ、フタを空けてみたら、マキさんは Native Speaker 並みのバイリンガルだったとのこと。 Thomas はドイツ生まれのスイス人ですので、英語は Native ではありません ( もちろん、普通の日本人とは比べ物にならないくらい会話できますが … )。Thomas いわく、「コミュニケーションの問題は、むしろオレの方にあったよ。マキさんの方が、はるかに英語できるじゃん … 」
Thomas は、このエピソードを 1 つの例として、「日本人は、事実とは逆を言うんだろ ? 」と言っているのです。にゃるほどねぇ …
Thomas 「なぜだ ! なぜ、できるならできると言ってくれない ? それなら、ナオコを連れて行かなくても良かったのに …」
はてさて、一体どうしてなんでしょうか ?
私が冒頭に挙げた例も、Thomas の “ 大発見 ” も、基本的には「日本人の気質」です。つまり、本当はできるんだけど、できないと言っておいた方が、何か失敗をしたときの言い訳になるという考え。一種の「保険」みたいなものです。日本人特有の「奥ゆかしさ」とも言えますよね。
しかし、この奥ゆかしさこそ、外国人を「イライラさせる」ことに気付いていない日本人の、いかに多いことか ! 私は外資系企業において、Thomas のような外国人と数多く接していますが、いずれの外国人もユキさんのような「奥ゆかしさ」を評価することは、まずありません。
「できない、できないって、ホントはできるんじゃん ! こいつぅーー ( ウリウリ … )」なんて考える外国人は、まずいないのです。それどころか、「できるなら、初めからできると言ってほしい。そうすれば、より効率的に段取りが立てられるのに … 」と、不快感をあらわにするケースの方がはるかに多いと思います。
私は Thomas に、私の学生時代のエピソードも交えながら、彼の “ 大発見 ” の裏に潜む、日本人の気質・民族性について説明してみました。
Thomas 「ふーーん … 日本人というのは、くだらないことに保険をかけるんだなぁ。全く、理解できん … 」
ま、Thomas に理解させるには、もう少し時間がかかりそうです。
Thomas 「それはそうと … 」
私 「へ ? 」
Thomas 「タカシ、お前は英語ができそうな顔をしている割には、イマイチできないなぁ … 」
あ、あのなぁ … 顔で判断するなよ、顔で … ( 怒 ! ) いずれにしても、以上の「誤解」は、日本人が自分の能力、例えば英語力などを、外国人に説明する際に、よく起こります。かく言う私も、これまでに数々の失敗を繰り返してきましたっけ …
ということで、次回のコラムでは、自分の英語力を偽ったばかりに失敗した私の経験談をお話することにしましょう。
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